小さな友情
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しばらく黙って話を聞いていたシリウスは、ローの話を聞き終え無意識に止めていた息をはいた。
「ただ、この話で1つ疑問に思う事がある
昔この話を恋歌から聞いた時、村の長と母親の目が青かった、という話は出なかった」
島にいたときに恋歌の過去の話を聞いた時、歴代最高と呼ばれるほどの星の魔女も、母親も瞳の色が青だったという話は出ず、星の魔女は銀の髪に黒の瞳だと言っていたのはシリウスに出会う前から。
「これはおれの想像でしかないが、母親の方も村の長も…瞳を隠してたんだと思う
特に村の長の方は歴代最高と言われていたのであれば、その瞳は絶対に青かったはずだ
それを恋歌が知らなかったということは…隠していたとしか考えられない」
「隠すのは…魔女以外の人間たちから逃げるためか」
星の魔女が魔女の中で奴隷としての価値が一番高く、先日ランから聞いた話だと世界で最も美しい声と評される声になると聞いた。
母親も村の長も魔力のコントロールは完璧に出来ていたと聞いていたので、そのあたりは狙われないように何かしていたのではないかとローも頭の中で仮説をたてた。
「おそらくそうだろうな
恋歌は簡単に言ってのけるが、星の魔女が完全に魔力をコントロールすることは難しい
普通に話すだけで声には魔力が宿り、容姿にも他の魔女より魔力が宿っているからな
話を聞く限りではその2人はかなりの星魔法の使い手だったはず
そんな2人だったなら村の人間や他の魔女を守るために、魔法で目の色を変えていたとしても不思議じゃない」
「……なるほどな」
魔女たちは何も悪くないのに隠れて過ごさなければならず、美しすぎる容姿は隠している方が都合が良かったのだろう。
「ただ…まぁ…目を、盗られていたということは…おそらく魔法が最後に解けたんだろうな…」
ちらりと恋歌を見てまだ眠っている事を確認してからシリウスがたどり着いた結論を口にすると、ローも納得したように何かを考えるように目を閉じた。
「今後瞳の色が変わって…それを隠すかどうかは恋歌次第だ
お前も恋歌の傍にいる事を選んだなら、恋歌の”自由”を…守ってやれよ」
「……」
今ですら素顔でいられる場所が限られている恋歌が、遠くない未来さらにその場所が限られてしまう。
シリウスの言葉にローは何も返さなかったが、眠り続ける恋歌の頭を撫でてやった。
「恋歌について他におれに教えてもいいと、お前が判断した事があればすぐに言え
いい加減、おれも…おれたちも、覚悟を決める」
「??
ああ、わかった」
一体今さら何の覚悟を決める必要があるのかと、シリウスが首を傾げるが、恋歌の頭をしばらく撫でた後、1人で部屋から出て行ってしまった。
「お前の選んだ男は変な奴だな…」
『…優しい、良い人だよ』
「…ふん」
途中から恋歌が起きていたことに気づいていたのはシリウスだけで、瞳を盗まれた時の話をしたときにシリウスが言葉を選んだのは恋歌の意識があるのをわかっていたから。
ローが気づかなかったのは、おそらく動揺していたからで、いろんな情報が一度に頭に入ったからだろう。
いつもであれば恋歌の狸寝入りがバレないはずがない。
「知らなかったんだな、目の色が変わる事」
『うん…
大きくなったら、教えてくれる、つもりだったかも、知れないけどね』
幼い時に周りの大人が一斉にいなくなった恋歌は、通常は大人になる過程で親や周りに教えてもらう魔女の事を知らない。
完璧に魔力がコントロールできるまで声を出さずにいるように、という事や魔法の使い方は教わっていたが、それ以上の事は教わっておらず、スワロー島で商船から見つかった魔女の本や、立ち寄った島で撃っている本、母親の手紙から得た知識、シリウスから得た知識がほとんど。
「今はおれがいる」
『うん、シリウスがいてくれて、よかった』
横でくるん、と丸まったシリウスの背中を撫でてやれば、甘えるように頬に頭を寄せてくる。
『星に認められるって、簡単な事じゃ、ないね』
「まぁな…
それでも…やるんだろ」
『そうだね
わたしは…すべての星に、認められるって、決めたから』
「ああ、そうだな」
シリウスも寝ようとしているらしく、擦り寄ったまま目を閉じたので、恋歌ももう一度目を閉じて、シリウスの方に擦り寄った。
「ただ、この話で1つ疑問に思う事がある
昔この話を恋歌から聞いた時、村の長と母親の目が青かった、という話は出なかった」
島にいたときに恋歌の過去の話を聞いた時、歴代最高と呼ばれるほどの星の魔女も、母親も瞳の色が青だったという話は出ず、星の魔女は銀の髪に黒の瞳だと言っていたのはシリウスに出会う前から。
「これはおれの想像でしかないが、母親の方も村の長も…瞳を隠してたんだと思う
特に村の長の方は歴代最高と言われていたのであれば、その瞳は絶対に青かったはずだ
それを恋歌が知らなかったということは…隠していたとしか考えられない」
「隠すのは…魔女以外の人間たちから逃げるためか」
星の魔女が魔女の中で奴隷としての価値が一番高く、先日ランから聞いた話だと世界で最も美しい声と評される声になると聞いた。
母親も村の長も魔力のコントロールは完璧に出来ていたと聞いていたので、そのあたりは狙われないように何かしていたのではないかとローも頭の中で仮説をたてた。
「おそらくそうだろうな
恋歌は簡単に言ってのけるが、星の魔女が完全に魔力をコントロールすることは難しい
普通に話すだけで声には魔力が宿り、容姿にも他の魔女より魔力が宿っているからな
話を聞く限りではその2人はかなりの星魔法の使い手だったはず
そんな2人だったなら村の人間や他の魔女を守るために、魔法で目の色を変えていたとしても不思議じゃない」
「……なるほどな」
魔女たちは何も悪くないのに隠れて過ごさなければならず、美しすぎる容姿は隠している方が都合が良かったのだろう。
「ただ…まぁ…目を、盗られていたということは…おそらく魔法が最後に解けたんだろうな…」
ちらりと恋歌を見てまだ眠っている事を確認してからシリウスがたどり着いた結論を口にすると、ローも納得したように何かを考えるように目を閉じた。
「今後瞳の色が変わって…それを隠すかどうかは恋歌次第だ
お前も恋歌の傍にいる事を選んだなら、恋歌の”自由”を…守ってやれよ」
「……」
今ですら素顔でいられる場所が限られている恋歌が、遠くない未来さらにその場所が限られてしまう。
シリウスの言葉にローは何も返さなかったが、眠り続ける恋歌の頭を撫でてやった。
「恋歌について他におれに教えてもいいと、お前が判断した事があればすぐに言え
いい加減、おれも…おれたちも、覚悟を決める」
「??
ああ、わかった」
一体今さら何の覚悟を決める必要があるのかと、シリウスが首を傾げるが、恋歌の頭をしばらく撫でた後、1人で部屋から出て行ってしまった。
「お前の選んだ男は変な奴だな…」
『…優しい、良い人だよ』
「…ふん」
途中から恋歌が起きていたことに気づいていたのはシリウスだけで、瞳を盗まれた時の話をしたときにシリウスが言葉を選んだのは恋歌の意識があるのをわかっていたから。
ローが気づかなかったのは、おそらく動揺していたからで、いろんな情報が一度に頭に入ったからだろう。
いつもであれば恋歌の狸寝入りがバレないはずがない。
「知らなかったんだな、目の色が変わる事」
『うん…
大きくなったら、教えてくれる、つもりだったかも、知れないけどね』
幼い時に周りの大人が一斉にいなくなった恋歌は、通常は大人になる過程で親や周りに教えてもらう魔女の事を知らない。
完璧に魔力がコントロールできるまで声を出さずにいるように、という事や魔法の使い方は教わっていたが、それ以上の事は教わっておらず、スワロー島で商船から見つかった魔女の本や、立ち寄った島で撃っている本、母親の手紙から得た知識、シリウスから得た知識がほとんど。
「今はおれがいる」
『うん、シリウスがいてくれて、よかった』
横でくるん、と丸まったシリウスの背中を撫でてやれば、甘えるように頬に頭を寄せてくる。
『星に認められるって、簡単な事じゃ、ないね』
「まぁな…
それでも…やるんだろ」
『そうだね
わたしは…すべての星に、認められるって、決めたから』
「ああ、そうだな」
シリウスも寝ようとしているらしく、擦り寄ったまま目を閉じたので、恋歌ももう一度目を閉じて、シリウスの方に擦り寄った。