風邪
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ペンギンが恋歌とベポにローからの伝言を伝えた後、ローは何とかして薬草がある島にたどり着くまでに治せないかと医学書を読み耽っていた。
シャチの身体をスキャンした時に身体の中にある今まで見た事のない”何か”が身体中にあった。
それは命を脅かすようなものではなく、風邪の菌と似たような形状をしていたが、ローがただの風邪ではないと判断したことには理由がある。
「(シャチの両腕にあった左右対称の痣…
あれはある島の特有の症例の書かれた医学書にあった痣と同じだった
これを治す方法はただ一つ…)」
今手元で広げている医学書にはシャチの症状を完治させる為に必要な薬草が載っている。
この薬草を手に入れる為にはここから数日かかる距離にある島に行かなければならない。
唯一の救いは青年の男のみ発症する為、恋歌とベポはおそらく発症しない事。
だが、ローとペンギンはすでに発症したシャチと接触してしまい、先ほど自分とペンギンの身体をスキャンしたとき、身体の中に菌は入り込んでいた。
ローの能力で可能な限り取り除いたが、既に発症しているシャチの事を治すためには島に行く必要がある。
「(次の島までおれたちが発症しなければいいが…)」
次の島まであと数日。
島に降りて薬草を取るためには島の様子によってはローかペンギンが行く必要がある。
こほ、と軽い咳が出た直後思わず舌打ちをしてしまったが、このままでは悪化するだけだと医学書を閉じて薬棚から薬を取り出した。
「(気休め程度だとしても飲むしかねぇな)」
シャチにも処方した薬を自分も飲み、ペンギンにも出してやろうと調薬をするために薬草を机に並べていると軽いノック音が聞こえて顔を上げた。
「誰だ」
『わ、わたし…』
ひょこ、と顔だけを出した恋歌に、わざわざペンギンに近づくなと伝言させた意味がなかったかと小さくため息をついた。
「ペンギンからおれに近づくなと言われなかったか?」
『言われた…けど…』
「なら出ていけ」
自分の診断に間違いがあるとも思っていないが、万が一、ということもある。
恋歌に出ていくように促すが、素直に出ていく気はないらしく、ローから力づくで追い出されないうちに素早く部屋の中に入って扉を閉めた。
「おい」
『ご飯…!』
「…は?」
言葉で出て行かないのであれば能力で無理やり外に出そうと手を持ち上げた瞬間、いつもの恋歌では考えられないほど大きな声を出された。
『ご飯…とか…食べないと、いけないし…
わたしと、ベポは罹らない、なら…みんなの看病、するから…』
「……」
『島についたら、薬草も、ちゃんと取ってくる
だから…わたしとベポに、頼って…』
いつも最年少組の恋歌とベポの事を気遣ってくれる他の3人が、病気になってしまったのなら、今だけでも頼ってほしいと言えば、もう一度ため息をついて椅子に深く腰掛け、机の上に置いていた薬を恋歌に差し出した。
「…1日3回、食後にあいつらに飲ませろ
あと1日1回はおれの部屋に来させろ
歩けねぇぐらい症状が悪化すればすぐにおれに言え、いいな?」
『う、うん!!』
一瞬ローの言葉の意味が理解できなかった恋歌は、ぽかんとした顔を浮かべていたが、すぐに嬉しそうに笑ってローの手から薬を受け取って部屋から飛び出していった。
「(ったく…あの頑固さはいつも厄介だ…)」
魔女の特性なのか恋歌の性格なのかはわからないが、頑固なところは昔から厄介だったなと緩む口元を隠す事はせず、薬のストックを作っておこうと、先ほど机に置いた薬草を手に取った。
シャチの身体をスキャンした時に身体の中にある今まで見た事のない”何か”が身体中にあった。
それは命を脅かすようなものではなく、風邪の菌と似たような形状をしていたが、ローがただの風邪ではないと判断したことには理由がある。
「(シャチの両腕にあった左右対称の痣…
あれはある島の特有の症例の書かれた医学書にあった痣と同じだった
これを治す方法はただ一つ…)」
今手元で広げている医学書にはシャチの症状を完治させる為に必要な薬草が載っている。
この薬草を手に入れる為にはここから数日かかる距離にある島に行かなければならない。
唯一の救いは青年の男のみ発症する為、恋歌とベポはおそらく発症しない事。
だが、ローとペンギンはすでに発症したシャチと接触してしまい、先ほど自分とペンギンの身体をスキャンしたとき、身体の中に菌は入り込んでいた。
ローの能力で可能な限り取り除いたが、既に発症しているシャチの事を治すためには島に行く必要がある。
「(次の島までおれたちが発症しなければいいが…)」
次の島まであと数日。
島に降りて薬草を取るためには島の様子によってはローかペンギンが行く必要がある。
こほ、と軽い咳が出た直後思わず舌打ちをしてしまったが、このままでは悪化するだけだと医学書を閉じて薬棚から薬を取り出した。
「(気休め程度だとしても飲むしかねぇな)」
シャチにも処方した薬を自分も飲み、ペンギンにも出してやろうと調薬をするために薬草を机に並べていると軽いノック音が聞こえて顔を上げた。
「誰だ」
『わ、わたし…』
ひょこ、と顔だけを出した恋歌に、わざわざペンギンに近づくなと伝言させた意味がなかったかと小さくため息をついた。
「ペンギンからおれに近づくなと言われなかったか?」
『言われた…けど…』
「なら出ていけ」
自分の診断に間違いがあるとも思っていないが、万が一、ということもある。
恋歌に出ていくように促すが、素直に出ていく気はないらしく、ローから力づくで追い出されないうちに素早く部屋の中に入って扉を閉めた。
「おい」
『ご飯…!』
「…は?」
言葉で出て行かないのであれば能力で無理やり外に出そうと手を持ち上げた瞬間、いつもの恋歌では考えられないほど大きな声を出された。
『ご飯…とか…食べないと、いけないし…
わたしと、ベポは罹らない、なら…みんなの看病、するから…』
「……」
『島についたら、薬草も、ちゃんと取ってくる
だから…わたしとベポに、頼って…』
いつも最年少組の恋歌とベポの事を気遣ってくれる他の3人が、病気になってしまったのなら、今だけでも頼ってほしいと言えば、もう一度ため息をついて椅子に深く腰掛け、机の上に置いていた薬を恋歌に差し出した。
「…1日3回、食後にあいつらに飲ませろ
あと1日1回はおれの部屋に来させろ
歩けねぇぐらい症状が悪化すればすぐにおれに言え、いいな?」
『う、うん!!』
一瞬ローの言葉の意味が理解できなかった恋歌は、ぽかんとした顔を浮かべていたが、すぐに嬉しそうに笑ってローの手から薬を受け取って部屋から飛び出していった。
「(ったく…あの頑固さはいつも厄介だ…)」
魔女の特性なのか恋歌の性格なのかはわからないが、頑固なところは昔から厄介だったなと緩む口元を隠す事はせず、薬のストックを作っておこうと、先ほど机に置いた薬草を手に取った。