21話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それから2時間ほどソラミに合わせて外で遊んでいたが、だんだんと元気がなくなってきていることに気づく。
『(寝不足で体力が落ちてるってことね)』
まだ陽の高いうちから眠そうな顔をして、それを必死に振り払いながら遊んでいる。
「次はね・・・えっと・・・」
『ねぇ、ソラミちゃん
眠そうだけど大丈夫?』
そう恋歌が聞くと、びくっと肩を震わせてぎこちない笑顔で大丈夫だと返事をする。
「まだ・・・起きてられる、から」
『そう・・・』
無理に寝かせたところで悪夢を見てしまうのだから意味のない事。
悪夢を見る辛さは実体験でよくわかっているつもりだ。
「・・・ちょっとだけ、ソラミの話聞いてくれる?」
『もちろん』
ソラミに手を引かれてベンチに横並びに座ると、ファットガムの形をした石を握りしめながら、事件の事をぽつぽつと話し始めた。
事件の内容は母親と一緒に買い物をしているときにいきなり知らない男に攫われ、拳銃を突きつけられて数時間どこかに閉じ込められたというものらしい。
最終的にはファットガムが助けてくれたのだが、それまでに助けようとしてくれた何人かのヒーローが目の前で撃たれ倒れていくのを見てしまった。
それを自分のせいだと思い込み、当時の記憶が眠ると悪夢として蘇ってきてしまうという事だった。
「ファットもね・・・ソラミのせいやないって何回も言ってくれた
けど・・・けど・・・」
ぐすぐすと泣き始めたソラミを膝の上に乗せてやり、ぎゅっと抱きしめてやる。
『そっか・・・
私もね、眠ると怖い夢を見るから眠れなかった時があったんだよ』
「お姉ちゃんも?
どんな夢?」
『・・・大切な人がたくさんいなくなっちゃう夢
助けたいのに目の前でどうしても助けられなくて・・・その夢は毎日毎日私から大切な人を奪っていった』
「・・・その夢を見なくなったのはなんで?」
『ヒーローが助けてくれたの』
「ヒーロー?」
『うん、ほんとはね一人で解決しようとしてたんだけどヒーローが頼っていいって言ってくれて・・・
その悪夢から助けてくれたの
何かあっても絶対に助けてくれる
最高のヒーローが私にはいるんだ
ソラミちゃんにはそういうヒーローいないの?』
「最高のヒーロー・・・
ファット・・・ファットがソラミにとっての最高のヒーローや」
ファットガムの石を抱き締めて、ぽたぽたと涙が石に落ちては流れていく。
ぽんぽん、と背中をたたいて個性を発動した。
『じゃあその最高のヒーローのファットは、ソラミちゃんがどんな悪夢を見ようと必ず助けてくれるよ
信じよう、自分のヒーローを』
「うんっ・・・うんっ・・・」
遊び疲れたのか、泣き疲れたのかわからないが眠ってしまったソラミを病室まで運んだ。
『(小学生って結構重いんだね・・・)』
筋力のない恋歌は庭から病室に戻ってくるまでに何回か休憩しなければいけないほど神経と体力を使った。
それに病室まで運んだはいいが、コスチュームをぎゅっと握られているので、離れるに離れられない状況。
一応うなされはじめたら個性を使っている為、今で3回使っている。
『(あと2回・・・)』
恋歌は個性伸ばし訓練で1回から5回にまで上限を上げているが、伸ばし方は眠気に慣れる事。
1回で眠ってしまっていたのをぐっと我慢することで、個性発動後の眠気に耐えれるようになり、それが5回まで伸びた。
なので、1回でも使えば眠くなることは眠くなる。
今は3回も使ってしまったので、若干うとうとし始めているが、ソラミが魘されれば個性を使おうと思っているのでそれに耐えている。
頭がふらふらしてきたので、振動でソラミを起こさない様に壁に頭を預けながら少しだけ目を閉じる。
夕方になりファットガム、切島、天喰は病院に来ていた。
切島と天喰は明日学校がある為帰り支度をして制服姿で、ファットガムはどうなったかと様子を見に来た。
ソラミが寝ていてはいけないので、そーっと扉を開けて3人で中を覗くと恋歌の膝の上に乗りながら眠っているソラミと、ベッドに腰掛け頭を壁に預けて眠っている恋歌がいた。
フ「なんや2人とも寝てるで」
切「みたいっすね」
天「けど、ファットの依頼は成功してるんじゃないか?」
フ「そやな
(2人とも可愛らしく寝よって)」
切「あ、ファットだめっす!!」
そっと病室に入り、不安定な体勢で寝ている2人をせめて横にならせてやろうとファットガムが手を伸ばした時、切島が夏休みの事を思い出してファットガムに声をかける。
フ「へ?」
ファットガムの手が触れる直前、ひゅっ、と風を切る音が聞こえていつの間にか首のあたりに刀の刃がきていた。
やっぱりか、と苦笑いをした切島はファットガムに下がる様に伝える。
フ「き、切島君・・・
どういうこと?」
切「恋歌先生は俺たち・・・A組の生徒か、相澤先生とかじゃないと起こせないんすよ
恋歌先生、起きてください」
『・・・切島君?
あ、私また寝てた』
恋歌の肩を揺さぶって起こした切島には何もせず、起こされた恋歌は抜いている刀を見て不思議そうな顔をして鞘におさめた。
フ「(なんやねんそれ・・・
こっわ・・・)」
まるで警戒してなかったとはいえ反応できるスピードではなかった。
「ん・・・・?」
『あ、ごめん
起こしちゃったね』
騒いでしまったから起こしてしまったのかソラミが目をこすりながら目を開ける。
『(寝不足で体力が落ちてるってことね)』
まだ陽の高いうちから眠そうな顔をして、それを必死に振り払いながら遊んでいる。
「次はね・・・えっと・・・」
『ねぇ、ソラミちゃん
眠そうだけど大丈夫?』
そう恋歌が聞くと、びくっと肩を震わせてぎこちない笑顔で大丈夫だと返事をする。
「まだ・・・起きてられる、から」
『そう・・・』
無理に寝かせたところで悪夢を見てしまうのだから意味のない事。
悪夢を見る辛さは実体験でよくわかっているつもりだ。
「・・・ちょっとだけ、ソラミの話聞いてくれる?」
『もちろん』
ソラミに手を引かれてベンチに横並びに座ると、ファットガムの形をした石を握りしめながら、事件の事をぽつぽつと話し始めた。
事件の内容は母親と一緒に買い物をしているときにいきなり知らない男に攫われ、拳銃を突きつけられて数時間どこかに閉じ込められたというものらしい。
最終的にはファットガムが助けてくれたのだが、それまでに助けようとしてくれた何人かのヒーローが目の前で撃たれ倒れていくのを見てしまった。
それを自分のせいだと思い込み、当時の記憶が眠ると悪夢として蘇ってきてしまうという事だった。
「ファットもね・・・ソラミのせいやないって何回も言ってくれた
けど・・・けど・・・」
ぐすぐすと泣き始めたソラミを膝の上に乗せてやり、ぎゅっと抱きしめてやる。
『そっか・・・
私もね、眠ると怖い夢を見るから眠れなかった時があったんだよ』
「お姉ちゃんも?
どんな夢?」
『・・・大切な人がたくさんいなくなっちゃう夢
助けたいのに目の前でどうしても助けられなくて・・・その夢は毎日毎日私から大切な人を奪っていった』
「・・・その夢を見なくなったのはなんで?」
『ヒーローが助けてくれたの』
「ヒーロー?」
『うん、ほんとはね一人で解決しようとしてたんだけどヒーローが頼っていいって言ってくれて・・・
その悪夢から助けてくれたの
何かあっても絶対に助けてくれる
最高のヒーローが私にはいるんだ
ソラミちゃんにはそういうヒーローいないの?』
「最高のヒーロー・・・
ファット・・・ファットがソラミにとっての最高のヒーローや」
ファットガムの石を抱き締めて、ぽたぽたと涙が石に落ちては流れていく。
ぽんぽん、と背中をたたいて個性を発動した。
『じゃあその最高のヒーローのファットは、ソラミちゃんがどんな悪夢を見ようと必ず助けてくれるよ
信じよう、自分のヒーローを』
「うんっ・・・うんっ・・・」
遊び疲れたのか、泣き疲れたのかわからないが眠ってしまったソラミを病室まで運んだ。
『(小学生って結構重いんだね・・・)』
筋力のない恋歌は庭から病室に戻ってくるまでに何回か休憩しなければいけないほど神経と体力を使った。
それに病室まで運んだはいいが、コスチュームをぎゅっと握られているので、離れるに離れられない状況。
一応うなされはじめたら個性を使っている為、今で3回使っている。
『(あと2回・・・)』
恋歌は個性伸ばし訓練で1回から5回にまで上限を上げているが、伸ばし方は眠気に慣れる事。
1回で眠ってしまっていたのをぐっと我慢することで、個性発動後の眠気に耐えれるようになり、それが5回まで伸びた。
なので、1回でも使えば眠くなることは眠くなる。
今は3回も使ってしまったので、若干うとうとし始めているが、ソラミが魘されれば個性を使おうと思っているのでそれに耐えている。
頭がふらふらしてきたので、振動でソラミを起こさない様に壁に頭を預けながら少しだけ目を閉じる。
夕方になりファットガム、切島、天喰は病院に来ていた。
切島と天喰は明日学校がある為帰り支度をして制服姿で、ファットガムはどうなったかと様子を見に来た。
ソラミが寝ていてはいけないので、そーっと扉を開けて3人で中を覗くと恋歌の膝の上に乗りながら眠っているソラミと、ベッドに腰掛け頭を壁に預けて眠っている恋歌がいた。
フ「なんや2人とも寝てるで」
切「みたいっすね」
天「けど、ファットの依頼は成功してるんじゃないか?」
フ「そやな
(2人とも可愛らしく寝よって)」
切「あ、ファットだめっす!!」
そっと病室に入り、不安定な体勢で寝ている2人をせめて横にならせてやろうとファットガムが手を伸ばした時、切島が夏休みの事を思い出してファットガムに声をかける。
フ「へ?」
ファットガムの手が触れる直前、ひゅっ、と風を切る音が聞こえていつの間にか首のあたりに刀の刃がきていた。
やっぱりか、と苦笑いをした切島はファットガムに下がる様に伝える。
フ「き、切島君・・・
どういうこと?」
切「恋歌先生は俺たち・・・A組の生徒か、相澤先生とかじゃないと起こせないんすよ
恋歌先生、起きてください」
『・・・切島君?
あ、私また寝てた』
恋歌の肩を揺さぶって起こした切島には何もせず、起こされた恋歌は抜いている刀を見て不思議そうな顔をして鞘におさめた。
フ「(なんやねんそれ・・・
こっわ・・・)」
まるで警戒してなかったとはいえ反応できるスピードではなかった。
「ん・・・・?」
『あ、ごめん
起こしちゃったね』
騒いでしまったから起こしてしまったのかソラミが目をこすりながら目を開ける。