風邪
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シリウスに言われ操縦室に戻ってきた恋歌とベポは、警告灯が光っている画面を見て海藻が絡みついているであろうスクリューの場所を確認する。
「魔方陣の中に腕を入れたら、別の魔方陣から出せる魔法あったろ」
『うん』
助けて欲しい時にペンギンにメモを渡したり、全員で遊びに行った時にローからの攻撃をベポから守ったりした魔法でもあるが、”出せる”場所が自分自身の思ったところに出せない魔法。
「あれは正確には”転送魔法”だ
魔方陣を出す場所の指定が出来る様にすればいい」
『そんなこと、できるの?』
「意外と簡単だぞ
ベポ、スクリューの回転を止めろ」
「あ、うん」
シリウスが出来る、というのであればできるのだろうが、今のこのタイミングで可能なのかと不安になる。
だが、シリウスがベポに指示を出し、それに従って一度スクリューの回転を止めた。
それに伴い一時的に船が海中で静止した。
「完璧に止まったよ」
「よし、じゃあ恋歌
まず目を閉じて外からこの船の全体像を頭の中に思い浮かべろ」
『は、はい』
操縦室に置いてあるソファに座ってシリウスに言われたように目を閉じて頭の中でポーラータング号を思い浮かべる。
そのまま座標についてシリウスが淡々と語り、ポーラータング号を等分しろ等難しい事を言ってくるが、不思議と恋歌は理解でき自然と魔方陣を自分の目の前に出した。
「それでいい
そのまま手を入れれば、そこはスクリューの傍だ」
シリウスの言葉に促されるまま手を魔方陣に入れれば、ひんやりと冷たい感触と手が海水で濡れていく感覚に一度手を引いた。
『たしかに…簡単かも…』
「元々星の魔女は座標を捉える事に長けている
星々も座標があり、この世界を空間座標に置き換える事は無意識にやっている事だ」
『そういうこと、なんだ…』
一度理解してしまえば簡単だと、腕を捲ってもう一度魔方陣の中に手を入れると、肘まで魔方陣に吸い込まれた後指先に金属のモノが触れ、その周りにぬるぬるとしたものがある事がわかる。
『(これを引きちぎれば…)』
ぐっ、と手に力を入れるがかなり頑丈に絡まっているらしく、恋歌の力では引き千切れそうにない。
「それ、おれがやってもいいのか?」
「ああ、そのほうが早そうだ」
見かねたベポが代わってくれると言い、つなぎの袖を捲りとことこと近寄ってくる。
恋歌が魔方陣から手を出すと、腕についた海水が床にぽたりと落ちた。
「ほ、ほんとに海に繋がってるんだね」
おそるおそる魔方陣の中に手を入れたベポは、一瞬びく、と身体を震わせていたが、すぐに腕をそのまま伸ばし海藻を簡単に引き千切った。
画面を見れば警告灯は消えている。
「よかった
海に潜らなきゃいけないと思ってたから助かったよ」
『役に立って、よかった』
これで船を動かせると笑ったが、2人とも右腕だけが海水でびちゃびちゃに濡れており、先に腕を拭いてしまおうと近くにあるタオルに手を伸ばそうとした瞬間、こちらに足音が近づいてくるのに気づいた。
「魔方陣の中に腕を入れたら、別の魔方陣から出せる魔法あったろ」
『うん』
助けて欲しい時にペンギンにメモを渡したり、全員で遊びに行った時にローからの攻撃をベポから守ったりした魔法でもあるが、”出せる”場所が自分自身の思ったところに出せない魔法。
「あれは正確には”転送魔法”だ
魔方陣を出す場所の指定が出来る様にすればいい」
『そんなこと、できるの?』
「意外と簡単だぞ
ベポ、スクリューの回転を止めろ」
「あ、うん」
シリウスが出来る、というのであればできるのだろうが、今のこのタイミングで可能なのかと不安になる。
だが、シリウスがベポに指示を出し、それに従って一度スクリューの回転を止めた。
それに伴い一時的に船が海中で静止した。
「完璧に止まったよ」
「よし、じゃあ恋歌
まず目を閉じて外からこの船の全体像を頭の中に思い浮かべろ」
『は、はい』
操縦室に置いてあるソファに座ってシリウスに言われたように目を閉じて頭の中でポーラータング号を思い浮かべる。
そのまま座標についてシリウスが淡々と語り、ポーラータング号を等分しろ等難しい事を言ってくるが、不思議と恋歌は理解でき自然と魔方陣を自分の目の前に出した。
「それでいい
そのまま手を入れれば、そこはスクリューの傍だ」
シリウスの言葉に促されるまま手を魔方陣に入れれば、ひんやりと冷たい感触と手が海水で濡れていく感覚に一度手を引いた。
『たしかに…簡単かも…』
「元々星の魔女は座標を捉える事に長けている
星々も座標があり、この世界を空間座標に置き換える事は無意識にやっている事だ」
『そういうこと、なんだ…』
一度理解してしまえば簡単だと、腕を捲ってもう一度魔方陣の中に手を入れると、肘まで魔方陣に吸い込まれた後指先に金属のモノが触れ、その周りにぬるぬるとしたものがある事がわかる。
『(これを引きちぎれば…)』
ぐっ、と手に力を入れるがかなり頑丈に絡まっているらしく、恋歌の力では引き千切れそうにない。
「それ、おれがやってもいいのか?」
「ああ、そのほうが早そうだ」
見かねたベポが代わってくれると言い、つなぎの袖を捲りとことこと近寄ってくる。
恋歌が魔方陣から手を出すと、腕についた海水が床にぽたりと落ちた。
「ほ、ほんとに海に繋がってるんだね」
おそるおそる魔方陣の中に手を入れたベポは、一瞬びく、と身体を震わせていたが、すぐに腕をそのまま伸ばし海藻を簡単に引き千切った。
画面を見れば警告灯は消えている。
「よかった
海に潜らなきゃいけないと思ってたから助かったよ」
『役に立って、よかった』
これで船を動かせると笑ったが、2人とも右腕だけが海水でびちゃびちゃに濡れており、先に腕を拭いてしまおうと近くにあるタオルに手を伸ばそうとした瞬間、こちらに足音が近づいてくるのに気づいた。