風邪
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薬屋から出た5人は薬草を採取すべく、恋歌の案内についていき山に向かって歩いているところだったが、後ろをエージが着いてきており、ローがいらいらとしているのが雰囲気で伝わってくる。
「なぁ…あんたなんでついてくるんだ?」
「海賊に大事な薬草を全部取られても困るし、荒らしていく奴らもいるからな
見張りだよ、見張り」
ローの出す重い空気に耐えきれなくなったシャチがエージに声をかけるが、返ってきたのはもっともな言葉。
言い返す事もエージを追い返す事も出来ないまま、先導している恋歌とローの背中を黙って追いかけるしかできなくなった。
「恋歌、手を掴んでろ」
足場が悪くなってきているため、ローがいつものように恋歌に手を差し出し支えながら目的の場所を目指す。
それをエージがじっと見つめているが、ローはそれを気にせず山を登って行く。
「こりゃ…すげぇな…」
到着した場所は一面さまざまな薬草が生い茂っており、図鑑でしか見た事のない薬草にローの表情が少し緩んだ。
「あんたらは暴れるタイプの海賊じゃないみたいだけど、ここの生態系が崩れるような取り方はやめてくれよ」
「…おい、手分けして薬草を摘むぞ」
ローが一人一人に指示を出し、必要な分のみ採取し恋歌に渡していく。
すでにエージには魔法を使っているのを見られているため、今更収納魔法ぐらいは大丈夫だろうと薬草はどんどんと恋歌の元に集まってくる。
「…てめぇ、じろじろ見てんじゃねぇよ」
『……』
だが、恋歌の傍には目つきを鋭くしたローがいるにも関わらず、エージはそれに怯むこともなく恋歌が作業している姿をじーっと見つめている。
「いや…なんでその帽子と眼鏡させてんのかなって思って」
「あ?」
「だって恋歌ってめちゃくちゃ可愛いのに、帽子と眼鏡で全然わかんないじゃん」
「ガキが勝手に恋歌の眼鏡と帽子を取ったんだ
恋歌を責めてやるなよ」
そのエージの言葉に薬草を摘んでいた手を止めたローは、俯いたままの恋歌に視線を向け、恋歌の膝の上にいるシリウスに視線を移した。
「…はぁ
お前には関係のないことだ」
「変なの…そんなに可愛いのに隠してるなんて…」
「何度も言わせるな
お前には関係のないことだ
恋歌はおれの部下で、おれの女だ
部外者のお前が口を出すな」
恋歌が可愛いことなど他の男から言われなくともわかっている。
だがその可愛さも、美しさも望んで隠しているわけではない。
魔女であるだけでも危険な世界で、その中でも希少な星の魔女である恋歌が、素顔を晒して生きていく事がどれだけ危険な事かを知らない男に口を出されると腹立たしいものがある。
「ふーん…生きにくそうだな…」
『あのね…』
ローがエージを遠くにでも飛ばしてやろうとした瞬間、今まで黙っていた恋歌が口を開いた。
『わたしは、わたしが望んで、この格好を、しているの
わたしの事を、可愛いって、言ってくれるのは、嬉しい
でも、理由があるの
みんなの気遣いに、口を出さないで』
恋歌が一人でも島を歩けるようにとみんなが考えてくれた変装で、魔女である事で狙われ、星に認められることで変わっていく容姿も綺麗だと言ってくれた。
仲間たちの優しい心や、ローからの優しい言葉も行動があるからこそ、みんなに安心してもらうために変装をすることは恋歌にとって当たり前になった。
そのことを詳しく説明する気もないが、悪意のない言動だったとしても、悪戯だったとはいえ変装をとられたことに少しやりすぎではないかと思っていた。
人それぞれ変装をするには理由があり、恋歌の変装は仲間の優しさであり自己防衛。
「…おれはただ…可愛いのに、なんで隠してるのか気になっただけで…」
『…あなたには、関係のない事だよ』
「「「……」」」
聞いた事がないほど強い口調と突き放すような言い方をする恋歌に、仲間たちは一瞬ぽかんとした顔をしていたが、わざとエージの名前を呼ばず、突き放しているのだとわかり、全員それに口を出すことはせず黙々と薬草を集める。
「よし、こんなもんだろ
帰るぞ」
『うん』
ローが差し出した手に嬉しそうに笑って自分の手を重ね全員で山を下りた。
「なぁ…あんたなんでついてくるんだ?」
「海賊に大事な薬草を全部取られても困るし、荒らしていく奴らもいるからな
見張りだよ、見張り」
ローの出す重い空気に耐えきれなくなったシャチがエージに声をかけるが、返ってきたのはもっともな言葉。
言い返す事もエージを追い返す事も出来ないまま、先導している恋歌とローの背中を黙って追いかけるしかできなくなった。
「恋歌、手を掴んでろ」
足場が悪くなってきているため、ローがいつものように恋歌に手を差し出し支えながら目的の場所を目指す。
それをエージがじっと見つめているが、ローはそれを気にせず山を登って行く。
「こりゃ…すげぇな…」
到着した場所は一面さまざまな薬草が生い茂っており、図鑑でしか見た事のない薬草にローの表情が少し緩んだ。
「あんたらは暴れるタイプの海賊じゃないみたいだけど、ここの生態系が崩れるような取り方はやめてくれよ」
「…おい、手分けして薬草を摘むぞ」
ローが一人一人に指示を出し、必要な分のみ採取し恋歌に渡していく。
すでにエージには魔法を使っているのを見られているため、今更収納魔法ぐらいは大丈夫だろうと薬草はどんどんと恋歌の元に集まってくる。
「…てめぇ、じろじろ見てんじゃねぇよ」
『……』
だが、恋歌の傍には目つきを鋭くしたローがいるにも関わらず、エージはそれに怯むこともなく恋歌が作業している姿をじーっと見つめている。
「いや…なんでその帽子と眼鏡させてんのかなって思って」
「あ?」
「だって恋歌ってめちゃくちゃ可愛いのに、帽子と眼鏡で全然わかんないじゃん」
「ガキが勝手に恋歌の眼鏡と帽子を取ったんだ
恋歌を責めてやるなよ」
そのエージの言葉に薬草を摘んでいた手を止めたローは、俯いたままの恋歌に視線を向け、恋歌の膝の上にいるシリウスに視線を移した。
「…はぁ
お前には関係のないことだ」
「変なの…そんなに可愛いのに隠してるなんて…」
「何度も言わせるな
お前には関係のないことだ
恋歌はおれの部下で、おれの女だ
部外者のお前が口を出すな」
恋歌が可愛いことなど他の男から言われなくともわかっている。
だがその可愛さも、美しさも望んで隠しているわけではない。
魔女であるだけでも危険な世界で、その中でも希少な星の魔女である恋歌が、素顔を晒して生きていく事がどれだけ危険な事かを知らない男に口を出されると腹立たしいものがある。
「ふーん…生きにくそうだな…」
『あのね…』
ローがエージを遠くにでも飛ばしてやろうとした瞬間、今まで黙っていた恋歌が口を開いた。
『わたしは、わたしが望んで、この格好を、しているの
わたしの事を、可愛いって、言ってくれるのは、嬉しい
でも、理由があるの
みんなの気遣いに、口を出さないで』
恋歌が一人でも島を歩けるようにとみんなが考えてくれた変装で、魔女である事で狙われ、星に認められることで変わっていく容姿も綺麗だと言ってくれた。
仲間たちの優しい心や、ローからの優しい言葉も行動があるからこそ、みんなに安心してもらうために変装をすることは恋歌にとって当たり前になった。
そのことを詳しく説明する気もないが、悪意のない言動だったとしても、悪戯だったとはいえ変装をとられたことに少しやりすぎではないかと思っていた。
人それぞれ変装をするには理由があり、恋歌の変装は仲間の優しさであり自己防衛。
「…おれはただ…可愛いのに、なんで隠してるのか気になっただけで…」
『…あなたには、関係のない事だよ』
「「「……」」」
聞いた事がないほど強い口調と突き放すような言い方をする恋歌に、仲間たちは一瞬ぽかんとした顔をしていたが、わざとエージの名前を呼ばず、突き放しているのだとわかり、全員それに口を出すことはせず黙々と薬草を集める。
「よし、こんなもんだろ
帰るぞ」
『うん』
ローが差し出した手に嬉しそうに笑って自分の手を重ね全員で山を下りた。