小さな友情
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そして海上の航海で何のトラブルもなく、ついに次の島に到着した。
「見た目的には…平和そうな島だな…」
「だな…」
人気の少ない海岸に船を停め、こっそりと島の様子を伺えば、悪意とは無縁そうな住民たちが買い物を楽しんでいる。
「どう思う?」
『わたしは…良い島、だと思う』
島に変な気配もなく、隠れて住めそうな森もある。
森の中にも獰猛そうな動物は見当たらず、木の実等も生っておりこれ以上ない環境のような気がしてきた。
「あとはこいつらが気に入るかだ」
全員で島の状況確認に出てきており、ローが黙ってついてきているカニスに視線を合わせる。
人間の言葉は理解できていないだろうが、状況は理解できているらしく足元にいるおにぎりを見た後、ぐるりと森を見渡した。
「…ここが、いいって」
見渡した後にぐり、とベポのお腹に花を擦り付けてきたカニスの行動に、この島で別れなければいけないことが決定した。
「じゃあ…なにか食いもんでも…
わっ…」
餞別になるかもわからないが、なにか船内にある食べ物でもとペンギンが取りに行こうとしたが、カニスにつなぎの襟を咥えられ動くことができなくなった。
「…いらない、ってことか?」
ぷらーんとぶら下がっているペンギンが、カニスの行動の意図をくみ取ると、それが正解というかのようにそっとペンギンをおろした。
「もう自分たちだけで生きていくってことだろ」
「「「……」」」
カニスの行動の意味は言葉が通じなくとも全員が理解したが、そうなってしまうと寂しいものがある。
出会ってからたったの数日。
だが、一緒に過ごした日々はしっかりと記憶に残っている。
「…わん?」
唯一現状を理解していないおにぎりが、不安そうにハートの海賊団とカニスを交互に見つめている。
「元気でな」
「もう変な奴に捕まるんじゃねぇぞ」
シャチとペンギンにぽん、と頭を撫でられ、いつもであれば嬉しそうに尻尾を振っていたが、悲しそうな雰囲気におにぎりは何かを感じ取ったのか素直に喜ぶことができない。
優しい大きな手が離れ、次はふわふわの温かい手がおにぎりの頭を撫でた。
「寂しいけど…元気でね」
「…くーん」
ベポの悲しそうな表情に”別れ”を感じ取ったおにぎりは、瞳に涙を溜め悲しそうな声を出す。
『あなたたちが、これから、幸せであるように、祈ってるからね』
カニスと額を合わせすり、と頬をすり寄せた恋歌は、足元にいるおにぎりを抱き上げてやる。
『元気でね』
「……そいつに迷惑をかけるなよ
お前は…考えなしに突っ走るからな」
恋歌の肩に乗っていたシリウスは、いつも自分がやられていたようにおにぎりの頬をむに、とつついて、呆れたように笑った。
シリウスに頬を突かれた瞬間、ぼろ、とおにぎりの目から涙が零れ、ひょいとおにぎりがカニスに咥えられて恋歌から離された。
「…達者でな」
「…わん!」
シリウスの言葉に応えるように、おにぎりが尻尾を振って吠えて返した。
それを最後にカニスがぺこりと頭を一度下げ、振り返り森の中へ足を進めていく。
もうそれきり振り返る事はなかったが、カニスの大きな後ろ姿が見えなくなるまで見送ってから船に戻った。
「見た目的には…平和そうな島だな…」
「だな…」
人気の少ない海岸に船を停め、こっそりと島の様子を伺えば、悪意とは無縁そうな住民たちが買い物を楽しんでいる。
「どう思う?」
『わたしは…良い島、だと思う』
島に変な気配もなく、隠れて住めそうな森もある。
森の中にも獰猛そうな動物は見当たらず、木の実等も生っておりこれ以上ない環境のような気がしてきた。
「あとはこいつらが気に入るかだ」
全員で島の状況確認に出てきており、ローが黙ってついてきているカニスに視線を合わせる。
人間の言葉は理解できていないだろうが、状況は理解できているらしく足元にいるおにぎりを見た後、ぐるりと森を見渡した。
「…ここが、いいって」
見渡した後にぐり、とベポのお腹に花を擦り付けてきたカニスの行動に、この島で別れなければいけないことが決定した。
「じゃあ…なにか食いもんでも…
わっ…」
餞別になるかもわからないが、なにか船内にある食べ物でもとペンギンが取りに行こうとしたが、カニスにつなぎの襟を咥えられ動くことができなくなった。
「…いらない、ってことか?」
ぷらーんとぶら下がっているペンギンが、カニスの行動の意図をくみ取ると、それが正解というかのようにそっとペンギンをおろした。
「もう自分たちだけで生きていくってことだろ」
「「「……」」」
カニスの行動の意味は言葉が通じなくとも全員が理解したが、そうなってしまうと寂しいものがある。
出会ってからたったの数日。
だが、一緒に過ごした日々はしっかりと記憶に残っている。
「…わん?」
唯一現状を理解していないおにぎりが、不安そうにハートの海賊団とカニスを交互に見つめている。
「元気でな」
「もう変な奴に捕まるんじゃねぇぞ」
シャチとペンギンにぽん、と頭を撫でられ、いつもであれば嬉しそうに尻尾を振っていたが、悲しそうな雰囲気におにぎりは何かを感じ取ったのか素直に喜ぶことができない。
優しい大きな手が離れ、次はふわふわの温かい手がおにぎりの頭を撫でた。
「寂しいけど…元気でね」
「…くーん」
ベポの悲しそうな表情に”別れ”を感じ取ったおにぎりは、瞳に涙を溜め悲しそうな声を出す。
『あなたたちが、これから、幸せであるように、祈ってるからね』
カニスと額を合わせすり、と頬をすり寄せた恋歌は、足元にいるおにぎりを抱き上げてやる。
『元気でね』
「……そいつに迷惑をかけるなよ
お前は…考えなしに突っ走るからな」
恋歌の肩に乗っていたシリウスは、いつも自分がやられていたようにおにぎりの頬をむに、とつついて、呆れたように笑った。
シリウスに頬を突かれた瞬間、ぼろ、とおにぎりの目から涙が零れ、ひょいとおにぎりがカニスに咥えられて恋歌から離された。
「…達者でな」
「…わん!」
シリウスの言葉に応えるように、おにぎりが尻尾を振って吠えて返した。
それを最後にカニスがぺこりと頭を一度下げ、振り返り森の中へ足を進めていく。
もうそれきり振り返る事はなかったが、カニスの大きな後ろ姿が見えなくなるまで見送ってから船に戻った。