出会いから出航まで
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自分で歩けるとベポには言ったが、ベポは頑なに恋歌を下そうとしなかった。
ベポに抱えられたまま部屋の中に入ると、すでに決着はついていたようで、バッカが倒れている。
「ローさん!ヴォルフ!」
「ひでぇ面してやがるな、お前ら」
全員無事な事にほっとしたように笑うローも、傷だらけでぼろぼろだ。
「ローさんだって、似たようなもんだよ」
「おれの活躍見せたかったぜ!」
「みんな無事でよかった!」
ベポの腕の中にいる恋歌に笑いかけ、ローが掌を向けてくる。
「おれたちの…勝ちだ」
その掌に手をぱちんと当てて、笑顔で頷いた。
その後全員と掌を打ち合わせ、一息つくように全員で腰を下ろした。
「恋歌…その髪…どうしたんじゃ」
「……」
ベポの白い毛皮に埋もれて見えずらかったが、恋歌の髪が肩あたりまでしかない事に気づき、ヴォルフが震えている。
ローも口を開いたまま固まっていたが、恋歌のベポの毛皮に埋もれている腕が血だらけな事に気づいて、ベポに降ろすように伝え、ベポを背もたれにするように座らせてやる。
「あ!そうだった!!
恋歌の…綺麗な髪が…」
しゅっとシャチが飛んできて、ぼろぼろと泣いている。
「これ…銃で撃たれたのか」
『うん…』
恋歌の細い腕の肩に近い場所に銃創がある。
脇の下の頸動脈をきつく縛っている為血は止まっており、弾は貫通しているが痛いだろうと全員が辛そうな顔をする。
『大丈夫
髪は…また伸びる、し…この怪我も、ローがいれば、治してくれる…』
「恋歌…」
「ああ、なんだって治してやる
けど、あまり無茶はするな…」
『ごめん…』
「それでも…一人であいつを倒すなんてよくやった
さすが恋歌だ」
頭を撫でてくれるローの手に嬉しそうに笑うと、他のみんなもさすがだと褒めてくれるので、照れくさそうにしていると、ばたばたと大勢の足音が近づいてくる。
「みんな無事か!?」
海賊の生き残りかと思ったが、部屋に入ってきたのは、バッカに心を操られていた町の人たち。
ぼろぼろになっているローたちの姿を見て発狂しかけているが、ヴォルフに目を覚ます前に敵を拘束するようにと言われて、町の人たち総出で後処理に追われている。
「眠いなら寝ていいぞ」
怪我人はじっとしていろと言われたので、おとなしくしているのだが、血が足りない上に、薬も完全には抜けきっておらず、ベポのふわふわの毛に身体を埋めている為眠気が襲ってきている。
その言葉に頷いて撃たれていない方の手をローに差し出すと、ふっと笑って握り返してくれた。
その手に安心してゆっくりと目を閉じ、意識を手放した。
「ちゅーはいいのか?」
「は?」
恋歌が完全に眠った事を確認し、ペンギンがからかうようににやにやしながら聞いてくるので、ローの眉間にしわがよった。
「さっきしてたじゃん
魔力回復の為…だっけ?」
それに便乗してシャチまでもにやつきはじめたので、ローは小さくため息をついた。
「もう戦いは終わったんだ
魔力も今すぐに必要なわけじゃなさそうだしな
これと睡眠で回復するならそれでいい」
これ、と言って繋いでいる手に視線を落とす。
魔法は使ったはずだが、目に魔方陣は浮かび上がっていなかった。
今すぐに必要ではない上に、何度も人前でするのは抵抗がある。
眠っている恋歌を見る目が優しい目であることに、自覚がないのかとペンギンとシャチは目を合わせてやれやれと首を振った。
「じゃあおれがガルチューする!」
すりすりと眠っている恋歌に擦り寄るベポに笑って、海兵が到着するまでいつもの様に話して過ごした。
海兵が到着して海賊たちを捕らえ立ち去った後、恋歌もその頃には目を覚ましていたので、祝賀会をしようとしていると、ぼろぼろの6人を見て診療所の先生が全員を強制的に入院させた。
入院前にどうしてもシャチが恋歌の髪を整えたいと騒いだので、たしかにこのままでは可哀想かと切りそろえる事を許してもらい、シャチが簡単に長さをそろえてくれた。
入院に関しては恋歌以外は全治1週間との診断だったが、恋歌は銃で撃たれている為全治にはもう少しかかる。
全員が揃っていると勝手に騒いだり遊んだりしそうだからという理由で、男たちはばらばらの病室にされたが、恋歌は魔力の関係とペンギンとシャチの”おせっかい”により、ローと2人部屋になった。
診療所の先生も恋歌とローの組み合わせなら騒がしくならないだろうと承諾した。
「…」
『…』
だが、ベッドは別々なためお互いに何かを考えるように天井を見つめて黙り込んでいる。
『(なんだか…急に静かになったな…)』
濃い1日だった為こんなに穏やかで静かな時間が流れると、先ほどの戦いは夢だったのではないかと思えてきた。
だが、怪我をしている腕は痛いし、身体中ぼろぼろ。
首を少し動かせば天井を見つめているローがいる。
ベポに抱えられたまま部屋の中に入ると、すでに決着はついていたようで、バッカが倒れている。
「ローさん!ヴォルフ!」
「ひでぇ面してやがるな、お前ら」
全員無事な事にほっとしたように笑うローも、傷だらけでぼろぼろだ。
「ローさんだって、似たようなもんだよ」
「おれの活躍見せたかったぜ!」
「みんな無事でよかった!」
ベポの腕の中にいる恋歌に笑いかけ、ローが掌を向けてくる。
「おれたちの…勝ちだ」
その掌に手をぱちんと当てて、笑顔で頷いた。
その後全員と掌を打ち合わせ、一息つくように全員で腰を下ろした。
「恋歌…その髪…どうしたんじゃ」
「……」
ベポの白い毛皮に埋もれて見えずらかったが、恋歌の髪が肩あたりまでしかない事に気づき、ヴォルフが震えている。
ローも口を開いたまま固まっていたが、恋歌のベポの毛皮に埋もれている腕が血だらけな事に気づいて、ベポに降ろすように伝え、ベポを背もたれにするように座らせてやる。
「あ!そうだった!!
恋歌の…綺麗な髪が…」
しゅっとシャチが飛んできて、ぼろぼろと泣いている。
「これ…銃で撃たれたのか」
『うん…』
恋歌の細い腕の肩に近い場所に銃創がある。
脇の下の頸動脈をきつく縛っている為血は止まっており、弾は貫通しているが痛いだろうと全員が辛そうな顔をする。
『大丈夫
髪は…また伸びる、し…この怪我も、ローがいれば、治してくれる…』
「恋歌…」
「ああ、なんだって治してやる
けど、あまり無茶はするな…」
『ごめん…』
「それでも…一人であいつを倒すなんてよくやった
さすが恋歌だ」
頭を撫でてくれるローの手に嬉しそうに笑うと、他のみんなもさすがだと褒めてくれるので、照れくさそうにしていると、ばたばたと大勢の足音が近づいてくる。
「みんな無事か!?」
海賊の生き残りかと思ったが、部屋に入ってきたのは、バッカに心を操られていた町の人たち。
ぼろぼろになっているローたちの姿を見て発狂しかけているが、ヴォルフに目を覚ます前に敵を拘束するようにと言われて、町の人たち総出で後処理に追われている。
「眠いなら寝ていいぞ」
怪我人はじっとしていろと言われたので、おとなしくしているのだが、血が足りない上に、薬も完全には抜けきっておらず、ベポのふわふわの毛に身体を埋めている為眠気が襲ってきている。
その言葉に頷いて撃たれていない方の手をローに差し出すと、ふっと笑って握り返してくれた。
その手に安心してゆっくりと目を閉じ、意識を手放した。
「ちゅーはいいのか?」
「は?」
恋歌が完全に眠った事を確認し、ペンギンがからかうようににやにやしながら聞いてくるので、ローの眉間にしわがよった。
「さっきしてたじゃん
魔力回復の為…だっけ?」
それに便乗してシャチまでもにやつきはじめたので、ローは小さくため息をついた。
「もう戦いは終わったんだ
魔力も今すぐに必要なわけじゃなさそうだしな
これと睡眠で回復するならそれでいい」
これ、と言って繋いでいる手に視線を落とす。
魔法は使ったはずだが、目に魔方陣は浮かび上がっていなかった。
今すぐに必要ではない上に、何度も人前でするのは抵抗がある。
眠っている恋歌を見る目が優しい目であることに、自覚がないのかとペンギンとシャチは目を合わせてやれやれと首を振った。
「じゃあおれがガルチューする!」
すりすりと眠っている恋歌に擦り寄るベポに笑って、海兵が到着するまでいつもの様に話して過ごした。
海兵が到着して海賊たちを捕らえ立ち去った後、恋歌もその頃には目を覚ましていたので、祝賀会をしようとしていると、ぼろぼろの6人を見て診療所の先生が全員を強制的に入院させた。
入院前にどうしてもシャチが恋歌の髪を整えたいと騒いだので、たしかにこのままでは可哀想かと切りそろえる事を許してもらい、シャチが簡単に長さをそろえてくれた。
入院に関しては恋歌以外は全治1週間との診断だったが、恋歌は銃で撃たれている為全治にはもう少しかかる。
全員が揃っていると勝手に騒いだり遊んだりしそうだからという理由で、男たちはばらばらの病室にされたが、恋歌は魔力の関係とペンギンとシャチの”おせっかい”により、ローと2人部屋になった。
診療所の先生も恋歌とローの組み合わせなら騒がしくならないだろうと承諾した。
「…」
『…』
だが、ベッドは別々なためお互いに何かを考えるように天井を見つめて黙り込んでいる。
『(なんだか…急に静かになったな…)』
濃い1日だった為こんなに穏やかで静かな時間が流れると、先ほどの戦いは夢だったのではないかと思えてきた。
だが、怪我をしている腕は痛いし、身体中ぼろぼろ。
首を少し動かせば天井を見つめているローがいる。