出会いから出航まで
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病室で恋歌の状態を確認し、特に異常なしということで本屋への出勤も許可された。
簡易シャワーも設置されている診療所なので、出勤前にシャワーを浴び、診療所にあった果物を朝ごはん代わりに食べている。
≪そういえばさ≫
「ん?」
果物を食べる手を止めて、しょんぼりした顔をしている恋歌に、どうかしたのかと視線を向ける。
≪わたし昨日みんなの前で魔法使っちゃったから…魔女ってばれたよね?≫
「あー…それはそうだな」
注目を浴びながら出場していたコンテストの壇上で、あれだけの騒ぎを起こし、目の前で魔方陣も見せてしまった。
それでこれから町の人たちがどんな反応になるのか不安なのだろう。
ローたちも恋歌を診療所にすぐに運び込んだので、そのあとの会場の騒ぎは知らない。
しかしこの3年、ここで過ごしてきて確信していることがある。
「大丈夫だ
この町のやつらは…いいやつらばっかりだろ」
≪うん、そうだね≫
よそ者の自分たちを受け入れ、事情も何も聞かず、いい大人ばかり。
それだけはこの3年間で嫌というほどわかっている。
「気を付けて行けよ」
朝食を食べ終え、少し早い時間ではあるが、本屋に向かうというので、ローに診療所の入り口から見送られている。
≪うん、今日から家に帰るから≫
「わかった」
≪いってきます≫
頭を撫でて見送ってくれたローに背を向けて本屋への道のりを歩いた。
いつもより早い時間帯の為、町にはまだ人は歩いていない。
あっという間に本屋にたどり着き、扉の前で深呼吸をする。
大丈夫だと自分に言い聞かせて扉を開けた。
「あれ、今日ははやいね
おはよう」
いつも通りに挨拶をしてくれる店主に、一瞬ぽかんとして、変わらず接してくれることにぽたぽたと涙がこぼれてきた。
「え!?
ど、どうしたの!?やっぱり昨日ので体調悪い!?」
慌てて駆け寄ってくる店主に違うのだと首を振り、大丈夫だと伝えようとするが、おろおろとして店主は恋歌を更衣室に連れて行き、椅子に座らせた。
「無理はしなくていいんだよ
落ち着いたらでいいからさ
僕は恋歌ちゃんと一緒に、楽しく働きたいからね」
涙が止まらない恋歌の頭をぽんと撫でて、店主は店の方へと戻って行った。
ありがとうと声に出せない事も、店主の意見に同意する事も、大丈夫だと伝える事も出来ない事を申し訳なくなったが、いつもと変わらず接してもらえることに感謝した。
「なんとなくわかってたけど、よかったな」
仕事が終わり、本屋から出ると、心配してくれたのか、ローが店の前で待っていてくれた。
今はアミの家に荷物を取りに行き、今はアミの家から町の入り口までの道のりの途中。
≪うん…≫
結果として恋歌の日常は何も変わらなかった。
いつも通り仕事をこなし、いつも通りに占いをし、いつも通りアミと昼食をとり、いつも通り男たちが群がりそれを店主が追い払う。
昨日倒れた事をみんなが心配してくれ、声を出した事については何も言われなかった。
そんな日常を今日も過ごした。
横を歩くローの手を握り、白い息をはいて、歩みを進める。
『(いい町だな…)』
空を見上げれば今日も星が見える。
星の並びを見て口元をほころばせた。
「明日の運勢か?」
≪うん、明日も…変わらない日常を送れそう≫
ロー「それはなによりだ」
変わらない日常を送れることに感謝し、ローと手を繋いでゆっくりと帰った。
簡易シャワーも設置されている診療所なので、出勤前にシャワーを浴び、診療所にあった果物を朝ごはん代わりに食べている。
≪そういえばさ≫
「ん?」
果物を食べる手を止めて、しょんぼりした顔をしている恋歌に、どうかしたのかと視線を向ける。
≪わたし昨日みんなの前で魔法使っちゃったから…魔女ってばれたよね?≫
「あー…それはそうだな」
注目を浴びながら出場していたコンテストの壇上で、あれだけの騒ぎを起こし、目の前で魔方陣も見せてしまった。
それでこれから町の人たちがどんな反応になるのか不安なのだろう。
ローたちも恋歌を診療所にすぐに運び込んだので、そのあとの会場の騒ぎは知らない。
しかしこの3年、ここで過ごしてきて確信していることがある。
「大丈夫だ
この町のやつらは…いいやつらばっかりだろ」
≪うん、そうだね≫
よそ者の自分たちを受け入れ、事情も何も聞かず、いい大人ばかり。
それだけはこの3年間で嫌というほどわかっている。
「気を付けて行けよ」
朝食を食べ終え、少し早い時間ではあるが、本屋に向かうというので、ローに診療所の入り口から見送られている。
≪うん、今日から家に帰るから≫
「わかった」
≪いってきます≫
頭を撫でて見送ってくれたローに背を向けて本屋への道のりを歩いた。
いつもより早い時間帯の為、町にはまだ人は歩いていない。
あっという間に本屋にたどり着き、扉の前で深呼吸をする。
大丈夫だと自分に言い聞かせて扉を開けた。
「あれ、今日ははやいね
おはよう」
いつも通りに挨拶をしてくれる店主に、一瞬ぽかんとして、変わらず接してくれることにぽたぽたと涙がこぼれてきた。
「え!?
ど、どうしたの!?やっぱり昨日ので体調悪い!?」
慌てて駆け寄ってくる店主に違うのだと首を振り、大丈夫だと伝えようとするが、おろおろとして店主は恋歌を更衣室に連れて行き、椅子に座らせた。
「無理はしなくていいんだよ
落ち着いたらでいいからさ
僕は恋歌ちゃんと一緒に、楽しく働きたいからね」
涙が止まらない恋歌の頭をぽんと撫でて、店主は店の方へと戻って行った。
ありがとうと声に出せない事も、店主の意見に同意する事も、大丈夫だと伝える事も出来ない事を申し訳なくなったが、いつもと変わらず接してもらえることに感謝した。
「なんとなくわかってたけど、よかったな」
仕事が終わり、本屋から出ると、心配してくれたのか、ローが店の前で待っていてくれた。
今はアミの家に荷物を取りに行き、今はアミの家から町の入り口までの道のりの途中。
≪うん…≫
結果として恋歌の日常は何も変わらなかった。
いつも通り仕事をこなし、いつも通りに占いをし、いつも通りアミと昼食をとり、いつも通り男たちが群がりそれを店主が追い払う。
昨日倒れた事をみんなが心配してくれ、声を出した事については何も言われなかった。
そんな日常を今日も過ごした。
横を歩くローの手を握り、白い息をはいて、歩みを進める。
『(いい町だな…)』
空を見上げれば今日も星が見える。
星の並びを見て口元をほころばせた。
「明日の運勢か?」
≪うん、明日も…変わらない日常を送れそう≫
ロー「それはなによりだ」
変わらない日常を送れることに感謝し、ローと手を繋いでゆっくりと帰った。