小さな友情
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「な、なぁ…これ…止めるタイミングって…」
「お、おれにわかるわけないだろ…」
「キャプテン…」
「……」
恋歌が祈り始めたのは一番星が見え始めた夕方ごろ。
そして、今の時刻は日付が変わった直後。
島から昇る魂はもう一つもないが、恋歌が祈る事を止めていないという事は、恋歌の願いは叶えられていないという事。
杖もすでに3本が倒れて甲板に転がっており残りは後2本。
いつもと違うのは恋歌の周りを囲んでいる魔方陣がガラスが砕けるような音で砕けたかと思えば、次々と新しい魔方陣が恋歌を囲うという事が続いている事。
長時間の魔法発動、タイムリミットと思われる杖が3本倒れていること、いつもの星の魔法陣とは違う魔方陣が砕けては新しく生まれているという事など、心配が募り祈る事を止めさせたいが止めさせる事が出来るわけもない。
「…あいつが自分で判断する事だ」
「「「……」」」
恋歌の事を無理矢理にでも止める事は出来る。
それでも止めないのは恋歌の事を信じているから。
たとえ願いが叶わず諦める事になったとしても、祈りを止めるタイミングを決めるのは恋歌。
.
「(始めた時間を考えると、おそらくこれが続くのも星が見えている間…
恋歌の魔力が尽きるのが先か、星が願いを叶えるのが先か、夜が明けるのが先か…)」
夜明けまであと5時間程。
そして、急激に状況が変わったのは日付が変わってから3時間ほど経った頃だった。
「キャ、キャプテン!!」
「ちっ…どうなってやがる…!」
今まで恋歌の姿が見えないほど周りを囲っていた魔方陣が一斉に砕け、恋歌を中心に風が吹き荒れる。
「!!
シリウス!!」
「ちっ…!!」
風が吹き荒れた直後、刀の姿のシリウスが飛ばされ海に落ちてしまいそうになったが、ローの能力で海に落ちずに済んだ。
「おい駄犬!!どうなってんだ!」
刀のシリウスを手に持ったことで声が聞こえるようになり、現状がどうなっているのかを説明させようと鞘を掴んでいる手に力を入れた。
「…黙って見てろ」
「……」
シリウスの声が思ったより冷静である事で、緊急事態というわけではないとわかったが、突風の所為で開けにくい目を細めながら、未だ祈り続ける恋歌の様子を伺う。
だが、汗を流し眉間に皺を寄せ顔からは血の気が引き僅かに組んでいる手が震えている事に気づいた。
「…恋歌!!」
いつもの魔力不足の症状より顔色が悪い事に気づいたローが恋歌の名を呼べば、閉じていた恋歌の瞼がゆっくりと開いて空を仰ぐ。
「お、おれにわかるわけないだろ…」
「キャプテン…」
「……」
恋歌が祈り始めたのは一番星が見え始めた夕方ごろ。
そして、今の時刻は日付が変わった直後。
島から昇る魂はもう一つもないが、恋歌が祈る事を止めていないという事は、恋歌の願いは叶えられていないという事。
杖もすでに3本が倒れて甲板に転がっており残りは後2本。
いつもと違うのは恋歌の周りを囲んでいる魔方陣がガラスが砕けるような音で砕けたかと思えば、次々と新しい魔方陣が恋歌を囲うという事が続いている事。
長時間の魔法発動、タイムリミットと思われる杖が3本倒れていること、いつもの星の魔法陣とは違う魔方陣が砕けては新しく生まれているという事など、心配が募り祈る事を止めさせたいが止めさせる事が出来るわけもない。
「…あいつが自分で判断する事だ」
「「「……」」」
恋歌の事を無理矢理にでも止める事は出来る。
それでも止めないのは恋歌の事を信じているから。
たとえ願いが叶わず諦める事になったとしても、祈りを止めるタイミングを決めるのは恋歌。
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「(始めた時間を考えると、おそらくこれが続くのも星が見えている間…
恋歌の魔力が尽きるのが先か、星が願いを叶えるのが先か、夜が明けるのが先か…)」
夜明けまであと5時間程。
そして、急激に状況が変わったのは日付が変わってから3時間ほど経った頃だった。
「キャ、キャプテン!!」
「ちっ…どうなってやがる…!」
今まで恋歌の姿が見えないほど周りを囲っていた魔方陣が一斉に砕け、恋歌を中心に風が吹き荒れる。
「!!
シリウス!!」
「ちっ…!!」
風が吹き荒れた直後、刀の姿のシリウスが飛ばされ海に落ちてしまいそうになったが、ローの能力で海に落ちずに済んだ。
「おい駄犬!!どうなってんだ!」
刀のシリウスを手に持ったことで声が聞こえるようになり、現状がどうなっているのかを説明させようと鞘を掴んでいる手に力を入れた。
「…黙って見てろ」
「……」
シリウスの声が思ったより冷静である事で、緊急事態というわけではないとわかったが、突風の所為で開けにくい目を細めながら、未だ祈り続ける恋歌の様子を伺う。
だが、汗を流し眉間に皺を寄せ顔からは血の気が引き僅かに組んでいる手が震えている事に気づいた。
「…恋歌!!」
いつもの魔力不足の症状より顔色が悪い事に気づいたローが恋歌の名を呼べば、閉じていた恋歌の瞼がゆっくりと開いて空を仰ぐ。