18話
夢小説設定
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その日のうちに必要なものを買い揃え、前日は当日に仕事が残らない様に仕事を調整し、いよいよ当日。
『よし、じゃあ行ってくるね』
紺色のドレスに身を包んだ恋歌はいつもより大人っぽく見える。
八「恋歌先生、これは私たちからのお守りですわ」
八百万がセットした髪にドレスと同じような色の花の髪飾りを挿してくれた。
『ありがと』
相「できたんなら行くぞ」
寮の玄関まで迎えに来た相澤も今日は身なりをきっちりとして、スーツを着ている。
焦「気ぃつけてな」
『うん、行ってきます』
寮から全員で送り出して、恋歌は相澤と共に校門前に待たせているタクシーで向かって行った。
緑「轟君、僕たちも準備しよう」
焦「ああ」
相「ちょっと早く着きすぎたな」
タクシーで数分のところにあるホテルに着くと、待ち合わせ時間よりかなり早い時間だった。
携帯をいじっている相澤はこの待ち時間が合理性に欠くからか、若干不機嫌だ。
『あーあ・・・
早く帰りたい・・・』
相「言うな、俺もだ」
動きにくいドレスに動きにくいヒールの高い靴。
自分で選んだので他人から送られてきたのよりかはいかもしれないが、それでも動きにくいものは動きにくい。
ロビーのソファに深く腰掛け、時間になるまで二人で時間を潰す。
相「おい、やめろ」
珍しく携帯をずっと触っている相澤が何をしているのか気になったので後ろから覗きこもうとしたら怒られた。
話し相手もいないので暇になった恋歌も携帯を取り出して、意味もなく触り始める。
ふと写真でも見直そうと思いフォルダを開けると、中はA組の生徒ばかりが写っていた。
『(あ、これ体育祭ではちまきした焦凍君が可愛くて撮ったやつだ)』
この焦凍の写真からA組の生徒との写真が増えていっている。
夏休みにみんなでした花火の写真が圧倒的に多い。
そして二人で初めて撮った写真も、お揃いにした待ち受けの写真も全部いい思い出だ。
今でも二人の携帯の待ち受けはこの時の花火の写真にしてある。
『(あ、これだめだ
泣きそうになる)』
思い出を見返すと今が辛く感じてしまい、じわっと目に涙が溜まる感じがして慌てて携帯の画面を暗くした。
相「そろそろ行くか」
相澤がめんどくさそうに立ち上がったので時間を見てみれば、言われた時間の10分程前だった。
後ろに着いていくように歩き、エレベーターに乗る。
相「大丈夫だ」
『うん・・・ありがとう』
緊張からか不安からかわからないが、自然に顔がこわばっていたようで相澤が安心させるように背中をぽんと叩いてくる。
いつもと変わらない様子の相澤にほっとし、少し深呼吸をして自分自身を落ち着かせる。
最上階に到着したエレベーターを出ると、人の気配があまりないように感じた。
相「貸し切りらしいぞ」
『うへぇ・・・』
どうりで人の気配があまりしないと思ったと恋歌は嫌そうな顔をしている。
「お待ちしておりました」
入口にいた堅苦しい感じの従業員に名前を確認され席に案内されると、相手はまだ来ていないようだった。
相澤と横並びになるように座り、違和感のある席を見てこそっと話しかける。
『ねぇ、なんで席6つもあるの?』
違和感は席の数。
親族同席とはいえ向こうが3人も連れてくるとも思えない。
席は恋歌と相澤の前に2席、後の2席は無理やり追加されたようにお誕生日席風に机がくっつけられている。
相「・・・ちょっといろいろあるんだよ」
『??
いろいろって・・・』
聞いていない内容だったのでどういうことなのか聞こうとすると、視界に男物のスーツと靴が2足入った為顔をあげる。
ヴ「待たせたな」
『いえ・・・』
顔をあげた先にいたのは数年前より少しがっちりした元クラスメイト。
横には父親と思わしき男が立っている。
従業員に椅子を引かれ、恋歌の前にヴァンプが、相澤の前にヴァンプの父親が着席する。
「お待たせして申し訳なかったね
少し仕事が立て込んでしまって」
『いえ、お気になさらず』
ヴァンプの父親はダンピールというヒーロー名で活動しているプロヒーローだ。
個性はヴァンプと同じく”吸血”。
しかし個性の内容は全く違うと聞いたことがある。
ダ「取り敢えずお腹も空いた事でしょうし、食事にしましょうか」
『そうですね』
ダンピールがもともと予約していた食事が順番に運ばれてきて、慣れない作法を使いながら食べた気がしない食事を食べていく。
ヴ「俺が贈ったドレスは着てこなかったんだな」
『・・・自分の持ってたからね』
ヴ「グッズも壊したみたいだし」
『いらないから』
ヴ「・・・盗聴器も壊したな」
『気味悪いから』
目を合わせる事なく必要最低限の言葉を発す恋歌にヴァンプは少し機嫌が悪くなっている。
ヴ「お前な、見合いなんだからもう少し愛想よくしたらどうだ?
そんなんじゃ嫁の貰い手ないぞ?」
『あんたに嫁にもらってもらわないといけないぐらいなら一生独身でいいよ』
相「(思ったより攻撃的だな・・・)」
恋歌は全く会話を広げる気がないようで、話しかけられなければもくもくと食事を続けている。
返事をしているのもダンピールがいるからと、学校の為に来ているという理由だけだろう。
ダ「ははは、息子から恋歌さんは気の強いしっかりした方だと聞いていましたが、本当にそうみたいですね」
相「はぁ・・・」
その発言がヴァンプから出ている時点で、恋歌の事を全く見ていないなと相澤は思った。
恋歌は気は強くない。
虚勢は張るし度胸はあるが、気は弱い方だ。
それにしっかりしているようでどこか抜けているところもある。
中学高校と一緒に過ごして、付き合っていたと言う割にはまるで恋歌のことがわかっていない。
相「今回なぜ恋歌とご子息のお見合いを?
あなたほどのヒーローであれば他にいたのでは?」
ダ「ご謙遜を
あなたもメディアにはあまり出ないというだけで素晴らしいヒーローだ
イレイザーヘッドの妹さんともなればきっと良い方なんだろうと思ってましたよ」
ワインを飲みながら上機嫌で話すダンピールの言葉には嘘はなさそうだ。
『よし、じゃあ行ってくるね』
紺色のドレスに身を包んだ恋歌はいつもより大人っぽく見える。
八「恋歌先生、これは私たちからのお守りですわ」
八百万がセットした髪にドレスと同じような色の花の髪飾りを挿してくれた。
『ありがと』
相「できたんなら行くぞ」
寮の玄関まで迎えに来た相澤も今日は身なりをきっちりとして、スーツを着ている。
焦「気ぃつけてな」
『うん、行ってきます』
寮から全員で送り出して、恋歌は相澤と共に校門前に待たせているタクシーで向かって行った。
緑「轟君、僕たちも準備しよう」
焦「ああ」
相「ちょっと早く着きすぎたな」
タクシーで数分のところにあるホテルに着くと、待ち合わせ時間よりかなり早い時間だった。
携帯をいじっている相澤はこの待ち時間が合理性に欠くからか、若干不機嫌だ。
『あーあ・・・
早く帰りたい・・・』
相「言うな、俺もだ」
動きにくいドレスに動きにくいヒールの高い靴。
自分で選んだので他人から送られてきたのよりかはいかもしれないが、それでも動きにくいものは動きにくい。
ロビーのソファに深く腰掛け、時間になるまで二人で時間を潰す。
相「おい、やめろ」
珍しく携帯をずっと触っている相澤が何をしているのか気になったので後ろから覗きこもうとしたら怒られた。
話し相手もいないので暇になった恋歌も携帯を取り出して、意味もなく触り始める。
ふと写真でも見直そうと思いフォルダを開けると、中はA組の生徒ばかりが写っていた。
『(あ、これ体育祭ではちまきした焦凍君が可愛くて撮ったやつだ)』
この焦凍の写真からA組の生徒との写真が増えていっている。
夏休みにみんなでした花火の写真が圧倒的に多い。
そして二人で初めて撮った写真も、お揃いにした待ち受けの写真も全部いい思い出だ。
今でも二人の携帯の待ち受けはこの時の花火の写真にしてある。
『(あ、これだめだ
泣きそうになる)』
思い出を見返すと今が辛く感じてしまい、じわっと目に涙が溜まる感じがして慌てて携帯の画面を暗くした。
相「そろそろ行くか」
相澤がめんどくさそうに立ち上がったので時間を見てみれば、言われた時間の10分程前だった。
後ろに着いていくように歩き、エレベーターに乗る。
相「大丈夫だ」
『うん・・・ありがとう』
緊張からか不安からかわからないが、自然に顔がこわばっていたようで相澤が安心させるように背中をぽんと叩いてくる。
いつもと変わらない様子の相澤にほっとし、少し深呼吸をして自分自身を落ち着かせる。
最上階に到着したエレベーターを出ると、人の気配があまりないように感じた。
相「貸し切りらしいぞ」
『うへぇ・・・』
どうりで人の気配があまりしないと思ったと恋歌は嫌そうな顔をしている。
「お待ちしておりました」
入口にいた堅苦しい感じの従業員に名前を確認され席に案内されると、相手はまだ来ていないようだった。
相澤と横並びになるように座り、違和感のある席を見てこそっと話しかける。
『ねぇ、なんで席6つもあるの?』
違和感は席の数。
親族同席とはいえ向こうが3人も連れてくるとも思えない。
席は恋歌と相澤の前に2席、後の2席は無理やり追加されたようにお誕生日席風に机がくっつけられている。
相「・・・ちょっといろいろあるんだよ」
『??
いろいろって・・・』
聞いていない内容だったのでどういうことなのか聞こうとすると、視界に男物のスーツと靴が2足入った為顔をあげる。
ヴ「待たせたな」
『いえ・・・』
顔をあげた先にいたのは数年前より少しがっちりした元クラスメイト。
横には父親と思わしき男が立っている。
従業員に椅子を引かれ、恋歌の前にヴァンプが、相澤の前にヴァンプの父親が着席する。
「お待たせして申し訳なかったね
少し仕事が立て込んでしまって」
『いえ、お気になさらず』
ヴァンプの父親はダンピールというヒーロー名で活動しているプロヒーローだ。
個性はヴァンプと同じく”吸血”。
しかし個性の内容は全く違うと聞いたことがある。
ダ「取り敢えずお腹も空いた事でしょうし、食事にしましょうか」
『そうですね』
ダンピールがもともと予約していた食事が順番に運ばれてきて、慣れない作法を使いながら食べた気がしない食事を食べていく。
ヴ「俺が贈ったドレスは着てこなかったんだな」
『・・・自分の持ってたからね』
ヴ「グッズも壊したみたいだし」
『いらないから』
ヴ「・・・盗聴器も壊したな」
『気味悪いから』
目を合わせる事なく必要最低限の言葉を発す恋歌にヴァンプは少し機嫌が悪くなっている。
ヴ「お前な、見合いなんだからもう少し愛想よくしたらどうだ?
そんなんじゃ嫁の貰い手ないぞ?」
『あんたに嫁にもらってもらわないといけないぐらいなら一生独身でいいよ』
相「(思ったより攻撃的だな・・・)」
恋歌は全く会話を広げる気がないようで、話しかけられなければもくもくと食事を続けている。
返事をしているのもダンピールがいるからと、学校の為に来ているという理由だけだろう。
ダ「ははは、息子から恋歌さんは気の強いしっかりした方だと聞いていましたが、本当にそうみたいですね」
相「はぁ・・・」
その発言がヴァンプから出ている時点で、恋歌の事を全く見ていないなと相澤は思った。
恋歌は気は強くない。
虚勢は張るし度胸はあるが、気は弱い方だ。
それにしっかりしているようでどこか抜けているところもある。
中学高校と一緒に過ごして、付き合っていたと言う割にはまるで恋歌のことがわかっていない。
相「今回なぜ恋歌とご子息のお見合いを?
あなたほどのヒーローであれば他にいたのでは?」
ダ「ご謙遜を
あなたもメディアにはあまり出ないというだけで素晴らしいヒーローだ
イレイザーヘッドの妹さんともなればきっと良い方なんだろうと思ってましたよ」
ワインを飲みながら上機嫌で話すダンピールの言葉には嘘はなさそうだ。