18話
夢小説設定
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電話を終了し昨日校長に渡された見合い相手の情報が書かれた紙を急いで取り出す。
『(まさか・・・)』
昨日途中で見るのを止めてしまった事を後悔した。
今の電話の相手は見合い相手候補の一人。そして・・・。
『(だめだ・・・!落ち着け・・・!
落ち着け・・・!)』
腕を痕が残るぐらい強く握りしめて揺れる心を落ち着ける。
握っている場所はシャツで見えない位置。
恋歌の握力ではどんなに力を込めても数時間もあれば痕がついたとしても消えるだろう。
ミ「・・・大丈夫?」
電話を切ってから無言で俯いている恋歌を心配してミッドナイトが声をかけてくれる。
『あ、大丈夫です
すいません・・・』
ミ「・・・ねぇ」
『はい?』
笑顔をつくって何でもないとアピールをする恋歌を見て、ミッドナイトは悲しそうに綺麗に笑う。
ミ「私にできることはない・・・?」
ミッドナイトは恋歌に言ってはいないが、恋歌に見合いが来ているのを知っている。
それが現在どのような風に進んでいるのかはわからないが、恋歌にとって決していい話でないのは分かっている。
だから、何か自分に出来ることはないかと、力になれたらと、聞いてみた。
『いえ・・・本当になんでもないんです・・・
心配してくれてありがとうございます』
ミ「そう・・・」
わかっていた。
恋歌が頼らないことは。
わかっていたが悔しい。
けれど・・・無理に聞き出す事もできない。
ミ「何かできる事があったらいつでも言って!」
『はい、ありがとうございます』
無理に明るく声を出して恋歌の頭をぐりぐりと撫でてやる。
それが今ミッドナイトにできる精一杯のエール。
そして一日の授業が終わり、生徒たちは全員下校済みの時間。
相「・・・もう帰れるか?」
『うん、大丈夫』
相澤は寮は歩いて5分のところにあるのに送っていくため恋歌を待っていたのだ。
断っても無視されるのでおとなしく送られることにする。
寮の前の扉の前まで来て、恋歌は一度深く息を吸う。
『(大丈夫、大丈夫)』
相「・・・・」
この時間であればみんなが起きている時間。
涙腺が緩まない様に自分自身に気合いを入れる。
その姿を相澤が横で無表情で見つめているが、恋歌は自分の事でいっぱいいっぱいで気づいていない。
震える手を玄関の取っ手に触れさせて、扉を開ける。
麗「あ、恋歌先生だ!
おかえりなさい!!」
蛙「あらほんと
おかえりなさい
相澤先生もいるわね」
扉を開ければいつものように明るく迎えてくれるA組のみんながいる。
どうしてこう会いたくない時に全員が揃って共有スペースにいるのか。
玄関で扉を開けたまま俯いて立ち尽くす恋歌に生徒たちはどうしたのかと首を傾げる。
相「・・・入れ」
後ろからどん、と軽く相澤が背中を押すとバランスを崩した恋歌は膝と手を床につく。
芦「わっ!相澤先生なにしてんですか!」
葉「ひっどーい!!」
相澤の押した力が強かったから恋歌が転んだと思った女子たちが、大丈夫かと駆け寄ってくる。
女子たちから怒られている相澤だが、それを無視して立ち上がれない恋歌の背中に向かって言葉を投げる。
相「今日はもう仕事も授業も終わりだ
お前の信頼するヒーローたちは話ぐらい聞いてくれる」
『・・・・!』
ここまで相澤がついてきたのは思いきり泣かせてやるため。
授業中や学校にいる間は周りの目も、聞かれてはいけない人もいる。
けれどここなら大丈夫だと。
耳「え、恋歌先生・・・?」
八「ど、どうされましたの!?」
女子たちが驚いているのは、恋歌の方からぽたぽたと水音が聞こえたから。
それは俯いている恋歌から落ちてきており、涙だと理解するのにそう時間はかからなかった。
相「辛いなら辛いと言え
泣きたいなら泣け
笑いたい時に笑え
無理を・・・するな」
『・・・うっ、
ごめっ、なさっ・・・!』
相澤の言っている事がまるで理解できないが、恋歌が泣いているという事はまた何かあったのかと生徒たちは説明を求める目を相澤に向ける。
だが、相澤はまだだと首を横に振る。
ちょいちょいと女子たちの後ろで見守っている焦凍に手招きをすると、女子たちは道を開けて焦凍を通す。
触れてもいいのか一瞬迷ったようだったが、恋歌の震える背中にそっと手を置いて優しく撫でてやる。
自分に触れているのが焦凍だとわかっているのに、先ほどまでと変わらない泣き方をする恋歌に相澤がため息をついて息を吸い込む。
相「そんなもんか!
お前の悔しさも!辛さも!悲しみも!不甲斐なさも!
泣くときまで我慢するな!!
誰かに縋(すが)れ!!
助けを求めろ!!」
相澤が恋歌に怒鳴ったのなど始めて見た生徒たちは、いまだに俯いて涙を流し続ける恋歌の背中を見つめる。
相「ここにはお前の味方しかいない
大丈夫だ」
いつもの優しい声音に戻った相澤の声に背中を押されるように目の前にいる焦凍に抱きついた。
焦「恋歌・・・」
声を出して泣いている恋歌に焦凍は戸惑いを隠せないが、あやすように背中に手を回して一定のリズムで叩いてやる。
『(まさか・・・)』
昨日途中で見るのを止めてしまった事を後悔した。
今の電話の相手は見合い相手候補の一人。そして・・・。
『(だめだ・・・!落ち着け・・・!
落ち着け・・・!)』
腕を痕が残るぐらい強く握りしめて揺れる心を落ち着ける。
握っている場所はシャツで見えない位置。
恋歌の握力ではどんなに力を込めても数時間もあれば痕がついたとしても消えるだろう。
ミ「・・・大丈夫?」
電話を切ってから無言で俯いている恋歌を心配してミッドナイトが声をかけてくれる。
『あ、大丈夫です
すいません・・・』
ミ「・・・ねぇ」
『はい?』
笑顔をつくって何でもないとアピールをする恋歌を見て、ミッドナイトは悲しそうに綺麗に笑う。
ミ「私にできることはない・・・?」
ミッドナイトは恋歌に言ってはいないが、恋歌に見合いが来ているのを知っている。
それが現在どのような風に進んでいるのかはわからないが、恋歌にとって決していい話でないのは分かっている。
だから、何か自分に出来ることはないかと、力になれたらと、聞いてみた。
『いえ・・・本当になんでもないんです・・・
心配してくれてありがとうございます』
ミ「そう・・・」
わかっていた。
恋歌が頼らないことは。
わかっていたが悔しい。
けれど・・・無理に聞き出す事もできない。
ミ「何かできる事があったらいつでも言って!」
『はい、ありがとうございます』
無理に明るく声を出して恋歌の頭をぐりぐりと撫でてやる。
それが今ミッドナイトにできる精一杯のエール。
そして一日の授業が終わり、生徒たちは全員下校済みの時間。
相「・・・もう帰れるか?」
『うん、大丈夫』
相澤は寮は歩いて5分のところにあるのに送っていくため恋歌を待っていたのだ。
断っても無視されるのでおとなしく送られることにする。
寮の前の扉の前まで来て、恋歌は一度深く息を吸う。
『(大丈夫、大丈夫)』
相「・・・・」
この時間であればみんなが起きている時間。
涙腺が緩まない様に自分自身に気合いを入れる。
その姿を相澤が横で無表情で見つめているが、恋歌は自分の事でいっぱいいっぱいで気づいていない。
震える手を玄関の取っ手に触れさせて、扉を開ける。
麗「あ、恋歌先生だ!
おかえりなさい!!」
蛙「あらほんと
おかえりなさい
相澤先生もいるわね」
扉を開ければいつものように明るく迎えてくれるA組のみんながいる。
どうしてこう会いたくない時に全員が揃って共有スペースにいるのか。
玄関で扉を開けたまま俯いて立ち尽くす恋歌に生徒たちはどうしたのかと首を傾げる。
相「・・・入れ」
後ろからどん、と軽く相澤が背中を押すとバランスを崩した恋歌は膝と手を床につく。
芦「わっ!相澤先生なにしてんですか!」
葉「ひっどーい!!」
相澤の押した力が強かったから恋歌が転んだと思った女子たちが、大丈夫かと駆け寄ってくる。
女子たちから怒られている相澤だが、それを無視して立ち上がれない恋歌の背中に向かって言葉を投げる。
相「今日はもう仕事も授業も終わりだ
お前の信頼するヒーローたちは話ぐらい聞いてくれる」
『・・・・!』
ここまで相澤がついてきたのは思いきり泣かせてやるため。
授業中や学校にいる間は周りの目も、聞かれてはいけない人もいる。
けれどここなら大丈夫だと。
耳「え、恋歌先生・・・?」
八「ど、どうされましたの!?」
女子たちが驚いているのは、恋歌の方からぽたぽたと水音が聞こえたから。
それは俯いている恋歌から落ちてきており、涙だと理解するのにそう時間はかからなかった。
相「辛いなら辛いと言え
泣きたいなら泣け
笑いたい時に笑え
無理を・・・するな」
『・・・うっ、
ごめっ、なさっ・・・!』
相澤の言っている事がまるで理解できないが、恋歌が泣いているという事はまた何かあったのかと生徒たちは説明を求める目を相澤に向ける。
だが、相澤はまだだと首を横に振る。
ちょいちょいと女子たちの後ろで見守っている焦凍に手招きをすると、女子たちは道を開けて焦凍を通す。
触れてもいいのか一瞬迷ったようだったが、恋歌の震える背中にそっと手を置いて優しく撫でてやる。
自分に触れているのが焦凍だとわかっているのに、先ほどまでと変わらない泣き方をする恋歌に相澤がため息をついて息を吸い込む。
相「そんなもんか!
お前の悔しさも!辛さも!悲しみも!不甲斐なさも!
泣くときまで我慢するな!!
誰かに縋(すが)れ!!
助けを求めろ!!」
相澤が恋歌に怒鳴ったのなど始めて見た生徒たちは、いまだに俯いて涙を流し続ける恋歌の背中を見つめる。
相「ここにはお前の味方しかいない
大丈夫だ」
いつもの優しい声音に戻った相澤の声に背中を押されるように目の前にいる焦凍に抱きついた。
焦「恋歌・・・」
声を出して泣いている恋歌に焦凍は戸惑いを隠せないが、あやすように背中に手を回して一定のリズムで叩いてやる。