風邪
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静かな艦内を足元を浮かしながらローの腕に引かれるように移動し、食堂に入れば既に誰もいなかった。
『何か、あるかな…』
椅子に座ったローと自分が食べられるものが何か残っているかと冷蔵庫を開けたり、棚を開けたりしている恋歌を頬杖をつきながらローがぼーっと眺めていると、炊飯器を開けて顔だけを向けてきた。
『おにぎりで、いい?』
「ああ」
もう米の在庫があまりなかったはずだが、距離的にもうすぐ恋歌が薬を買ってきた島に辿り着くはず。
今ある分の米を食べたとしても島まではもつだろうと、ローに2つ、自分に1つおにぎりを握り、小皿に漬物を準備し緑茶を淹れて机の上に置いてから恋歌もローの横に座った。
「それだけでいいのか」
恋歌の小さな手で握られたおにぎり1つで足りるのかと、目の前のおにぎりに手を伸ばしながら聞けば、塩の風味と中に入れられた鮭の味が口の中に広がった。
『もう夜遅いし、あんまり食べると、太っちゃう、から…』
「……」
先ほど抱いたばかりの恋歌の身体を思い出し、もう少し太ってもいいのではとは言いかけたが、以前恋歌基準で太った際に触らせてもらえなかったこともあり、余計なことは言わないでおこうと無言で咀嚼を続ける。
『ふふ、でも、この時間にご飯って、悪い事してる、みたいだね』
「…そうだな」
小さな口でおにぎりを食べている恋歌は、楽しそうに笑っているが、それよりも色づきの良い桜色の唇に目線が向いてしまい、返事が軽いものになってしまう。
この唇から普段の声も、魔法を使う時の美しい声も、抱いている時の甘さを含んだ声も出ているのだと思うと、なぜか無意識に唇に手を伸ばしていた。
『な、なに…?』
顎に手を添えられ、親指で唇をなぞられている恋歌は、びくりと身体を震わせながらも避ける事はしない。
「…早く食え」
『え…あ、うん』
すっ、と顎から手を離された先を見れば、いつの間にかローはおにぎりを食べ終わっており、その手は温かい緑茶の入った湯飲みを手に取った。
急かされていると思った恋歌は少し食べるスピードを上げ、最後にぬるくなった緑茶を一気に飲み干した。
『ごめん、お待たせ』
シンクで食べ終えた食器と湯飲みを洗い、待ってくれていたローに声をかければ、立ち上がって手を差し出してくる。
それを握った恋歌の手を引き、足早に船長室への道のりを歩く。
部屋に入った恋歌とローは寝る準備を整えてからベッドに寝転んだ。
「…なんだ」
口数が少なくなり、じっと見下ろしてくるローを恋歌もじっと見返していると、先に見ていたのはローだったが根負けしたのもローが先だった。
食堂でローにされたように薄い唇を指で撫でれば、腰に回っている腕に力が入りぐっと顔が近づいてきた。
あと少しで唇が重なる距離まで近づいているが、恋歌が目を閉じないのでローもあと少しの距離をつめない。
「目…閉じねぇのか」
『(ローの唇…こんなに柔らかいんだ…)』
数秒至近距離で見つめ合っていたが、ここまできたらキスをしたいと恋歌が目を閉じないのは何か理由があるのか問えば、ちゅ、と音を立てて恋歌の方から軽くキスをされた。
それに驚いて何度か瞬きをしていれば、ぎゅっと恋歌が抱き着いてくる。
『(な、なんでキス、しちゃったの…?)』
「…おい」
可愛らしい事をされて自分からもキスさせろというように頬を撫でるが、恥ずかしいのか顔を上げる事はしない。
『もう寝る、から…』
「…起きたとき、覚えてろよ」
照れた顔を見られたくない恋歌だったが、そう簡単にローが逃がしてくれるわけもなく、腰をいやらしい手つきで撫でられた恋歌がびくりと身体を揺らした後くくっと喉で笑われ、どきどきする心臓を誤魔化すようにぎゅっと目を閉じた。
『何か、あるかな…』
椅子に座ったローと自分が食べられるものが何か残っているかと冷蔵庫を開けたり、棚を開けたりしている恋歌を頬杖をつきながらローがぼーっと眺めていると、炊飯器を開けて顔だけを向けてきた。
『おにぎりで、いい?』
「ああ」
もう米の在庫があまりなかったはずだが、距離的にもうすぐ恋歌が薬を買ってきた島に辿り着くはず。
今ある分の米を食べたとしても島まではもつだろうと、ローに2つ、自分に1つおにぎりを握り、小皿に漬物を準備し緑茶を淹れて机の上に置いてから恋歌もローの横に座った。
「それだけでいいのか」
恋歌の小さな手で握られたおにぎり1つで足りるのかと、目の前のおにぎりに手を伸ばしながら聞けば、塩の風味と中に入れられた鮭の味が口の中に広がった。
『もう夜遅いし、あんまり食べると、太っちゃう、から…』
「……」
先ほど抱いたばかりの恋歌の身体を思い出し、もう少し太ってもいいのではとは言いかけたが、以前恋歌基準で太った際に触らせてもらえなかったこともあり、余計なことは言わないでおこうと無言で咀嚼を続ける。
『ふふ、でも、この時間にご飯って、悪い事してる、みたいだね』
「…そうだな」
小さな口でおにぎりを食べている恋歌は、楽しそうに笑っているが、それよりも色づきの良い桜色の唇に目線が向いてしまい、返事が軽いものになってしまう。
この唇から普段の声も、魔法を使う時の美しい声も、抱いている時の甘さを含んだ声も出ているのだと思うと、なぜか無意識に唇に手を伸ばしていた。
『な、なに…?』
顎に手を添えられ、親指で唇をなぞられている恋歌は、びくりと身体を震わせながらも避ける事はしない。
「…早く食え」
『え…あ、うん』
すっ、と顎から手を離された先を見れば、いつの間にかローはおにぎりを食べ終わっており、その手は温かい緑茶の入った湯飲みを手に取った。
急かされていると思った恋歌は少し食べるスピードを上げ、最後にぬるくなった緑茶を一気に飲み干した。
『ごめん、お待たせ』
シンクで食べ終えた食器と湯飲みを洗い、待ってくれていたローに声をかければ、立ち上がって手を差し出してくる。
それを握った恋歌の手を引き、足早に船長室への道のりを歩く。
部屋に入った恋歌とローは寝る準備を整えてからベッドに寝転んだ。
「…なんだ」
口数が少なくなり、じっと見下ろしてくるローを恋歌もじっと見返していると、先に見ていたのはローだったが根負けしたのもローが先だった。
食堂でローにされたように薄い唇を指で撫でれば、腰に回っている腕に力が入りぐっと顔が近づいてきた。
あと少しで唇が重なる距離まで近づいているが、恋歌が目を閉じないのでローもあと少しの距離をつめない。
「目…閉じねぇのか」
『(ローの唇…こんなに柔らかいんだ…)』
数秒至近距離で見つめ合っていたが、ここまできたらキスをしたいと恋歌が目を閉じないのは何か理由があるのか問えば、ちゅ、と音を立てて恋歌の方から軽くキスをされた。
それに驚いて何度か瞬きをしていれば、ぎゅっと恋歌が抱き着いてくる。
『(な、なんでキス、しちゃったの…?)』
「…おい」
可愛らしい事をされて自分からもキスさせろというように頬を撫でるが、恥ずかしいのか顔を上げる事はしない。
『もう寝る、から…』
「…起きたとき、覚えてろよ」
照れた顔を見られたくない恋歌だったが、そう簡単にローが逃がしてくれるわけもなく、腰をいやらしい手つきで撫でられた恋歌がびくりと身体を揺らした後くくっと喉で笑われ、どきどきする心臓を誤魔化すようにぎゅっと目を閉じた。