そろそろバスが止まるという時に相澤が騒いでいた生徒たちに注意をする。

青山も顔色が戻ってきたことだし、席に帰ろうと立ち上がった時運悪く焦凍の足に躓いた。

焦「・・・・大丈夫か？」

『う、うん・・・

あ、ごめん』

峰「轟ぃいいいいい！！？」

バスがまだ走っている事もあり踏ん張りきれなかった恋歌は焦凍の方に倒れてしまった。

しかも、座っている焦凍が恋歌の胸に顔を埋める感じになってしまっている。

後ろの方で峰田の悔しそうな涙声が聞こえるが、そんなことよりもクラスメイト達は目の前の光景にくぎ付けだ。

よいしょ、と体勢を立て直した恋歌は再度焦凍に謝り、自分の席に帰った。

(((え、それだけ？)))

もう少し恥じらうとかなにかあってもいいもんじゃないのかと思うが、当事者の二人が普通だ。

焦「？なんだ」

視線を送られている事に気づき首を少し傾けるが、クラスメイト達は顔を赤くしてなんでもないと言う。

峰田は飛び出してきていたが、前の席の障子に止められ口もふさがれている。

焦「なんなんだ？」

緑「い、いや、なんでもないよ・・・？

ねぇ、飯田君！！」

飯「あ、ああ！！」

焦「そうか」

友人二人がなんでもないと言うのであれば何でもないのだろうと、焦凍は気にしないことにした。














相「(こいつこれでよく今まで隠してこれたな・・・)」

相澤の席の横には顔を真っ赤にしている恋歌が座っている。

平常心だったのは最初だけで、席に戻ってくるなり手で顔を隠して悶えている。

同じ列の切島と上鳴が気づいていないのは相澤がさりげなくカバーしているからだが、恋歌はそれも気づいていない。

こつん、と頭を相澤に小突かれ小さくごめんと謝る。

相「謝るぐらいなら気ぃつけろ」

『でも今のは事故っていうか、不可抗力っていうか・・・///』

思い出してまた赤くなる恋歌に相澤は深い深いため息を吐く。

相「まぁ仕事ちゃんとすれば文句は言わねぇよ


もう着くからその顔なんとかしろ」

『はい・・・』