風邪
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そして次の日の朝。
不寝番を交代で行い、朝食を準備してから恋歌がローの部屋に向かえば、昨夜と同じく息は荒く汗が流れた後がいくつもあった。
本当は一晩中でも傍にいて氷嚢を変えたりしたかったが、近寄るなと言われているためそれはできなかった。
完全にぬるくなった水になっている氷嚢を新しいものに変え、顔の汗を拭ってやるがローの目は開かない。
『(昨日より…辛い、ってことだよね)』
普段から眠りの浅いローが、人の気配に気づかないわけもなく、触れられているという事にすら気づかないというのは、それほど辛いという事。
『【あなたに穏やかな眠りを】』
気休めの簡単な魔法だが、少しだけ声に魔力を乗せて言葉を紡げば、僅かだが眉間のしわが減った気がした。
『…いってきます』
一度だけローの手に触れ、そっと部屋から出た。
シャチとペンギンにもローと同様の魔法を施してから食堂に戻り、水を飲んでから操縦室に入ればベポが浮上の準備を整えてくれていた。
「…いつでも浮上できるよ」
『ありがとう
じゃあ…お願い』
「うん」
ベポが操作をすれば船は簡単に浮上を始め、しばらくすると完全に海面に顔を出した。
2人で甲板に出れば空は快晴で、少し冷たい風が吹いている。
恋歌のかばんの中には必要な薬草の書かれた本に筆談をするノートとペンにお金、何かあった時の為に電伝虫を入れており、変装の為の眼鏡と帽子は魔方陣の中に入れた。
シリウスを肩に乗せ、箒を取り出せば見送りに出てきてくれたベポが心配そうな視線を向けてくる。
「ほ、ほんとに、気を付けてね…」
『うん
ベポも、何かあれば、すぐに連絡して
なるべく早く、戻って来る』
「…船の事はおれに任せてよ
恋歌が戻って来るまで、何とかする」
『…わかった』
お互いを信じぎゅ、っと抱きしめあってから離れて笑い合う。
箒に腰掛けた恋歌がふわりと浮かびあがり、島の方角を確認し魔方陣を発動させた。
『いってきます』
「うん、いってらっしゃい」
シリウスの助言で魔力調整をしながら箒に魔法をかけて最速で島に向けて箒を動かした。
「…あっという間に見えなくなっちゃった」
昔は浮かぶのすら長時間できなかった恋歌が、船で3日かかる場所まで飛んで行けるようになった。
それが恋歌の成長であることは確かだが、この状況を他の3人が知れば絶対に怒られる。
「でも…おれも、これが最善だって、信じてるよ」
もう見えなくなった恋歌の背中に、無事に帰ってこられるようにと祈り、恋歌の後を追いかけようと船を浮上させたまま動かす為に操縦室に戻った。
不寝番を交代で行い、朝食を準備してから恋歌がローの部屋に向かえば、昨夜と同じく息は荒く汗が流れた後がいくつもあった。
本当は一晩中でも傍にいて氷嚢を変えたりしたかったが、近寄るなと言われているためそれはできなかった。
完全にぬるくなった水になっている氷嚢を新しいものに変え、顔の汗を拭ってやるがローの目は開かない。
『(昨日より…辛い、ってことだよね)』
普段から眠りの浅いローが、人の気配に気づかないわけもなく、触れられているという事にすら気づかないというのは、それほど辛いという事。
『【あなたに穏やかな眠りを】』
気休めの簡単な魔法だが、少しだけ声に魔力を乗せて言葉を紡げば、僅かだが眉間のしわが減った気がした。
『…いってきます』
一度だけローの手に触れ、そっと部屋から出た。
シャチとペンギンにもローと同様の魔法を施してから食堂に戻り、水を飲んでから操縦室に入ればベポが浮上の準備を整えてくれていた。
「…いつでも浮上できるよ」
『ありがとう
じゃあ…お願い』
「うん」
ベポが操作をすれば船は簡単に浮上を始め、しばらくすると完全に海面に顔を出した。
2人で甲板に出れば空は快晴で、少し冷たい風が吹いている。
恋歌のかばんの中には必要な薬草の書かれた本に筆談をするノートとペンにお金、何かあった時の為に電伝虫を入れており、変装の為の眼鏡と帽子は魔方陣の中に入れた。
シリウスを肩に乗せ、箒を取り出せば見送りに出てきてくれたベポが心配そうな視線を向けてくる。
「ほ、ほんとに、気を付けてね…」
『うん
ベポも、何かあれば、すぐに連絡して
なるべく早く、戻って来る』
「…船の事はおれに任せてよ
恋歌が戻って来るまで、何とかする」
『…わかった』
お互いを信じぎゅ、っと抱きしめあってから離れて笑い合う。
箒に腰掛けた恋歌がふわりと浮かびあがり、島の方角を確認し魔方陣を発動させた。
『いってきます』
「うん、いってらっしゃい」
シリウスの助言で魔力調整をしながら箒に魔法をかけて最速で島に向けて箒を動かした。
「…あっという間に見えなくなっちゃった」
昔は浮かぶのすら長時間できなかった恋歌が、船で3日かかる場所まで飛んで行けるようになった。
それが恋歌の成長であることは確かだが、この状況を他の3人が知れば絶対に怒られる。
「でも…おれも、これが最善だって、信じてるよ」
もう見えなくなった恋歌の背中に、無事に帰ってこられるようにと祈り、恋歌の後を追いかけようと船を浮上させたまま動かす為に操縦室に戻った。