小さな友情
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ローが手術室に向かって数時間後、静かなローの部屋で恋歌が目を覚ました。
『(ここ…ローの部屋…)』
匂いと視界に映る天井に、今自分がいる場所がローのベッドの上だと認識し、起き上がろうと手を動かせばこつん、と何か硬いものが指先に当たった。
それがシリウスの鞘だという事に気づき、魔方陣を出していつもの子犬の姿に戻してやる。
「気分はどうだ」
『…あんまり、良くは、ないかな』
「だろうな」
すり、と頬に擦り寄ってきたシリウスの背を撫でてやろうと腕を持ち上げようとしたが、それすらも億劫に感じる程身体が重い事に気づいた。
「魔力はクソガキが回復させていったが、体力は休むしか回復する方法はない
後の事はあいつらに任せて寝てろ」
『…うまく、いったんだよね?』
「…ああ、さすが恋歌だ」
ぷにぷにと柔らかい前足で頭を撫でられ、そのまま目を閉じている間にいつの間にか寝息を立てていた。
「(相変わらず、星ってのは気難しいもんだったな…)」
くるん、と恋歌の顔の横で丸まり、1つ欠伸をしてからシリウスも目を閉じた。
「……」
恋歌が一度目を覚ましてから数十分後、音を立てずに部屋に戻ってきたローは、部屋を出るときは刀だったシリウスが子犬姿に戻っている事で、シリウスを起こそうか悩むように、腕を組んで眠っている恋歌とシリウスを見下ろしていた。
「はぁ…」
だが、子犬姿でしかも眠っているシリウスをローが起こせるわけもなく、ため息をついてベッドの縁に腰掛けた。
静かに寝息を立てている恋歌の頭を撫でてやり、何度も指の間に髪を滑らせていく。
『…ん』
「悪い、起こしたか」
しばらく髪を弄っていると僅かに恋歌が身じろぎし、少しだけ眉間に皺が寄った。
『ロー…?』
「……ああ、まだ寝てていい」
ゆっくりと開いた恋歌の目の色がいつもと違う気がして一瞬言葉に詰まったが、今聞くことではないと寝るように促す。
『あの子は…無事?』
「ああ…さっき目を覚ました
衰弱はしてるが、きちんと栄養を取ればすぐに元気になる」
『よかった…』
倒れたのは恋歌だというのに心配したのは犬の事。
だが、恋歌から聞かれるとわかっていたローは、用意していた答えを恋歌に告げた。
それを聞いた恋歌は安心したように笑い、身体を起こそうと腕に力を入れた。
「おい、まだ寝てろ」
『お水、飲みたい』
「はぁ…」
身体を起こすにも時間がかかっている恋歌の背中を支えてやり、近くにあるコップに水を淹れて渡してやると、ゆっくり時間をかけて飲み干した。
『服…着替えさせて、くれたの?』
「あのままじゃ風邪をひくからな」
自分が着ているものがローのシャツである事に気づいて、胸にもたれかからせてくれているローに視線を向ければ、しれっとした返事が返ってきた。
『そ、そう…ありがとう…』
恥ずかしそうに少し顔を赤く染めた恋歌は、視線を逸らしてローに全体重を預けるように僅かに入れていた力も抜いた。
「身体に違和感は?」
『…ちょっと、身体が、だるいぐらい、かな』
「ずっと同じ姿勢でいた上に、元々体力の消耗が激しい魔法だろ
寝てりゃ治る」
水を飲んだなら寝ろと無理やり恋歌を布団に押し込み、毛布の上からぽん、と一度手を弾ませた。
「後で起こす
それまでちゃんと寝てろ」
『…うん』
恋歌がおとなしく目を瞑り胸が規則正しく上下し始めたのを確認してから、医学書を手に取り表紙を開いた。
『(ここ…ローの部屋…)』
匂いと視界に映る天井に、今自分がいる場所がローのベッドの上だと認識し、起き上がろうと手を動かせばこつん、と何か硬いものが指先に当たった。
それがシリウスの鞘だという事に気づき、魔方陣を出していつもの子犬の姿に戻してやる。
「気分はどうだ」
『…あんまり、良くは、ないかな』
「だろうな」
すり、と頬に擦り寄ってきたシリウスの背を撫でてやろうと腕を持ち上げようとしたが、それすらも億劫に感じる程身体が重い事に気づいた。
「魔力はクソガキが回復させていったが、体力は休むしか回復する方法はない
後の事はあいつらに任せて寝てろ」
『…うまく、いったんだよね?』
「…ああ、さすが恋歌だ」
ぷにぷにと柔らかい前足で頭を撫でられ、そのまま目を閉じている間にいつの間にか寝息を立てていた。
「(相変わらず、星ってのは気難しいもんだったな…)」
くるん、と恋歌の顔の横で丸まり、1つ欠伸をしてからシリウスも目を閉じた。
「……」
恋歌が一度目を覚ましてから数十分後、音を立てずに部屋に戻ってきたローは、部屋を出るときは刀だったシリウスが子犬姿に戻っている事で、シリウスを起こそうか悩むように、腕を組んで眠っている恋歌とシリウスを見下ろしていた。
「はぁ…」
だが、子犬姿でしかも眠っているシリウスをローが起こせるわけもなく、ため息をついてベッドの縁に腰掛けた。
静かに寝息を立てている恋歌の頭を撫でてやり、何度も指の間に髪を滑らせていく。
『…ん』
「悪い、起こしたか」
しばらく髪を弄っていると僅かに恋歌が身じろぎし、少しだけ眉間に皺が寄った。
『ロー…?』
「……ああ、まだ寝てていい」
ゆっくりと開いた恋歌の目の色がいつもと違う気がして一瞬言葉に詰まったが、今聞くことではないと寝るように促す。
『あの子は…無事?』
「ああ…さっき目を覚ました
衰弱はしてるが、きちんと栄養を取ればすぐに元気になる」
『よかった…』
倒れたのは恋歌だというのに心配したのは犬の事。
だが、恋歌から聞かれるとわかっていたローは、用意していた答えを恋歌に告げた。
それを聞いた恋歌は安心したように笑い、身体を起こそうと腕に力を入れた。
「おい、まだ寝てろ」
『お水、飲みたい』
「はぁ…」
身体を起こすにも時間がかかっている恋歌の背中を支えてやり、近くにあるコップに水を淹れて渡してやると、ゆっくり時間をかけて飲み干した。
『服…着替えさせて、くれたの?』
「あのままじゃ風邪をひくからな」
自分が着ているものがローのシャツである事に気づいて、胸にもたれかからせてくれているローに視線を向ければ、しれっとした返事が返ってきた。
『そ、そう…ありがとう…』
恥ずかしそうに少し顔を赤く染めた恋歌は、視線を逸らしてローに全体重を預けるように僅かに入れていた力も抜いた。
「身体に違和感は?」
『…ちょっと、身体が、だるいぐらい、かな』
「ずっと同じ姿勢でいた上に、元々体力の消耗が激しい魔法だろ
寝てりゃ治る」
水を飲んだなら寝ろと無理やり恋歌を布団に押し込み、毛布の上からぽん、と一度手を弾ませた。
「後で起こす
それまでちゃんと寝てろ」
『…うん』
恋歌がおとなしく目を瞑り胸が規則正しく上下し始めたのを確認してから、医学書を手に取り表紙を開いた。