風邪
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『??』
「なんだこのクソガキ」
帽子をかぶりシリウスから受け取った眼鏡をもう一度付け直そうとしている手を、エージが掴むと恋歌は不思議そうな顔でエージを見つめ、シリウスはぐるぐると威嚇するように唸っている。
「その方が可愛いのになんで隠してんだ?」
エージの質問には答えず手を離してほしいと手を振ったが、なぜか離してくれずそのまま立ち上がらせるように手を引かれた。
「必要なのは3人分だろ
薬草の量はそれで十分だ」
帰るぞ、と手を引いてくるエージに促されるまま歩き始めた恋歌は、片手で眼鏡をつけ直して来た道を戻る。
店に戻った時にはすでに陽は完全に落ちており、かなり時間が経っていた。
「じいちゃん、これで薬作ってやってくれ」
「…ああ」
出て行った時と同じ場所に座っていた老人は、薬草を受け取るとまたのそのそと奥の方に入っていった。
「薬は30分ぐらいでできると思う
おれは晩飯の準備してくるけど、恋歌も食べていくか?」
薬が完成したら一刻も早く帰りたい恋歌は、その誘いに首を振った。
『≪30分後にまた来ます≫』
「は?こんな時間にどこ行くんだよ」
『……』
星が見える時間帯のため、今のうちに少しでも星空を見て魔力を回復しておこうと外に行きたかったが、そんな事が説明できるわけもなく、字を書く手が止まった。
「…ここにいろ
出ていくってんならじいちゃんに薬を作るのを止めさせる」
エージが恋歌を気遣ってくれているのはわかっている。
だが、その気遣いは今の恋歌にとっては少し煩わしかった。
『≪じゃあこの店の前にいます
薬ができたら教えてください≫』
「ったく…どうしても外には出たいってわけね」
星空が見える場所なら問題ないだろうと、恋歌にできる最大限の譲歩をすれば、エージは諦めたようにため息をついた。
「恋歌みたいに可愛い女を1人にさせるのも良くわかんねぇし、仲間たちはどんな奴らなんだよ…」
がりがりと頭をかきながた言われた言葉に、言い返せない恋歌はぎゅっと拳を握りしめて耐え、今は薬を持って帰る事が最優先だと静かに店から出た。
空を見上げれば星々の輝きが視界に広がり、魔力がゆっくりと回復していく感覚がある。
「風邪だけはひくなよ」
息をはけば白く色づくほどの気温に、シリウスが心配そうに擦り寄ってくれるので恋歌もシリウスに頬を寄せる。
「30分回復できれば船までは無事に戻れる魔力は蓄えられる
ベポもこっちに向かっているはずだし、行きよりは短時間で船まで戻れるはずだ」
『(ここを出る前にベポに連絡した方がいいよね)』
持たせてくれた電伝虫で無事に薬を手に入れた事と、今から帰るということは、心配してくれているベポに伝えてから帰るべきだろう。
「おい、恋歌」
暫く星空を眺めていると、扉が開いてエージが出てきた。
その手にはブランケットと湯気の出ているカップを持っている。
カップを渡され肩からブランケットをかけると、エージはふぅと息をはいた。
「薬を買いに来た恋歌が風邪を引いたんじゃ意味がねぇからな」
カップの中身は温かいミルクで一口飲めばほんのりとはちみつの甘みが広がった。
「お前もミルク飲むか?」
恋歌の肩にいるシリウスに触れようと指を出したが、シリウスはぷい、と視線を逸らしてしまった。
「可愛い顔してんのに性格は可愛くないのな」
シリウスの事は諦めたエージはまた家の中にもどった。
「なんだこのクソガキ」
帽子をかぶりシリウスから受け取った眼鏡をもう一度付け直そうとしている手を、エージが掴むと恋歌は不思議そうな顔でエージを見つめ、シリウスはぐるぐると威嚇するように唸っている。
「その方が可愛いのになんで隠してんだ?」
エージの質問には答えず手を離してほしいと手を振ったが、なぜか離してくれずそのまま立ち上がらせるように手を引かれた。
「必要なのは3人分だろ
薬草の量はそれで十分だ」
帰るぞ、と手を引いてくるエージに促されるまま歩き始めた恋歌は、片手で眼鏡をつけ直して来た道を戻る。
店に戻った時にはすでに陽は完全に落ちており、かなり時間が経っていた。
「じいちゃん、これで薬作ってやってくれ」
「…ああ」
出て行った時と同じ場所に座っていた老人は、薬草を受け取るとまたのそのそと奥の方に入っていった。
「薬は30分ぐらいでできると思う
おれは晩飯の準備してくるけど、恋歌も食べていくか?」
薬が完成したら一刻も早く帰りたい恋歌は、その誘いに首を振った。
『≪30分後にまた来ます≫』
「は?こんな時間にどこ行くんだよ」
『……』
星が見える時間帯のため、今のうちに少しでも星空を見て魔力を回復しておこうと外に行きたかったが、そんな事が説明できるわけもなく、字を書く手が止まった。
「…ここにいろ
出ていくってんならじいちゃんに薬を作るのを止めさせる」
エージが恋歌を気遣ってくれているのはわかっている。
だが、その気遣いは今の恋歌にとっては少し煩わしかった。
『≪じゃあこの店の前にいます
薬ができたら教えてください≫』
「ったく…どうしても外には出たいってわけね」
星空が見える場所なら問題ないだろうと、恋歌にできる最大限の譲歩をすれば、エージは諦めたようにため息をついた。
「恋歌みたいに可愛い女を1人にさせるのも良くわかんねぇし、仲間たちはどんな奴らなんだよ…」
がりがりと頭をかきながた言われた言葉に、言い返せない恋歌はぎゅっと拳を握りしめて耐え、今は薬を持って帰る事が最優先だと静かに店から出た。
空を見上げれば星々の輝きが視界に広がり、魔力がゆっくりと回復していく感覚がある。
「風邪だけはひくなよ」
息をはけば白く色づくほどの気温に、シリウスが心配そうに擦り寄ってくれるので恋歌もシリウスに頬を寄せる。
「30分回復できれば船までは無事に戻れる魔力は蓄えられる
ベポもこっちに向かっているはずだし、行きよりは短時間で船まで戻れるはずだ」
『(ここを出る前にベポに連絡した方がいいよね)』
持たせてくれた電伝虫で無事に薬を手に入れた事と、今から帰るということは、心配してくれているベポに伝えてから帰るべきだろう。
「おい、恋歌」
暫く星空を眺めていると、扉が開いてエージが出てきた。
その手にはブランケットと湯気の出ているカップを持っている。
カップを渡され肩からブランケットをかけると、エージはふぅと息をはいた。
「薬を買いに来た恋歌が風邪を引いたんじゃ意味がねぇからな」
カップの中身は温かいミルクで一口飲めばほんのりとはちみつの甘みが広がった。
「お前もミルク飲むか?」
恋歌の肩にいるシリウスに触れようと指を出したが、シリウスはぷい、と視線を逸らしてしまった。
「可愛い顔してんのに性格は可愛くないのな」
シリウスの事は諦めたエージはまた家の中にもどった。