風邪
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女の家から10分程歩いた場所に、薬屋の看板が掲げられた家があり、女は何のためらいもなく薬屋の扉を開けた。
「誰かいないかい!」
恋歌も続いて店の中に入ったが、見える場所には誰もおらず女が大声で店の奥に声をかければ、のそりと誰かがゆっくり出てきた。
「あの子は買い物かい?」
「…んあ?」
店の奥から出てきたのは腰の曲がった白髪の老人で、女が耳元で質問をしたが聞こえていなさそうで聞き返している。
「ふぅ…
お客さんだよ!!」
「…客?」
先ほどより大きな声で簡潔に伝えれば、女の後ろに立っている恋歌に視線を向けた。
「さっきの薬草の本見せた方が早いから見せてやりな」
そう女に言われ慌てて鞄から本を取り出し、必要な薬草が載ったページを老人に見せた。
「…これは、今切らしとったような…あー…1つだけなら、調薬したものが…あったような…」
がさごそと棚から薬包紙に包まれた粉薬を1つだけ恋歌の前に置いた。
「1つだけでいいのかい?」
『≪最低でも3つは必要なんです
3人が罹ってて…≫』
「じいさん!後2つ欲しいってさ!!」
女がもう一度大声で老人に話しかけてくれるが、別の棚をごそごそと探してくれるが、中身は入っていなかった。
「ふぅ…薬草がないみたいだね」
『(そんな…)
≪薬草、自分で取ってきます
どこに行けばありますか?≫』
薬草がないのであれば自分で取ってきて調薬をしてもらう他ない。
どうしても今日手に入れて、今日中には島を出発したい。
そうでなければみんなに心配をかける行動を起こしてまで来た意味がない。
「薬草は山の方にあるはず
着いていってやりたいけどそろそろわたしも家に帰らないとだしね…」
『≪場所だけ教えてください≫』
申し訳なさそうにする女にこれ以上迷惑をかけるわけにいかないと首を横に振る。
女が場所を説明しようと扉に手をかけた瞬間、それより先に反対側から扉が開けられた。
「んあ?こんな時間に客?」
扉を開けた先に立っていたのは若い男で、扉の前に立っている女と恋歌に驚いたように目を見開いている。
「あ!あんたいいところに帰ってきたね!!」
「は?」
「この子を”青年病”の薬草が取れる場所まで案内してやっておくれよ」
「え…今から…?」
女の言葉にものすごく嫌そうに眉間に皺を寄せた男だったが、女の勢いに負け渋々連れて行ってくれることになった。
「そうだ
この子は話せないみたいだから返事をしなくても怒るんじゃないよ」
「はぁ?めんどくせ…
いっ…ってぇな!!」
心底めんどくさそうに頭をかいた男だったが、女に背中を強く叩かれて怒られていた。
「この子は口は悪いけど悪い子じゃないんだ
気を付けて行っておいで」
「おい、さっさと行くぞ
じいちゃん、晩飯はしばらく待っててくれ」
最後まで優しい女に頭を下げて、待ってくれている男の背中を追いかけた。
「誰かいないかい!」
恋歌も続いて店の中に入ったが、見える場所には誰もおらず女が大声で店の奥に声をかければ、のそりと誰かがゆっくり出てきた。
「あの子は買い物かい?」
「…んあ?」
店の奥から出てきたのは腰の曲がった白髪の老人で、女が耳元で質問をしたが聞こえていなさそうで聞き返している。
「ふぅ…
お客さんだよ!!」
「…客?」
先ほどより大きな声で簡潔に伝えれば、女の後ろに立っている恋歌に視線を向けた。
「さっきの薬草の本見せた方が早いから見せてやりな」
そう女に言われ慌てて鞄から本を取り出し、必要な薬草が載ったページを老人に見せた。
「…これは、今切らしとったような…あー…1つだけなら、調薬したものが…あったような…」
がさごそと棚から薬包紙に包まれた粉薬を1つだけ恋歌の前に置いた。
「1つだけでいいのかい?」
『≪最低でも3つは必要なんです
3人が罹ってて…≫』
「じいさん!後2つ欲しいってさ!!」
女がもう一度大声で老人に話しかけてくれるが、別の棚をごそごそと探してくれるが、中身は入っていなかった。
「ふぅ…薬草がないみたいだね」
『(そんな…)
≪薬草、自分で取ってきます
どこに行けばありますか?≫』
薬草がないのであれば自分で取ってきて調薬をしてもらう他ない。
どうしても今日手に入れて、今日中には島を出発したい。
そうでなければみんなに心配をかける行動を起こしてまで来た意味がない。
「薬草は山の方にあるはず
着いていってやりたいけどそろそろわたしも家に帰らないとだしね…」
『≪場所だけ教えてください≫』
申し訳なさそうにする女にこれ以上迷惑をかけるわけにいかないと首を横に振る。
女が場所を説明しようと扉に手をかけた瞬間、それより先に反対側から扉が開けられた。
「んあ?こんな時間に客?」
扉を開けた先に立っていたのは若い男で、扉の前に立っている女と恋歌に驚いたように目を見開いている。
「あ!あんたいいところに帰ってきたね!!」
「は?」
「この子を”青年病”の薬草が取れる場所まで案内してやっておくれよ」
「え…今から…?」
女の言葉にものすごく嫌そうに眉間に皺を寄せた男だったが、女の勢いに負け渋々連れて行ってくれることになった。
「そうだ
この子は話せないみたいだから返事をしなくても怒るんじゃないよ」
「はぁ?めんどくせ…
いっ…ってぇな!!」
心底めんどくさそうに頭をかいた男だったが、女に背中を強く叩かれて怒られていた。
「この子は口は悪いけど悪い子じゃないんだ
気を付けて行っておいで」
「おい、さっさと行くぞ
じいちゃん、晩飯はしばらく待っててくれ」
最後まで優しい女に頭を下げて、待ってくれている男の背中を追いかけた。