小さな友情
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しばらくして準備ができたとシリウスが声をかけ、 恋歌が甲板に立ち深呼吸をしている背中を見つめる。
「いいか、邪念は捨てて魂を天に昇らせることだけを願え
願いは単純であるほど叶えてもらいやすい」
『わかった』
シリウスも刀に戻し恋歌の足元に置いて、その近くに恋歌も膝をつける。
周りにはシリウス曰く気休め程度にしかならないが、3人が準備してくれた捧げものもある。
「…恋歌
え、っと…その…頑張って、って、言っていいのか、わからないけど…」
『うん、ありがとう』
恋歌が祈る前に何か言葉を、と思ったベポだったが、どう声をかけていいかわからず、励ましの言葉が尻すぼみになってしまった。
どんな言葉を伝えても、恋歌のプレッシャーになってしまうのではと思っていたが、ベポの言葉に嬉しそうに笑う恋歌にもう大丈夫なのだと、全員がほっと息をはいた。
『待っててね』
「わん」
ベポの腕の中にいるおにぎりの頭を撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振っている。
失敗すればおにぎりの大事な存在を失ってしまう事になる。
「恋歌、はじめるぞ」
『はい』
シリウスに急かされ診察台の前に立ち、眠ったままの犬の頭に手を置き、軽く頭から身体に手を滑らせ、目を閉じ自身の周りに魔方陣から杖を5本召喚し、シリウスも刀に戻した。
診察台の前に膝をつけシリウスを膝の前に置き、胸の前で手を組みゆっくりと目を閉じた。
その直後恋歌の足元に魔方陣が広がる。
「今回も…あの杖が恋歌のリミット、なのかな?」
「かもな…」
ペンギンの時もヴォルフの時も、恋歌の魔力の限界を示すように時間が経つにつれて杖が倒れていった事を思い出す。
「おい、あれって…」
恋歌が祈りはじめた直後、シャチの声につられるように視線の先を見れば、島からいくつかの光が天に昇っているのが見えた。
それは何度か見た星葬の時の魂の姿。
「あれがおれたちにも見えてるって事は…!」
「もしかして…!」
魂は普段目には見えないが、星葬の時には目に見えるようになる。
これが見えているという事は成功したのではと期待したような笑みを浮かべて恋歌の方を見たが、その希望は一瞬にして打ち砕かれた。
「恋歌…?」
「なんだ…あれ…」
「……」
先ほどまでいつも見ている魔方陣が恋歌の足元に浮かび、恋歌の周りには杖が浮かんでいただけだったが、恋歌の姿が見えないほどの魔方陣が囲んでおり、それはいつもの魔方陣の形とは違う。
しかもばちばちといつもは聞こえない電気のような音も聞こえ、犬の身体が白い光に包まれ、上にも見た事のない魔方陣が浮かび上がっている。
「え、あれ…大丈夫、なのか…?」
「……」
心配そうにベポがおろおろとしながら、答えを求めるようにローに視線を向けるが、ローの視線は無言で恋歌に向けられたまま。
目の前の光景が上手く進んでいるのか、進んでいないのかがわからず、どう反応していいのかもわからない。
魔方陣の隙間から見える恋歌の表情を見る限りでは辛そうな表情はしていないが、このまま続けさせていいのか誰も判断が出来ない。
「(無茶はするんじゃねぇぞ…恋歌…)」
昔より総魔力量は増えたということは、その分昔より無茶もできるようになったということ。
星という未知のものに願う事は、失敗したときのリスクも未知。
いつもは美しいと思える星葬の光景を横目に、恋歌の祈りを早く叶えろと空を睨むように見上げた。
「いいか、邪念は捨てて魂を天に昇らせることだけを願え
願いは単純であるほど叶えてもらいやすい」
『わかった』
シリウスも刀に戻し恋歌の足元に置いて、その近くに恋歌も膝をつける。
周りにはシリウス曰く気休め程度にしかならないが、3人が準備してくれた捧げものもある。
「…恋歌
え、っと…その…頑張って、って、言っていいのか、わからないけど…」
『うん、ありがとう』
恋歌が祈る前に何か言葉を、と思ったベポだったが、どう声をかけていいかわからず、励ましの言葉が尻すぼみになってしまった。
どんな言葉を伝えても、恋歌のプレッシャーになってしまうのではと思っていたが、ベポの言葉に嬉しそうに笑う恋歌にもう大丈夫なのだと、全員がほっと息をはいた。
『待っててね』
「わん」
ベポの腕の中にいるおにぎりの頭を撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振っている。
失敗すればおにぎりの大事な存在を失ってしまう事になる。
「恋歌、はじめるぞ」
『はい』
シリウスに急かされ診察台の前に立ち、眠ったままの犬の頭に手を置き、軽く頭から身体に手を滑らせ、目を閉じ自身の周りに魔方陣から杖を5本召喚し、シリウスも刀に戻した。
診察台の前に膝をつけシリウスを膝の前に置き、胸の前で手を組みゆっくりと目を閉じた。
その直後恋歌の足元に魔方陣が広がる。
「今回も…あの杖が恋歌のリミット、なのかな?」
「かもな…」
ペンギンの時もヴォルフの時も、恋歌の魔力の限界を示すように時間が経つにつれて杖が倒れていった事を思い出す。
「おい、あれって…」
恋歌が祈りはじめた直後、シャチの声につられるように視線の先を見れば、島からいくつかの光が天に昇っているのが見えた。
それは何度か見た星葬の時の魂の姿。
「あれがおれたちにも見えてるって事は…!」
「もしかして…!」
魂は普段目には見えないが、星葬の時には目に見えるようになる。
これが見えているという事は成功したのではと期待したような笑みを浮かべて恋歌の方を見たが、その希望は一瞬にして打ち砕かれた。
「恋歌…?」
「なんだ…あれ…」
「……」
先ほどまでいつも見ている魔方陣が恋歌の足元に浮かび、恋歌の周りには杖が浮かんでいただけだったが、恋歌の姿が見えないほどの魔方陣が囲んでおり、それはいつもの魔方陣の形とは違う。
しかもばちばちといつもは聞こえない電気のような音も聞こえ、犬の身体が白い光に包まれ、上にも見た事のない魔方陣が浮かび上がっている。
「え、あれ…大丈夫、なのか…?」
「……」
心配そうにベポがおろおろとしながら、答えを求めるようにローに視線を向けるが、ローの視線は無言で恋歌に向けられたまま。
目の前の光景が上手く進んでいるのか、進んでいないのかがわからず、どう反応していいのかもわからない。
魔方陣の隙間から見える恋歌の表情を見る限りでは辛そうな表情はしていないが、このまま続けさせていいのか誰も判断が出来ない。
「(無茶はするんじゃねぇぞ…恋歌…)」
昔より総魔力量は増えたということは、その分昔より無茶もできるようになったということ。
星という未知のものに願う事は、失敗したときのリスクも未知。
いつもは美しいと思える星葬の光景を横目に、恋歌の祈りを早く叶えろと空を睨むように見上げた。