出会いから出航まで
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
予想外の出来事にコンテストの優勝者発表は保留となり、気を失った恋歌は診療所に運ばれた。
「どういうことか説明してもらおうか」
気を失ってもローの手だけは離さず、今も魔力を与えられればと手は握ったままにし、診療所の病室にいつもの5人が集まっている。
今は呼吸も安定し、見た目にはただ眠っているように見える。
今回の事について唯一理由を知っていそうなヴォルフにロー以外の視線も集まり、ヴォルフは小さくため息をついた。
「まぁ…ここまできてしまったからには話すしかあるまい」
がたんと椅子をひっぱり出してきて座り、腕を組んで目を閉じた。
「言っておくがこれは恋歌から聞いた話で、真実はわしも知らん
だが、わしはこの話に偽りはないと思っとる」
「それでいい
その話をしてくれ」
前置きをしたヴォルフは、全員が頷いた事を確認し、記憶を呼び起こしながら話し始めた。
「お前たち、星に願いをしたことはあるか」
「は?」
「聞いたことぐらいはあるじゃろう」
「まぁ…」
星に願い事をするのは聞いた事ぐらいはあるが、したことはない。
そういったことに無縁そうなヴォルフから、そんな言葉が出るとは思っていなかったが、話しているのは星の魔法が使える魔女の話。
これが大事な事なのだと全員が理解している。
「恋歌のように星の魔法に適性の高い者たちの声はそれは美しく、星々ですら魅了すると言われとる」
「たしかにすげー綺麗な声で、なんかこう…心に直接響く声だった」
「だよな」
声を聞いたのは一瞬であんな騒ぎの中ではあったが、恋歌の声は想像していたより数倍綺麗な声だった。
「星に願い事をするときは声に魔力をこめて声を発する
さっき見たじゃろう」
「あれが…」
「あれは暴走しとったがな」
「だから俺に恋歌の口を塞がせた…」
「そうじゃ
あの声で願いを口にすればその願いが叶ってしまう可能性があった」
「願い…?」
あの時の恋歌の言葉に願いがあっただろうかと、恋歌の言葉を思い出す。
「ロー、お前さんと一緒にいたいと…そう言っておったじゃろ」
「ああ…」
「別にいいんじゃないか?」
「普通に言う分には可愛いもんじゃがな…
だが、今回その言葉を発したのは魔女であり、星々を魅了する声を持った恋歌じゃ
その願いを星々が叶えると…ローは恋歌から離れられなくなる」
「…それはどんな風にだ」
「願いを聞いた星によるらしい
もしかすると物理的に恋歌と一定以上離れられなくされたり、精神的に恋歌から離れられなくされるかもしれん
それは…お前さんも、恋歌も望んでおらんじゃろう」
そんな怖い星があるのかと身震いしたが、これが恋歌の力で、恋歌が声を出さない理由。
「じゃあ…今回はなぜ声を出したんだ
あんなコンテストなんて…辞退すれば…」
「違うんだ…恋歌は…ローさんをとられたくなくて…」
「どういうことだ?」
「あのコンテスト…実は…優勝したら付き合わなきゃいけなくなるんだ」
「は?」
あのコンテストに参加した理由を知っていた3人は、うつむきながらローに恋歌が参加した真実を話す。
「もともとこの小さな町でカップルを増やすための催し
だから…暗黙の了解って言うか…そういうのがあって…
優勝したペアは…今までほぼ100%付き合ってるらしい
ちなみにほぼってのは例外がアミだけってことな」
「まぁおれたちはローさんがクロエと付き合う事はないとは思ってたけど…
あの子に宣戦布告みたいなのをされたみたいでさ…」
「ちゃんと恋歌に大丈夫だっておれたちが言ってやればよかった…」
「そういう…ことか」
この説明で恋歌が急にコンテストに参加した理由も、今まで声を出さなかったのに今日出した理由も、一緒にいたいと言われた理由も、すべてがつながった。
「これ以上の事はわしも知らん
あとは本人に聞け」
椅子から立ち上がったヴォルフは、ベポ、シャチ、ペンギンに帰るぞと声をかける。
「今日恋歌が目を覚ますかどうかはわからんが、魔力の供給は必要になるじゃろう
恋歌が頑張った分お前さんも返してやれ」
「ああ」
出ていく四人を見送り、静かになった病室でヴォルフが座っていた椅子に座り、恋歌の寝顔を見つめる。
「…」
すこし悪いとは思ったが、紋章を確認する為に恋歌のブラウスのボタンを外して、胸元を確認する。
「(かなり薄くなってるな…)」
うっすらとしか見えない程度の濃さの紋章を見て、手だけでは足りないかもしれないと思い、しばらく考えた後、もぞもぞと
恋歌が眠っているベッドに入り込んだ。
「どういうことか説明してもらおうか」
気を失ってもローの手だけは離さず、今も魔力を与えられればと手は握ったままにし、診療所の病室にいつもの5人が集まっている。
今は呼吸も安定し、見た目にはただ眠っているように見える。
今回の事について唯一理由を知っていそうなヴォルフにロー以外の視線も集まり、ヴォルフは小さくため息をついた。
「まぁ…ここまできてしまったからには話すしかあるまい」
がたんと椅子をひっぱり出してきて座り、腕を組んで目を閉じた。
「言っておくがこれは恋歌から聞いた話で、真実はわしも知らん
だが、わしはこの話に偽りはないと思っとる」
「それでいい
その話をしてくれ」
前置きをしたヴォルフは、全員が頷いた事を確認し、記憶を呼び起こしながら話し始めた。
「お前たち、星に願いをしたことはあるか」
「は?」
「聞いたことぐらいはあるじゃろう」
「まぁ…」
星に願い事をするのは聞いた事ぐらいはあるが、したことはない。
そういったことに無縁そうなヴォルフから、そんな言葉が出るとは思っていなかったが、話しているのは星の魔法が使える魔女の話。
これが大事な事なのだと全員が理解している。
「恋歌のように星の魔法に適性の高い者たちの声はそれは美しく、星々ですら魅了すると言われとる」
「たしかにすげー綺麗な声で、なんかこう…心に直接響く声だった」
「だよな」
声を聞いたのは一瞬であんな騒ぎの中ではあったが、恋歌の声は想像していたより数倍綺麗な声だった。
「星に願い事をするときは声に魔力をこめて声を発する
さっき見たじゃろう」
「あれが…」
「あれは暴走しとったがな」
「だから俺に恋歌の口を塞がせた…」
「そうじゃ
あの声で願いを口にすればその願いが叶ってしまう可能性があった」
「願い…?」
あの時の恋歌の言葉に願いがあっただろうかと、恋歌の言葉を思い出す。
「ロー、お前さんと一緒にいたいと…そう言っておったじゃろ」
「ああ…」
「別にいいんじゃないか?」
「普通に言う分には可愛いもんじゃがな…
だが、今回その言葉を発したのは魔女であり、星々を魅了する声を持った恋歌じゃ
その願いを星々が叶えると…ローは恋歌から離れられなくなる」
「…それはどんな風にだ」
「願いを聞いた星によるらしい
もしかすると物理的に恋歌と一定以上離れられなくされたり、精神的に恋歌から離れられなくされるかもしれん
それは…お前さんも、恋歌も望んでおらんじゃろう」
そんな怖い星があるのかと身震いしたが、これが恋歌の力で、恋歌が声を出さない理由。
「じゃあ…今回はなぜ声を出したんだ
あんなコンテストなんて…辞退すれば…」
「違うんだ…恋歌は…ローさんをとられたくなくて…」
「どういうことだ?」
「あのコンテスト…実は…優勝したら付き合わなきゃいけなくなるんだ」
「は?」
あのコンテストに参加した理由を知っていた3人は、うつむきながらローに恋歌が参加した真実を話す。
「もともとこの小さな町でカップルを増やすための催し
だから…暗黙の了解って言うか…そういうのがあって…
優勝したペアは…今までほぼ100%付き合ってるらしい
ちなみにほぼってのは例外がアミだけってことな」
「まぁおれたちはローさんがクロエと付き合う事はないとは思ってたけど…
あの子に宣戦布告みたいなのをされたみたいでさ…」
「ちゃんと恋歌に大丈夫だっておれたちが言ってやればよかった…」
「そういう…ことか」
この説明で恋歌が急にコンテストに参加した理由も、今まで声を出さなかったのに今日出した理由も、一緒にいたいと言われた理由も、すべてがつながった。
「これ以上の事はわしも知らん
あとは本人に聞け」
椅子から立ち上がったヴォルフは、ベポ、シャチ、ペンギンに帰るぞと声をかける。
「今日恋歌が目を覚ますかどうかはわからんが、魔力の供給は必要になるじゃろう
恋歌が頑張った分お前さんも返してやれ」
「ああ」
出ていく四人を見送り、静かになった病室でヴォルフが座っていた椅子に座り、恋歌の寝顔を見つめる。
「…」
すこし悪いとは思ったが、紋章を確認する為に恋歌のブラウスのボタンを外して、胸元を確認する。
「(かなり薄くなってるな…)」
うっすらとしか見えない程度の濃さの紋章を見て、手だけでは足りないかもしれないと思い、しばらく考えた後、もぞもぞと
恋歌が眠っているベッドに入り込んだ。