出会いから出航まで
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恋歌の返答を聞くのが怖いのか、珍しく視線を逸らしてくるローの手を恋歌から握ると顔を上げた。
「恋歌…
お前が…いろんな奴から狙われる存在で…この島から出ることは危険な事だって…わかってる…
これから先、嫌な思いも、辛い思いもするかもしれねぇ
けど…必ず守ってみせるから…!
だから…おれたちと…おれと、一緒に来てほしい!」
今度は真っ直ぐに目を見つめて伝えてくるローの言葉に、誘ってもらえた事が嬉しくて、優しく笑って頷いた。
「い、いいのか…?」
自分から誘ったが、こんなにあっさりと頷いてくれるとは思わず、きょとんとした顔をしている。
ローの手を離して、入院初日に伝えたかったことを伝える為に手を動かす。
≪ローに話したいことがあるって言ったでしょ?≫
「ああ…」
≪わたしね…前にローに言われた”いつかやりたいこと”っていうのをずっと考えてた
正直あの時は思いつかなかったから、わからないって答えたけど…やりたいことができたの≫
「恋歌の…やりたいこと…?」
≪マシューと…ルスと戦って、わたしと同じ魔女や、それ以外の人も奴隷として売られてるって知った
だから、わたしに出来る範囲で、人を…助けたいと思ったの≫
恋歌のやりたいことを聞いて、何かを考えるように腕を組んだローは、まだ続きを話そうとする恋歌の手を見つめる。
≪ローが何かを考えているってことはわかってた
海賊になりたいって思ってるまではわからなかったけど、わたしのやりたいことをするなら…みんなと、ローと一緒に行きたい≫
「そう、か…」
恋歌も、他の4人も、ヴォルフにすら自分の考えがばれていたとわかり、急に恥ずかしくなったローはふい、と視線を逸らした。
「出航は4日後
おれたちはそれまで今までと同じように過ごす
明日には退院できるように手続きをしておくから…それまで好きに過ごせ」
≪わかった≫
言いたいことを伝えたローは仕事に戻るために、使わなかった包帯を持って病室から出て行った。
『(あと4日…)』
次の日に退院した恋歌は、そのまま本屋に出勤した。
「いらっしゃ…
恋歌、ちゃん…」
はたきで棚を掃除していた店主が、扉が開いた事に気づいて視線を向けると、そこには数日間入院していた恋歌が立っていた為、ぽろっとはたきを落とした。
何度か瞬きを繰り返して現実だとわかると、ばっと走り寄って強く抱きしめてきた。
「無事で…よかった…!!」
最初は驚いて固まっていた恋歌だったが、店主が泣いているという事に気づいて、そっと背中に手を回した。
「もう怪我は大丈夫なのかい?
歩いていいの?」
しばらくして全身を確認するように視線を滑らせてくる店主に頷いて返すと、ほっとしたように息をはいた。
「仕事は無理しなくていいからね
……もう少しで、この島を出ていくんだろう?」
≪はい≫
ローたちが島を出ていく事は島中の人たちが知っていた。
それに恋歌もついていくとわかっていた店主は寂しそうに笑っている。
「さぁ、お仕事、しようか」
≪はい≫
3年間お世話になった職場に感謝の気持ちをこめて、いつもより念入りに仕事を始めた。
あっという間に時間は過ぎ、明日が出航の日。
本屋での仕事も終え、恋歌と別れを惜しむ男たちが本屋に押し寄せ、それを店主が追い返すという見慣れた光景に、いつも通りの日常を過ごした。
お昼もいつも通りアミやクロエと過ごし、家でも一緒に行くとローから聞いた3人に抱き着かれたが、それ以外はいつも通りに過ごした。
だが、この”いつも通り”はこれが最後。
出航の前日に全員がヴォルフが研究所に全員を呼び、ヴォルフの最高傑作である”花マル無敵号”を、海賊船としてもらってほしいと言われた。
ヴォルフの”いつか”の冒険の為に作っていた船を、ヴォルフの想いを乗せて連れていくために、船は”ポーラータング号”と名前を変えて、ローが考えた海賊旗を描かれた潜水艦をもらうことにした。
明日の出航に備えていつもより早めに自分達の部屋に戻ったが、恋歌は眠れずにいた。
『(よし、)』
がばっと起き上がった恋歌は、枕を持って自分の部屋から出た。
「恋歌…
お前が…いろんな奴から狙われる存在で…この島から出ることは危険な事だって…わかってる…
これから先、嫌な思いも、辛い思いもするかもしれねぇ
けど…必ず守ってみせるから…!
だから…おれたちと…おれと、一緒に来てほしい!」
今度は真っ直ぐに目を見つめて伝えてくるローの言葉に、誘ってもらえた事が嬉しくて、優しく笑って頷いた。
「い、いいのか…?」
自分から誘ったが、こんなにあっさりと頷いてくれるとは思わず、きょとんとした顔をしている。
ローの手を離して、入院初日に伝えたかったことを伝える為に手を動かす。
≪ローに話したいことがあるって言ったでしょ?≫
「ああ…」
≪わたしね…前にローに言われた”いつかやりたいこと”っていうのをずっと考えてた
正直あの時は思いつかなかったから、わからないって答えたけど…やりたいことができたの≫
「恋歌の…やりたいこと…?」
≪マシューと…ルスと戦って、わたしと同じ魔女や、それ以外の人も奴隷として売られてるって知った
だから、わたしに出来る範囲で、人を…助けたいと思ったの≫
恋歌のやりたいことを聞いて、何かを考えるように腕を組んだローは、まだ続きを話そうとする恋歌の手を見つめる。
≪ローが何かを考えているってことはわかってた
海賊になりたいって思ってるまではわからなかったけど、わたしのやりたいことをするなら…みんなと、ローと一緒に行きたい≫
「そう、か…」
恋歌も、他の4人も、ヴォルフにすら自分の考えがばれていたとわかり、急に恥ずかしくなったローはふい、と視線を逸らした。
「出航は4日後
おれたちはそれまで今までと同じように過ごす
明日には退院できるように手続きをしておくから…それまで好きに過ごせ」
≪わかった≫
言いたいことを伝えたローは仕事に戻るために、使わなかった包帯を持って病室から出て行った。
『(あと4日…)』
次の日に退院した恋歌は、そのまま本屋に出勤した。
「いらっしゃ…
恋歌、ちゃん…」
はたきで棚を掃除していた店主が、扉が開いた事に気づいて視線を向けると、そこには数日間入院していた恋歌が立っていた為、ぽろっとはたきを落とした。
何度か瞬きを繰り返して現実だとわかると、ばっと走り寄って強く抱きしめてきた。
「無事で…よかった…!!」
最初は驚いて固まっていた恋歌だったが、店主が泣いているという事に気づいて、そっと背中に手を回した。
「もう怪我は大丈夫なのかい?
歩いていいの?」
しばらくして全身を確認するように視線を滑らせてくる店主に頷いて返すと、ほっとしたように息をはいた。
「仕事は無理しなくていいからね
……もう少しで、この島を出ていくんだろう?」
≪はい≫
ローたちが島を出ていく事は島中の人たちが知っていた。
それに恋歌もついていくとわかっていた店主は寂しそうに笑っている。
「さぁ、お仕事、しようか」
≪はい≫
3年間お世話になった職場に感謝の気持ちをこめて、いつもより念入りに仕事を始めた。
あっという間に時間は過ぎ、明日が出航の日。
本屋での仕事も終え、恋歌と別れを惜しむ男たちが本屋に押し寄せ、それを店主が追い返すという見慣れた光景に、いつも通りの日常を過ごした。
お昼もいつも通りアミやクロエと過ごし、家でも一緒に行くとローから聞いた3人に抱き着かれたが、それ以外はいつも通りに過ごした。
だが、この”いつも通り”はこれが最後。
出航の前日に全員がヴォルフが研究所に全員を呼び、ヴォルフの最高傑作である”花マル無敵号”を、海賊船としてもらってほしいと言われた。
ヴォルフの”いつか”の冒険の為に作っていた船を、ヴォルフの想いを乗せて連れていくために、船は”ポーラータング号”と名前を変えて、ローが考えた海賊旗を描かれた潜水艦をもらうことにした。
明日の出航に備えていつもより早めに自分達の部屋に戻ったが、恋歌は眠れずにいた。
『(よし、)』
がばっと起き上がった恋歌は、枕を持って自分の部屋から出た。