出会いから出航まで
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昼休憩の時間が終わり、本屋に戻ってきてもローの眉間のしわは深く刻まれたままだった。
「なんともまぁ厄介な子に好かれたもんだね」
昼休憩の間に何があったのかと店主に聞かれたので、詳細を説明すると恋歌に紅茶をかけた子かと、ローに憐れむような視線を向けた。
「あ、そうだ恋歌ちゃん」
『(?)』
自分がバイトとして本屋に足止めをしてしまったことで、昼休憩のときにクロエと鉢合わせしてしまったのかと、少し罪悪感はあるらしく、恋歌を呼んで耳打ちをする。
「はい、じゃあ今日もお疲れ様でした
ローくんもありがとうね
これ、報酬の本」
「どうも」
本屋の閉店時間になり、今日のバイトの報酬として、ローが買う予定だった医学書を渡した。
「さて、と恋歌ちゃん後はお願いね」
ちゃり、と恋歌の手に本屋の鍵を渡し、店主はまた明日と帰って行った。
「店の戸締りはいつも恋歌がやってんのか?」
そそくさと帰って行った店主の行動に疑問を持ったが、恋歌も慌てることなく鍵を受け取っていたので、これが通常なのかと聞いたが、恋歌は首を横に振った。
≪店長が言うには特別報酬だって≫
「は?」
ぐいぐいと背中を押してローを押し込んだのは更衣室。
医学書を机に置き、ローを椅子に座らせる。
特別報酬の意味がわからず、されるがままのローの前に恋歌が立ち、恋歌が笑顔で両手を広げた。
「…それは…抱き着いて来いってことか?」
伺うようなローの視線と言葉に頷くと、優しく手を引いて腰に手を回し、ぎゅっと抱きしめた。
胸に顔を埋めるような感じになるが、嫌がる素振りを見せない恋歌に甘えて、柔らかい胸に擦り寄る。
「(恋歌の匂い…)」
数日前までは当たり前に横に合った落ち着く匂いを少し懐かしく感じた。
柔らかい身体も、細い腰も、匂いも何もかも離したくないもの。
帽子越しに頭を撫でてくれる優しい手に、なぜか泣きそうになる。
「恋歌…」
腰を抱く力を強めて、胸に埋めている顔をあげて視線を合わせると、恋歌の身体がぴくっと反応した。
「どこまでが特別報酬なんだ?」
≪店長は抱きしめさせたあとはローの好きにさせてやれって…≫
「ふーん…」
困惑しながら手話で店主に言われた事を伝えると、抑揚のない声でつぶやき、また胸に顔を埋めた。
腰を抱いていた手を少し下げ、お尻に触れると、また恋歌の身体が反応した。
ロー「(また声聞かせてくれねぇかな…)」
こういう事をすれば、また恋歌の声が聞けるかと、淡い期待を持ってお尻を撫で続ける。
『(な、なんでお尻触ってるの!?)』
スカート越しではあるが刺激が伝わる為、ぎゅっとローの頭を抱えて耐えている。
『んっ…』
「(もっと…聞きてぇ…)」
すこし漏れた恋歌の声に血が熱くなる感覚がして、もっとという願望が前に出過ぎたのか、スカートの中に手を入れ足を撫で上げると、ローの肩を押して離れさせた。
≪もう終わり!≫
「残念だ」
顔を真っ赤にした涙目の恋歌を見て、ローは意地悪そうな笑みを浮かべた。
「特別報酬たしかに受け取った
ありがとな」
≪…うん≫
お尻を触られた事について文句を言おうかと思ったが、眉間のしわがとれ、優しい笑顔を浮かべているローに、まぁいいかと思ってしまった。
「送っていくよ
戸締りして帰るぞ」
差し出してくれたローの手の上に自分の手を重ねて、二人で本屋を戸締りして外に出た。
「今日も寒いな」
白い息を吐きながら空を見上げると、珍しく広がる満天の星空。
『(あれ…?)』
空を見上げたままぴたっと足を止めた恋歌に、手を繋いでいたローも立ち止まる。
「どうかしたか?」
『(この星の並びは…)』
「?」
星空を見上げたまま反応がない恋歌は、視線を泳がせていろんな星の動きを確認する。
数分間星を眺めた後、ゆっくりとローへ視線を向ける。
「明日の運勢か?」
≪うん≫
恋歌が星を見上げる時、昔から明日の運勢を占っていた。
いい結果が出ているとは思えない顔をしている恋歌の手をぎゅっと握りしめてやると、ふぅと小さく息をはいた。
≪明日…わたしの運勢最悪で…女の子に気をつけろって≫
「…それは、あいつのことか」
≪たぶん…けどローの運勢が…とてもいいの…
今まで見てきた中で一番…≫
「そりゃまた…変な話だ
今の時点で俺でも明日一日は最悪な日だってわかってんのに」
星の占いが得意な魔女故に、今の星の並びで明日の自分の運勢が悪いということが、嘘ではないというのがわかる。
「もしかしたら別の女ってのも考えられる
明日はあいつらの誰かと一緒に行動しろ」
≪うん…≫
あいつらとはベポ、シャチ、ペンギンと三人。
その中にローが入っていない事が悲しくなったが、仕方のないことだと自分に言い聞かせて、ローの言葉に頷いた。
「なんともまぁ厄介な子に好かれたもんだね」
昼休憩の間に何があったのかと店主に聞かれたので、詳細を説明すると恋歌に紅茶をかけた子かと、ローに憐れむような視線を向けた。
「あ、そうだ恋歌ちゃん」
『(?)』
自分がバイトとして本屋に足止めをしてしまったことで、昼休憩のときにクロエと鉢合わせしてしまったのかと、少し罪悪感はあるらしく、恋歌を呼んで耳打ちをする。
「はい、じゃあ今日もお疲れ様でした
ローくんもありがとうね
これ、報酬の本」
「どうも」
本屋の閉店時間になり、今日のバイトの報酬として、ローが買う予定だった医学書を渡した。
「さて、と恋歌ちゃん後はお願いね」
ちゃり、と恋歌の手に本屋の鍵を渡し、店主はまた明日と帰って行った。
「店の戸締りはいつも恋歌がやってんのか?」
そそくさと帰って行った店主の行動に疑問を持ったが、恋歌も慌てることなく鍵を受け取っていたので、これが通常なのかと聞いたが、恋歌は首を横に振った。
≪店長が言うには特別報酬だって≫
「は?」
ぐいぐいと背中を押してローを押し込んだのは更衣室。
医学書を机に置き、ローを椅子に座らせる。
特別報酬の意味がわからず、されるがままのローの前に恋歌が立ち、恋歌が笑顔で両手を広げた。
「…それは…抱き着いて来いってことか?」
伺うようなローの視線と言葉に頷くと、優しく手を引いて腰に手を回し、ぎゅっと抱きしめた。
胸に顔を埋めるような感じになるが、嫌がる素振りを見せない恋歌に甘えて、柔らかい胸に擦り寄る。
「(恋歌の匂い…)」
数日前までは当たり前に横に合った落ち着く匂いを少し懐かしく感じた。
柔らかい身体も、細い腰も、匂いも何もかも離したくないもの。
帽子越しに頭を撫でてくれる優しい手に、なぜか泣きそうになる。
「恋歌…」
腰を抱く力を強めて、胸に埋めている顔をあげて視線を合わせると、恋歌の身体がぴくっと反応した。
「どこまでが特別報酬なんだ?」
≪店長は抱きしめさせたあとはローの好きにさせてやれって…≫
「ふーん…」
困惑しながら手話で店主に言われた事を伝えると、抑揚のない声でつぶやき、また胸に顔を埋めた。
腰を抱いていた手を少し下げ、お尻に触れると、また恋歌の身体が反応した。
ロー「(また声聞かせてくれねぇかな…)」
こういう事をすれば、また恋歌の声が聞けるかと、淡い期待を持ってお尻を撫で続ける。
『(な、なんでお尻触ってるの!?)』
スカート越しではあるが刺激が伝わる為、ぎゅっとローの頭を抱えて耐えている。
『んっ…』
「(もっと…聞きてぇ…)」
すこし漏れた恋歌の声に血が熱くなる感覚がして、もっとという願望が前に出過ぎたのか、スカートの中に手を入れ足を撫で上げると、ローの肩を押して離れさせた。
≪もう終わり!≫
「残念だ」
顔を真っ赤にした涙目の恋歌を見て、ローは意地悪そうな笑みを浮かべた。
「特別報酬たしかに受け取った
ありがとな」
≪…うん≫
お尻を触られた事について文句を言おうかと思ったが、眉間のしわがとれ、優しい笑顔を浮かべているローに、まぁいいかと思ってしまった。
「送っていくよ
戸締りして帰るぞ」
差し出してくれたローの手の上に自分の手を重ねて、二人で本屋を戸締りして外に出た。
「今日も寒いな」
白い息を吐きながら空を見上げると、珍しく広がる満天の星空。
『(あれ…?)』
空を見上げたままぴたっと足を止めた恋歌に、手を繋いでいたローも立ち止まる。
「どうかしたか?」
『(この星の並びは…)』
「?」
星空を見上げたまま反応がない恋歌は、視線を泳がせていろんな星の動きを確認する。
数分間星を眺めた後、ゆっくりとローへ視線を向ける。
「明日の運勢か?」
≪うん≫
恋歌が星を見上げる時、昔から明日の運勢を占っていた。
いい結果が出ているとは思えない顔をしている恋歌の手をぎゅっと握りしめてやると、ふぅと小さく息をはいた。
≪明日…わたしの運勢最悪で…女の子に気をつけろって≫
「…それは、あいつのことか」
≪たぶん…けどローの運勢が…とてもいいの…
今まで見てきた中で一番…≫
「そりゃまた…変な話だ
今の時点で俺でも明日一日は最悪な日だってわかってんのに」
星の占いが得意な魔女故に、今の星の並びで明日の自分の運勢が悪いということが、嘘ではないというのがわかる。
「もしかしたら別の女ってのも考えられる
明日はあいつらの誰かと一緒に行動しろ」
≪うん…≫
あいつらとはベポ、シャチ、ペンギンと三人。
その中にローが入っていない事が悲しくなったが、仕方のないことだと自分に言い聞かせて、ローの言葉に頷いた。