出会いから出航まで
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一度家の中に戻って戦いの準備を整えてからバギーに乗ってヴォルフの研究所へ向かう。
バギーでたどり着いた場所は何もない広い更地。
ヴォルフが慣れたように迷いなく進み、地面に埋め込まれている金属の扉に鍵を差し込んだ。
ガコン、という音とともに扉が開く。
「すげー!秘密基地みてぇだ!」
「電灯があるから中は明るいが、急な階段になっておる
転ばないように気をつけろ」
「……掴んでろ」
ヴォルフの言うとおりなかなかに急な階段が続いており、雪が少し解けているので滑る可能性もある。
恋歌に手を差し出すと、嬉しそうに笑って手を握り返してきたので、恋歌が転ばないようにゆっくりと階段をおりていく。
らせん状になった階段をしばらく降りていくと、急に拓けた場所に出た。
その場所に広がっているのは大量の発明品。
男たち4人は目を輝かせて目の前の光景にくぎ付けになっている。
「じいさん、あんた本当に発明家だったんだな…」
「当たり前じゃ!お前らはわしをなんだと思っとったんじゃい!!
まあいいわ、取り敢えずこんなもんで驚かれては困る
お前たちに見せたい本命のブツはこの先にあるんでな
ロー、お前はそこにある刀を持ってこい
バッカと戦う上で、そいつは絶対に必要になるものじゃ」
ヴォルフが指差した先には1本の刀。
恋歌の手を離して鞘から抜いてみると、研ぎ澄まされた刃が現れた。
持ち手の所に通常刀にはないスイッチがついているが、取り敢えずは鞘に戻してヴォルフの後をついていく。
また階段が現れ、今度はそこまで急ではないがぎしぎしと不穏な音が鳴り暗い道なので、再度恋歌の手を握った。
『(海の匂い…?)』
「灯りをつけるぞ」
ヴォルフが電灯のスイッチを入れると、目が慣れるまで少し時間がかかったが、目の前には先ほどまでいた部屋とは違い洞窟だった。
「町の連中も知らない、秘密の洞窟じゃよ
そして、お前たちに見せたいものは、あれじゃっ!!」
自信満々にヴォルフが指差した先には巨大な黄色い船。
「ガラクタ屋、この船はもしかして…」
「ふん、おそらくはお前の想像しとる通りじゃ
これこそが天才発明家ヴォルフ最大の発明品!
潜水艦”花マル無敵号”じゃあっ!!」
「「「「名前だっせぇえええ!!!」」」」
全員の声が揃い洞窟に響き渡る。
『(これを…ヴォルフが…)』
自称天才発明家という事は昔からわかっていたが潜水艦を作ってしまうほどだとは思っていなかった。
「中に入るぞ」
「いいのか!?」
ペンギンが嬉しそうにヴォルフに顔を向けると、ヴォルフが入り口を開ける。
「当たり前じゃ
何しろこいつかバッカを倒すための秘密兵器なんじゃからな」
その言葉の意味がわからないまま全員で潜水艦の中に入る。
『(これが潜水艦…)』
操縦席にはみたこともないような機械がたくさんあり、ペンギンたちがすごいすごいとはしゃいでいる。
「どうじゃ!わしの偉大さがわかったか、お前ら!」
得意そうな顔をしているヴォルフは全員を座席につかせ、自身は操縦席に座る。
「メインタンクに海水を注入
スクリュープロペラの回転も正常!」
キィイイイイイインという鳥の鳴き声のような音が響き渡り、ヴォルフ以外の全員が耳を塞ぐ。
「ようし!システム、オールグリーンじゃ!
発進するぞいっ!」
ヴォルフが操作をすると、潜水艦はどんどんと沈んでいく。
「うおお、本当に動いた…」
『(きれい…)』
窓から見える海の中の景色は見た事もない魚が群れを成して泳いでおり、この海をもっと見ていたいと思った。
ある程度まで沈んだ潜水艇は、今度はとんでもないスピードで水平に動き出した。
『(わっ…)』
「おっと…大丈夫か?」
がくん、と水平に動いた衝撃に耐えられなかった恋歌が、転びそうになったのを傍にいたペンギンが支えてくれた。
『ありがとう』
「ちゃんと座ってな」
ペンギンに支えてもらいながらちゃんと座りなおした恋歌は、海の中が見える小窓をずっと見ている。
「…おい、じいさん
結局どうするつもりなんだよ」
「そろそろじゃな…うむ、レーダーに異常なし
ちょうどこの真上にバッカ達のいる神殿がある」
「だから!結局、陸に上がって攻め込むんじゃ意味ねぇだろうが!!
操られてる町の連中と真っ向から戦う事になるぞ!」
「ノンノンノン!なーにを的外れな事を言っとるんじゃ
陸に上がるつもりなんぞ端からないわい
この”花マル無敵号”はな、世界で最も硬い金属の一つで造られておる
それこそ、どんな硬い岩でも山でもぶちやぶれるほどの頑強さを備えておるんじゃ!!」
「おい、まさかそれって…」
嫌な予感がしたローは冷や汗をかきながら嘘であってほしいと願うがヴォルフは不気味に笑っている。
「シートベルトを着けておけよ、お前たち
このまま上昇して、大地を割るぞ」
「は?」
スワロー島は島の大部分の地下が海に繋がっているという珍しい島。
ヴォルフの言っている事は理論的には可能ではあるが、それを実行するとなると心の準備が必要になる。
「大地を割って、海中から直接神殿に乗り込む!わしを信じろ!
スクリュープロペラ、キリモミ大・回・転!!」
「「「嘘だろおおおおおおおおっ!!」」」
『(えー…ど、どうすれば…)』
ペンギンたちが叫ぶが、ヴォルフはお構いなしに操作を続ける。
恋歌はシートベルトはしめたがこれで大丈夫なのかと不安そうにしている。
ギュイイイイインと、音を出しながら、今度は高速で潜水艇が浮上していく。
「3秒前、2、1…行くぞおっ!!」
ものすごい衝撃と、衝撃音とともに、岩盤が割れ潜水艇は神殿の中に飛び出した。
いきなり現れた潜水艇に海賊たちの慌てる声が聞こえてくる。
『ふふっ…』
こんなめちゃくちゃな体験はしたことがない恋歌は思わず声を出して笑ってしまった。
「怪我はねぇか?」
シートベルトのおかげで椅子から放りだされることはなかったが、すごい衝撃だったので心配してくれたローに大丈夫と返し、シートベルトを外して立ち上がる。
「足を引っ張るなよ!お前たち!」
「こっちの台詞だ、ガラクタ屋!!」
全員が一斉に潜水艦から飛び出すと、海賊たちに囲まれている。
『(ヴォルフの為に…わたしに出来る事を…)』
友人の為に、恩人の為に自分にできる精一杯を。
バギーでたどり着いた場所は何もない広い更地。
ヴォルフが慣れたように迷いなく進み、地面に埋め込まれている金属の扉に鍵を差し込んだ。
ガコン、という音とともに扉が開く。
「すげー!秘密基地みてぇだ!」
「電灯があるから中は明るいが、急な階段になっておる
転ばないように気をつけろ」
「……掴んでろ」
ヴォルフの言うとおりなかなかに急な階段が続いており、雪が少し解けているので滑る可能性もある。
恋歌に手を差し出すと、嬉しそうに笑って手を握り返してきたので、恋歌が転ばないようにゆっくりと階段をおりていく。
らせん状になった階段をしばらく降りていくと、急に拓けた場所に出た。
その場所に広がっているのは大量の発明品。
男たち4人は目を輝かせて目の前の光景にくぎ付けになっている。
「じいさん、あんた本当に発明家だったんだな…」
「当たり前じゃ!お前らはわしをなんだと思っとったんじゃい!!
まあいいわ、取り敢えずこんなもんで驚かれては困る
お前たちに見せたい本命のブツはこの先にあるんでな
ロー、お前はそこにある刀を持ってこい
バッカと戦う上で、そいつは絶対に必要になるものじゃ」
ヴォルフが指差した先には1本の刀。
恋歌の手を離して鞘から抜いてみると、研ぎ澄まされた刃が現れた。
持ち手の所に通常刀にはないスイッチがついているが、取り敢えずは鞘に戻してヴォルフの後をついていく。
また階段が現れ、今度はそこまで急ではないがぎしぎしと不穏な音が鳴り暗い道なので、再度恋歌の手を握った。
『(海の匂い…?)』
「灯りをつけるぞ」
ヴォルフが電灯のスイッチを入れると、目が慣れるまで少し時間がかかったが、目の前には先ほどまでいた部屋とは違い洞窟だった。
「町の連中も知らない、秘密の洞窟じゃよ
そして、お前たちに見せたいものは、あれじゃっ!!」
自信満々にヴォルフが指差した先には巨大な黄色い船。
「ガラクタ屋、この船はもしかして…」
「ふん、おそらくはお前の想像しとる通りじゃ
これこそが天才発明家ヴォルフ最大の発明品!
潜水艦”花マル無敵号”じゃあっ!!」
「「「「名前だっせぇえええ!!!」」」」
全員の声が揃い洞窟に響き渡る。
『(これを…ヴォルフが…)』
自称天才発明家という事は昔からわかっていたが潜水艦を作ってしまうほどだとは思っていなかった。
「中に入るぞ」
「いいのか!?」
ペンギンが嬉しそうにヴォルフに顔を向けると、ヴォルフが入り口を開ける。
「当たり前じゃ
何しろこいつかバッカを倒すための秘密兵器なんじゃからな」
その言葉の意味がわからないまま全員で潜水艦の中に入る。
『(これが潜水艦…)』
操縦席にはみたこともないような機械がたくさんあり、ペンギンたちがすごいすごいとはしゃいでいる。
「どうじゃ!わしの偉大さがわかったか、お前ら!」
得意そうな顔をしているヴォルフは全員を座席につかせ、自身は操縦席に座る。
「メインタンクに海水を注入
スクリュープロペラの回転も正常!」
キィイイイイイインという鳥の鳴き声のような音が響き渡り、ヴォルフ以外の全員が耳を塞ぐ。
「ようし!システム、オールグリーンじゃ!
発進するぞいっ!」
ヴォルフが操作をすると、潜水艦はどんどんと沈んでいく。
「うおお、本当に動いた…」
『(きれい…)』
窓から見える海の中の景色は見た事もない魚が群れを成して泳いでおり、この海をもっと見ていたいと思った。
ある程度まで沈んだ潜水艇は、今度はとんでもないスピードで水平に動き出した。
『(わっ…)』
「おっと…大丈夫か?」
がくん、と水平に動いた衝撃に耐えられなかった恋歌が、転びそうになったのを傍にいたペンギンが支えてくれた。
『ありがとう』
「ちゃんと座ってな」
ペンギンに支えてもらいながらちゃんと座りなおした恋歌は、海の中が見える小窓をずっと見ている。
「…おい、じいさん
結局どうするつもりなんだよ」
「そろそろじゃな…うむ、レーダーに異常なし
ちょうどこの真上にバッカ達のいる神殿がある」
「だから!結局、陸に上がって攻め込むんじゃ意味ねぇだろうが!!
操られてる町の連中と真っ向から戦う事になるぞ!」
「ノンノンノン!なーにを的外れな事を言っとるんじゃ
陸に上がるつもりなんぞ端からないわい
この”花マル無敵号”はな、世界で最も硬い金属の一つで造られておる
それこそ、どんな硬い岩でも山でもぶちやぶれるほどの頑強さを備えておるんじゃ!!」
「おい、まさかそれって…」
嫌な予感がしたローは冷や汗をかきながら嘘であってほしいと願うがヴォルフは不気味に笑っている。
「シートベルトを着けておけよ、お前たち
このまま上昇して、大地を割るぞ」
「は?」
スワロー島は島の大部分の地下が海に繋がっているという珍しい島。
ヴォルフの言っている事は理論的には可能ではあるが、それを実行するとなると心の準備が必要になる。
「大地を割って、海中から直接神殿に乗り込む!わしを信じろ!
スクリュープロペラ、キリモミ大・回・転!!」
「「「嘘だろおおおおおおおおっ!!」」」
『(えー…ど、どうすれば…)』
ペンギンたちが叫ぶが、ヴォルフはお構いなしに操作を続ける。
恋歌はシートベルトはしめたがこれで大丈夫なのかと不安そうにしている。
ギュイイイイインと、音を出しながら、今度は高速で潜水艇が浮上していく。
「3秒前、2、1…行くぞおっ!!」
ものすごい衝撃と、衝撃音とともに、岩盤が割れ潜水艇は神殿の中に飛び出した。
いきなり現れた潜水艇に海賊たちの慌てる声が聞こえてくる。
『ふふっ…』
こんなめちゃくちゃな体験はしたことがない恋歌は思わず声を出して笑ってしまった。
「怪我はねぇか?」
シートベルトのおかげで椅子から放りだされることはなかったが、すごい衝撃だったので心配してくれたローに大丈夫と返し、シートベルトを外して立ち上がる。
「足を引っ張るなよ!お前たち!」
「こっちの台詞だ、ガラクタ屋!!」
全員が一斉に潜水艦から飛び出すと、海賊たちに囲まれている。
『(ヴォルフの為に…わたしに出来る事を…)』
友人の為に、恩人の為に自分にできる精一杯を。