小さな友情
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
船に戻ってからしばらくはしんみりとした空気が流れていたが、わかっていた別れの為各々しなければいけない作業に取り掛かる事で気分を紛らわせていた。
町で買い出しを済ませ、滞在する理由もない島なので、準備が整った直後すぐに出航をした。
「…なんだ、あいつらのこと気にしてんのか?」
別れた日の夜、いつも通り魔力共有の為にローの部屋に来ていた恋歌の元気がない事にローが気づかないわけもなく、供給を終わらせてから膝の上に乗せてやれば、とん、と胸に頭を預けてくる。
『そりゃ…気になるよ
でも…悪い気配も、なかったし…街の雰囲気も、悪くなかった…
だから、大丈夫だって、信じてる』
「そうだな」
さらさらの髪に指を通しながら頭を撫でてやると、顔を上げて首の後ろに手を回し、ぎゅっと抱き着いてきた。
『シリウスが、わたしより、落ち込んでるんだよね…』
「…まぁ、駄犬が一番あいつらのこと気にしてたからな
おにぎりの奴も駄犬に懐いてたみてぇだしな」
『うん…
シリウスは、長い長い時を、生きてきてる
だから、おにぎりみたいに、小さな子は、気になるみたい』
シリウスは見た目は子犬だが、知識量や生きてきた年数は普通の人間とは比べ物にならず、人間の言葉も理解できる。
だからこそ1人になったとしても、何とか生きていく事が出来るだろう。
だが、おにぎりはただの子犬であり、カニスがいなくなれば生きていけるかどうか怪しい。
現に出会った島ではシリウスに出会わなければ、カニスも助け出す事は出来ず、そのうち死んでいただろう。
「駄犬が特殊なだけで普通の動物はあいつらのように生きてる
あの島は平和そうだった
大丈夫だって、おれたちだけでも信じてやればいい」
『うん…そうだね』
すり、と頬をすり寄せれば、ぽん、と背中を叩かれて抱き上げられた。
「寝るぞ」
『うん』
ぽすん、とベッドに下ろされローも横に寝転び布団をかぶる。
『おやすみ』
「ああ、おやすみ」
擦り寄ってくる恋歌の背中を撫でてやれば、数分後には規則正しい寝息が聞こえはじめ、背中を撫でる手を止めた。
「…お前、ベポのところで寝てんじゃねぇのか」
「おれがどこで寝ようとお前には関係のない事だ」
とん、と軽い音を立てて恋歌の横に昇ってきたシリウスは、ローの言葉に小声で返すとそのままくるんと丸まって目を閉じる。
恋歌はシリウスが着いてきている事に気づいていなかったが、恋歌がこの部屋に入ってきた時からシリウスはこの部屋にいた。
ローはそのことに気づいていたが特に何も言う事はなかった。
「お前がしんみりした雰囲気を出してると、恋歌もベポも気にする
さっさとその陰気くせぇ顔止めろ」
「……」
ローなりの慰めの言葉ではあるが、言葉も強く素直に受け取るつもりもないシリウスは、返事をすることなく眠りについた。
町で買い出しを済ませ、滞在する理由もない島なので、準備が整った直後すぐに出航をした。
「…なんだ、あいつらのこと気にしてんのか?」
別れた日の夜、いつも通り魔力共有の為にローの部屋に来ていた恋歌の元気がない事にローが気づかないわけもなく、供給を終わらせてから膝の上に乗せてやれば、とん、と胸に頭を預けてくる。
『そりゃ…気になるよ
でも…悪い気配も、なかったし…街の雰囲気も、悪くなかった…
だから、大丈夫だって、信じてる』
「そうだな」
さらさらの髪に指を通しながら頭を撫でてやると、顔を上げて首の後ろに手を回し、ぎゅっと抱き着いてきた。
『シリウスが、わたしより、落ち込んでるんだよね…』
「…まぁ、駄犬が一番あいつらのこと気にしてたからな
おにぎりの奴も駄犬に懐いてたみてぇだしな」
『うん…
シリウスは、長い長い時を、生きてきてる
だから、おにぎりみたいに、小さな子は、気になるみたい』
シリウスは見た目は子犬だが、知識量や生きてきた年数は普通の人間とは比べ物にならず、人間の言葉も理解できる。
だからこそ1人になったとしても、何とか生きていく事が出来るだろう。
だが、おにぎりはただの子犬であり、カニスがいなくなれば生きていけるかどうか怪しい。
現に出会った島ではシリウスに出会わなければ、カニスも助け出す事は出来ず、そのうち死んでいただろう。
「駄犬が特殊なだけで普通の動物はあいつらのように生きてる
あの島は平和そうだった
大丈夫だって、おれたちだけでも信じてやればいい」
『うん…そうだね』
すり、と頬をすり寄せれば、ぽん、と背中を叩かれて抱き上げられた。
「寝るぞ」
『うん』
ぽすん、とベッドに下ろされローも横に寝転び布団をかぶる。
『おやすみ』
「ああ、おやすみ」
擦り寄ってくる恋歌の背中を撫でてやれば、数分後には規則正しい寝息が聞こえはじめ、背中を撫でる手を止めた。
「…お前、ベポのところで寝てんじゃねぇのか」
「おれがどこで寝ようとお前には関係のない事だ」
とん、と軽い音を立てて恋歌の横に昇ってきたシリウスは、ローの言葉に小声で返すとそのままくるんと丸まって目を閉じる。
恋歌はシリウスが着いてきている事に気づいていなかったが、恋歌がこの部屋に入ってきた時からシリウスはこの部屋にいた。
ローはそのことに気づいていたが特に何も言う事はなかった。
「お前がしんみりした雰囲気を出してると、恋歌もベポも気にする
さっさとその陰気くせぇ顔止めろ」
「……」
ローなりの慰めの言葉ではあるが、言葉も強く素直に受け取るつもりもないシリウスは、返事をすることなく眠りについた。