出会いから出航まで
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コンテストは昼一番から始まる。
最初は容姿で選ばれる為、エントリーをしていれば誰でも出られる。
今はもう少しでコンテストが始まる時間なので、控室で時間を待っているところ。
「ふふっ、今年は大した女がいないから楽勝よね!」
「はぁ…」
ローはコンテストのルール上、一日中傍にいなければいけないが、昼時にはもうすでに体力が底を尽きはじめている。
朝から腕にまとわりつかれ歩きにくく、持ちたくもないふりふりのかばんを持たされ、挙句の果てにその姿をベポ達に見られ笑われた。
楽しそうにしている4人を見て、自分もその中に戻りたいと思った。
「(今日の恋歌は…髪型が違ったな…)」
クロエが必死に何かを話しているが、あまり耳に入らず、生返事を返す。
「え!?いいの!?」
「は?」
ぼーっと先ほど見た恋歌の事を思い出していると、クロエがいきなり顔を真っ赤にして立ち上がった。
話を全く聞いていなかったローは、何に驚いているのかわからず間抜けな声を出した。
「よーし、絶対優勝するわ!」
「(まぁいいか)」
今日一日我慢すれば、恋歌も約束の日数が終わって家に帰ってくる。
いつも通りの日常が帰ってくるんだと、それを糧に耐える事にした。
「(そういやおれの今日の運勢はいい方だったか…)」
恋歌の占いを疑っているわけではないが、今のところそれが当たる気配はない。
「ローさん」
「ベポ…?」
控室の入り口が騒がしくなったのは気づいていたが、興味のないローは上の空だったのだが、ぬっと目の前に現れた見慣れた白クマに意識を戻された。
「お前なんでここに?」
今ローがいる場所はコンテストに出る女と、そのパートナーの男しか入れない控室。
「あれ?」
きょろきょろとあたりを見渡して、入り口で視線を止めると、慌てたように走って行った。
「ごめんよ!置いていちゃってた!」
控室の外で人に囲まれているらしく、ベポが人ごみをかき分けて囲まれている人物を助け出す。
「恋歌…?」
「ごめんよ、大丈夫?」
ベポが人ごみから助けるように抱えて帰ってきたのは、恋歌だった。
「お前…なんで…ていうか…」
ローの前に恋歌を下ろしたが、ローはぽかんとした顔で、照れくさそうにしている恋歌を見つめる。
≪変…かな?≫
不安そうに聞いてくる恋歌に、言葉がでなかったのでゆっくりと首を横に振る。
恋歌は髪型は先ほど見たアップスタイルで、服装もいつも通り。
しかし、化粧を施された顔はいつもより可愛らしく、艶々の唇に思わず顔を寄せてしまいそうになった。
「綺麗だろ?シャチがやってくれたんだ!」
「ああ…」
なぜか得意そうなベポにローは肯定の返事を返し、恋歌に触れようと手を伸ばした。
「あら、あんたも出る気になったのね」
だが、その手をクロエが掴んだため、ローは恋歌に触れる事ができなかった。
クロエには先ほどノートを飛ばされたので、頷きで返すと、ずいっと顔を近づけてきた。
「あたしが言った事気にしてんだ
まぁあんたはそこそこお綺麗な顔してるし、この脂肪だってあるから予選は突破できるでしょうね」
『(いたっ…)』
また胸を鷲掴みにされ、今度は握りつぶすような強さで力を入れてくる。
「やめろよ!」
恋歌をクロエから遠ざけ、ベポが抱えるようにしてクロエに威嚇する。
「ふん、こんなところまで小汚い白クマを連れてくるなんてね
でもね、あんたたちにどんなつながりがあろうと今日一日ロー先生はあたしのパートナー
近寄らないでくれる?」
「おい、お前…こいつらの事それ以上悪く言うならおれは今日の役をおりる」
それは困ると思ったクロエは、それ以上何も言うことなくローの腕を引いて恋歌から離れた。
「大丈夫か?痛くない?」
≪うん、大丈夫≫
心配してくれるベポに大丈夫だと返し、近くの椅子に座らせてくれた。
「おれ、ペンギンとシャチにも恋歌を頼むって言われてたのに…」
しょんぼりしているベポを慰めるように頭を撫でてやると、へへっと嬉しそうに笑ってくれた。
最初は容姿で選ばれる為、エントリーをしていれば誰でも出られる。
今はもう少しでコンテストが始まる時間なので、控室で時間を待っているところ。
「ふふっ、今年は大した女がいないから楽勝よね!」
「はぁ…」
ローはコンテストのルール上、一日中傍にいなければいけないが、昼時にはもうすでに体力が底を尽きはじめている。
朝から腕にまとわりつかれ歩きにくく、持ちたくもないふりふりのかばんを持たされ、挙句の果てにその姿をベポ達に見られ笑われた。
楽しそうにしている4人を見て、自分もその中に戻りたいと思った。
「(今日の恋歌は…髪型が違ったな…)」
クロエが必死に何かを話しているが、あまり耳に入らず、生返事を返す。
「え!?いいの!?」
「は?」
ぼーっと先ほど見た恋歌の事を思い出していると、クロエがいきなり顔を真っ赤にして立ち上がった。
話を全く聞いていなかったローは、何に驚いているのかわからず間抜けな声を出した。
「よーし、絶対優勝するわ!」
「(まぁいいか)」
今日一日我慢すれば、恋歌も約束の日数が終わって家に帰ってくる。
いつも通りの日常が帰ってくるんだと、それを糧に耐える事にした。
「(そういやおれの今日の運勢はいい方だったか…)」
恋歌の占いを疑っているわけではないが、今のところそれが当たる気配はない。
「ローさん」
「ベポ…?」
控室の入り口が騒がしくなったのは気づいていたが、興味のないローは上の空だったのだが、ぬっと目の前に現れた見慣れた白クマに意識を戻された。
「お前なんでここに?」
今ローがいる場所はコンテストに出る女と、そのパートナーの男しか入れない控室。
「あれ?」
きょろきょろとあたりを見渡して、入り口で視線を止めると、慌てたように走って行った。
「ごめんよ!置いていちゃってた!」
控室の外で人に囲まれているらしく、ベポが人ごみをかき分けて囲まれている人物を助け出す。
「恋歌…?」
「ごめんよ、大丈夫?」
ベポが人ごみから助けるように抱えて帰ってきたのは、恋歌だった。
「お前…なんで…ていうか…」
ローの前に恋歌を下ろしたが、ローはぽかんとした顔で、照れくさそうにしている恋歌を見つめる。
≪変…かな?≫
不安そうに聞いてくる恋歌に、言葉がでなかったのでゆっくりと首を横に振る。
恋歌は髪型は先ほど見たアップスタイルで、服装もいつも通り。
しかし、化粧を施された顔はいつもより可愛らしく、艶々の唇に思わず顔を寄せてしまいそうになった。
「綺麗だろ?シャチがやってくれたんだ!」
「ああ…」
なぜか得意そうなベポにローは肯定の返事を返し、恋歌に触れようと手を伸ばした。
「あら、あんたも出る気になったのね」
だが、その手をクロエが掴んだため、ローは恋歌に触れる事ができなかった。
クロエには先ほどノートを飛ばされたので、頷きで返すと、ずいっと顔を近づけてきた。
「あたしが言った事気にしてんだ
まぁあんたはそこそこお綺麗な顔してるし、この脂肪だってあるから予選は突破できるでしょうね」
『(いたっ…)』
また胸を鷲掴みにされ、今度は握りつぶすような強さで力を入れてくる。
「やめろよ!」
恋歌をクロエから遠ざけ、ベポが抱えるようにしてクロエに威嚇する。
「ふん、こんなところまで小汚い白クマを連れてくるなんてね
でもね、あんたたちにどんなつながりがあろうと今日一日ロー先生はあたしのパートナー
近寄らないでくれる?」
「おい、お前…こいつらの事それ以上悪く言うならおれは今日の役をおりる」
それは困ると思ったクロエは、それ以上何も言うことなくローの腕を引いて恋歌から離れた。
「大丈夫か?痛くない?」
≪うん、大丈夫≫
心配してくれるベポに大丈夫だと返し、近くの椅子に座らせてくれた。
「おれ、ペンギンとシャチにも恋歌を頼むって言われてたのに…」
しょんぼりしているベポを慰めるように頭を撫でてやると、へへっと嬉しそうに笑ってくれた。