小さな友情
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恋歌が眠ってからしばらくした後、とん、と扉に何かが当たる音が聞こえ、立ち上がって扉を開けた。
「……」
扉の外にいたのは予想していた通りシリウスで、ローからは入室の許可は出ていないが、開いた扉の間からすたすたと勝手に部屋の中に入った。
しかし、ローもそれを咎める事はせず、扉を閉めて先ほどまで座っていたベッドの横の椅子に座る。
「お前…恋歌の事は何でも知りたがるくせに、おれに何かを聞いてくることはあまりないよな」
眠っている恋歌の顔の横にちょこんと座ったシリウスは、ローに背中を向けたまま小さな声で語りかける。
「…恋歌がおれに知ってほしくねぇこともあるだろ」
「ほんと…お前は腹の立つクソガキだな」
ローは恋歌より魔女について知識のあるシリウスに、恋歌の体調などに関する事以外、自ら何かを聞いてきたことはない。
気にくわないと思ってはいるが、こういう気遣いができる男だからこそ、シリウスの方からローの部屋に来た。
「言っておくがおれはあくまでも恋歌の為にここに来た
お前の味方になることはないから勘違いするなよ」
「前置きはいい
要件を言え」
わざわざ恋歌が眠っている時間を狙ってきただろうシリウスに、話を促すとわざとらしくため息をついてくるりと振り向いた。
「お前が気にしてるんじゃないかと思ってな
恋歌の”目の色”について」
「…魔女の髪と瞳の色は適性によって決まる
星の魔女の適性を持つ魔女は銀の髪に黒い瞳…恋歌もお前もそう言ってただろ」
禁忌を犯した星の魔女の髪と瞳が黒である事以外、例外があるとは聞いていない。
「おれがその話をしたとき、”例外もあるが基本は黒”って言ったのも覚えてないか?」
「……今回のがその例外ってことか」
記憶を呼び起こしてみれば確かにシリウスはその話をしていた。
禁忌の魔法に意識を取られ、そのことを今まで忘れていた。
「そうだ
星に認められるということは、通常声に魔力を乗せて発動する魔法とはまた別の魔法が使えるようになる
昔恋歌が認められたとけい座は通常だと一瞬時間を止めたりできる程度だが、お前も知っての通り祈れば数時間時間を止める事ができる」
「星に個別に認められれば強化した力が使えるようになるって事か」
「まぁそんな感じの認識で大体あってる
それにどんな魔法が使えるようになるかは星次第だ
恋歌もおれもわからん」
「…今回のは何が出来る様になったんだ」
「大きな犬が召喚できるようになった」
「………」
おおいぬ座を戦闘で使っている姿を見た事がなかったため、元々何が出来ていたのかはわからないが、今回は何ができるようになったか気になって聞いてみれば、思ったより大したことではなく思わずそう呟いてしまいそうになった。
「まぁおれが言いに来たのは星の魔女の”目の色”についてだ
さっきも言った通り星に認められれば声、魔力、目の色…後は髪もか、そのどれかに変化がある
今回は目の色だった
だが、目の色はなぜか昔から青になる
”最高の魔女”の称号を持っていたおれの昔の相棒も、星の魔女だが目は青かった」
恋歌の瞳の色が黒から青に変わったところでローの何かが変わる事はないが、今ですら星の魔女名に相応しい美しい容姿をしている恋歌が、ただの青い瞳で済むはずがない。
「……この世界は魔女たちにとって生きにくい世界だということは理解しているが、恋歌がこの先星に認められていけば、その瞳は…人間たちにとっては価値のあるものになるのは間違いない」
「…恋歌の住んでいた村の長が、歴代最高と呼ばれるほどの星の魔女だったと聞いた」
「その魔女…今は…?」
詳しい恋歌の過去を知らないシリウスに、ローがかいつまんで話をすると、どんどんと眉間に皺が刻まれていく。
「……」
扉の外にいたのは予想していた通りシリウスで、ローからは入室の許可は出ていないが、開いた扉の間からすたすたと勝手に部屋の中に入った。
しかし、ローもそれを咎める事はせず、扉を閉めて先ほどまで座っていたベッドの横の椅子に座る。
「お前…恋歌の事は何でも知りたがるくせに、おれに何かを聞いてくることはあまりないよな」
眠っている恋歌の顔の横にちょこんと座ったシリウスは、ローに背中を向けたまま小さな声で語りかける。
「…恋歌がおれに知ってほしくねぇこともあるだろ」
「ほんと…お前は腹の立つクソガキだな」
ローは恋歌より魔女について知識のあるシリウスに、恋歌の体調などに関する事以外、自ら何かを聞いてきたことはない。
気にくわないと思ってはいるが、こういう気遣いができる男だからこそ、シリウスの方からローの部屋に来た。
「言っておくがおれはあくまでも恋歌の為にここに来た
お前の味方になることはないから勘違いするなよ」
「前置きはいい
要件を言え」
わざわざ恋歌が眠っている時間を狙ってきただろうシリウスに、話を促すとわざとらしくため息をついてくるりと振り向いた。
「お前が気にしてるんじゃないかと思ってな
恋歌の”目の色”について」
「…魔女の髪と瞳の色は適性によって決まる
星の魔女の適性を持つ魔女は銀の髪に黒い瞳…恋歌もお前もそう言ってただろ」
禁忌を犯した星の魔女の髪と瞳が黒である事以外、例外があるとは聞いていない。
「おれがその話をしたとき、”例外もあるが基本は黒”って言ったのも覚えてないか?」
「……今回のがその例外ってことか」
記憶を呼び起こしてみれば確かにシリウスはその話をしていた。
禁忌の魔法に意識を取られ、そのことを今まで忘れていた。
「そうだ
星に認められるということは、通常声に魔力を乗せて発動する魔法とはまた別の魔法が使えるようになる
昔恋歌が認められたとけい座は通常だと一瞬時間を止めたりできる程度だが、お前も知っての通り祈れば数時間時間を止める事ができる」
「星に個別に認められれば強化した力が使えるようになるって事か」
「まぁそんな感じの認識で大体あってる
それにどんな魔法が使えるようになるかは星次第だ
恋歌もおれもわからん」
「…今回のは何が出来る様になったんだ」
「大きな犬が召喚できるようになった」
「………」
おおいぬ座を戦闘で使っている姿を見た事がなかったため、元々何が出来ていたのかはわからないが、今回は何ができるようになったか気になって聞いてみれば、思ったより大したことではなく思わずそう呟いてしまいそうになった。
「まぁおれが言いに来たのは星の魔女の”目の色”についてだ
さっきも言った通り星に認められれば声、魔力、目の色…後は髪もか、そのどれかに変化がある
今回は目の色だった
だが、目の色はなぜか昔から青になる
”最高の魔女”の称号を持っていたおれの昔の相棒も、星の魔女だが目は青かった」
恋歌の瞳の色が黒から青に変わったところでローの何かが変わる事はないが、今ですら星の魔女名に相応しい美しい容姿をしている恋歌が、ただの青い瞳で済むはずがない。
「……この世界は魔女たちにとって生きにくい世界だということは理解しているが、恋歌がこの先星に認められていけば、その瞳は…人間たちにとっては価値のあるものになるのは間違いない」
「…恋歌の住んでいた村の長が、歴代最高と呼ばれるほどの星の魔女だったと聞いた」
「その魔女…今は…?」
詳しい恋歌の過去を知らないシリウスに、ローがかいつまんで話をすると、どんどんと眉間に皺が刻まれていく。