出会いから出航まで
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ローがヴォルフに拾われてから1カ月ほどが経った。
ヴォルフが家を空けている間、ローと恋歌は二人で本を読みながら留守番をしていたのだが、珍しく本を読むことに疲れたと言うローに誘われ散歩に出かける事になった。
「今日も雪だからな、気を付けて歩けよ」
転ばない様にと手を差し出してくれるローの手を握り返し、二人であてもなく島を歩く。
「寒くなったりしんどくなったら言えよ」
ざくざくと雪の中を進みながら気遣ってくれるローの言葉へ、返事の代わりに手の握る力を一瞬強めた。
なにかを考えながら歩いているローにただついていくだけの恋歌は、なにか悩みがあるのかと聞きたかったが、それを声に出す事が出来ない。
手話を二人で勉強しているとはいえ、こうして手を繋いでしまうと使えない上に筆談もできない。
『(わたしはいつまでこんな甘えた生活を続けるんだろう…)』
目的があるとはいえ今のこの状況は周りに恵まれすぎていることはわかっていた。
だが、最近星占いをしても自分が欲しい結果が出ない。
これからどうすればいいのかわからずにいた。
『(ん?)』
二人で考え事をしながら無言で歩いているとローが急に立ち止まった。
「やめろよ!やめてくれよー!」
ローの視線の先には白クマをいじめている二人組の少年がいた。
「なんだ、ありゃ」
白クマは一切抵抗することなく少年たちからの暴力に耐えている。
「あっ…」
その様子にローは不快になったが、恋歌が一緒にいる以上揉め事は避けようとしたが、それより先に繋いでいた手が離され恋歌が白クマに駆け寄っていた。
「あ?なんだこいつ」
「どけよ」
「だ、だれ…?」
少年たちはいきなり現れた恋歌に驚いていたが、白クマを背にだめだと首を振る恋歌を見て、怖くて声が出ないと思ったのか、イラついた顔で恋歌を退かそうと手を伸ばした。
「おい」
だが、少年の手が恋歌に届く前にローが声をかけた。
「なんだよおめー!見てんじゃねぇよ!文句でもあんのかこらぁ!」
「別に、俺はてめーらにもそのクマにも興味ねぇから勝手にやってくれ
ただ、そいつだけは返してもらう」
まだ白クマを背に庇っている恋歌を指さす。
「すかしてんじゃねぇぞこらぁ!その偉そうな態度が気に入らねぇ…
そうだな、金目の物を全部おいて行ったら許してやるよ!」
「はぁ…」
態度を変えないローにイラついた少年たちがナイフやバットを取り出して、襲いかかって行った。
「【ROOM】」
『(なに…これ…)』
ローが小さく声を発するとローを中心にドーム状のサークルが現れた。
慌てているのは恋歌だけではなく少年たちも一緒だった。
地面から小石を拾ったローがそれを上に投げると、また小さく【シャンブルズ】と言うと、小石と少年たちの位置が入れ替わった。
いきなり空中に出てきたことに驚いた少年たちはそのまま地面に落下。
二人は意識を失った。
『(今のって…)』
ロー「ほら、そろそろヴォルフが帰ってくる時間だ
さっさと帰るぞ」
ぽかんとした顔をしている恋歌の手を引いて帰ろうとすると、下から服を引っ張られた。
「ま、待って!」
「なんだよ」
両手でローと恋歌の服を引っ張っている白クマにローが小さくため息をついた。
「あの…助けてくれてありがとう…おれ…怖くて…なんも抵抗できなくて…」
ロー「別に
あいつらが絡んできたから返り討ちにしただけ
それにこいつに手を出そうとしたからな
お前を助けようとしたわけじゃねぇよ」
「それでも!それでも、すげぇ、おれ、嬉しかったから…!」
ローと恋歌の服を握ったまま泣き出してしまった白クマに、なぜか恋歌が慌てだして、白クマの頭を撫でてやっている。
いつまで経っても白クマが泣き止みそうにないので、白クマを連れて三人で近くにあった洞窟に入った。
ヴォルフが家を空けている間、ローと恋歌は二人で本を読みながら留守番をしていたのだが、珍しく本を読むことに疲れたと言うローに誘われ散歩に出かける事になった。
「今日も雪だからな、気を付けて歩けよ」
転ばない様にと手を差し出してくれるローの手を握り返し、二人であてもなく島を歩く。
「寒くなったりしんどくなったら言えよ」
ざくざくと雪の中を進みながら気遣ってくれるローの言葉へ、返事の代わりに手の握る力を一瞬強めた。
なにかを考えながら歩いているローにただついていくだけの恋歌は、なにか悩みがあるのかと聞きたかったが、それを声に出す事が出来ない。
手話を二人で勉強しているとはいえ、こうして手を繋いでしまうと使えない上に筆談もできない。
『(わたしはいつまでこんな甘えた生活を続けるんだろう…)』
目的があるとはいえ今のこの状況は周りに恵まれすぎていることはわかっていた。
だが、最近星占いをしても自分が欲しい結果が出ない。
これからどうすればいいのかわからずにいた。
『(ん?)』
二人で考え事をしながら無言で歩いているとローが急に立ち止まった。
「やめろよ!やめてくれよー!」
ローの視線の先には白クマをいじめている二人組の少年がいた。
「なんだ、ありゃ」
白クマは一切抵抗することなく少年たちからの暴力に耐えている。
「あっ…」
その様子にローは不快になったが、恋歌が一緒にいる以上揉め事は避けようとしたが、それより先に繋いでいた手が離され恋歌が白クマに駆け寄っていた。
「あ?なんだこいつ」
「どけよ」
「だ、だれ…?」
少年たちはいきなり現れた恋歌に驚いていたが、白クマを背にだめだと首を振る恋歌を見て、怖くて声が出ないと思ったのか、イラついた顔で恋歌を退かそうと手を伸ばした。
「おい」
だが、少年の手が恋歌に届く前にローが声をかけた。
「なんだよおめー!見てんじゃねぇよ!文句でもあんのかこらぁ!」
「別に、俺はてめーらにもそのクマにも興味ねぇから勝手にやってくれ
ただ、そいつだけは返してもらう」
まだ白クマを背に庇っている恋歌を指さす。
「すかしてんじゃねぇぞこらぁ!その偉そうな態度が気に入らねぇ…
そうだな、金目の物を全部おいて行ったら許してやるよ!」
「はぁ…」
態度を変えないローにイラついた少年たちがナイフやバットを取り出して、襲いかかって行った。
「【ROOM】」
『(なに…これ…)』
ローが小さく声を発するとローを中心にドーム状のサークルが現れた。
慌てているのは恋歌だけではなく少年たちも一緒だった。
地面から小石を拾ったローがそれを上に投げると、また小さく【シャンブルズ】と言うと、小石と少年たちの位置が入れ替わった。
いきなり空中に出てきたことに驚いた少年たちはそのまま地面に落下。
二人は意識を失った。
『(今のって…)』
ロー「ほら、そろそろヴォルフが帰ってくる時間だ
さっさと帰るぞ」
ぽかんとした顔をしている恋歌の手を引いて帰ろうとすると、下から服を引っ張られた。
「ま、待って!」
「なんだよ」
両手でローと恋歌の服を引っ張っている白クマにローが小さくため息をついた。
「あの…助けてくれてありがとう…おれ…怖くて…なんも抵抗できなくて…」
ロー「別に
あいつらが絡んできたから返り討ちにしただけ
それにこいつに手を出そうとしたからな
お前を助けようとしたわけじゃねぇよ」
「それでも!それでも、すげぇ、おれ、嬉しかったから…!」
ローと恋歌の服を握ったまま泣き出してしまった白クマに、なぜか恋歌が慌てだして、白クマの頭を撫でてやっている。
いつまで経っても白クマが泣き止みそうにないので、白クマを連れて三人で近くにあった洞窟に入った。