小さな友情
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恋歌が決意を固めてからすぐ、犬を星の見える場所に連れて行くために診察台ごと甲板へ移動させた。
「他に準備する事は?」
「そうだな…」
出来る限りサポートはしてやりたい仲間たちが、シリウスの指示を受けてばたばたと動き回っている。
「どうした」
準備をしている間は待っているように言われた恋歌が、じっと空を見つめている事に気づいたローが声をかけると、既に星が見え始めている空から目を逸らさずに口を開いた。
『わたしね、お祈りをして、使える魔法って、時間の魔法、だけなの』
「時間の魔法…?」
『ヴォルフの時と、ペンギンの時に、時間を止める魔法、使ったの覚えてる?』
「ああ…」
そう言われてみると、あの時の魔法はいつもの魔法とは違っていた。
今まで疑問に思った事などなかったが、たしかに声を出して発動させている魔法とは違い、祈るように目を閉じて声は一切出していなかった。
『あれね、暴走したときに、時間を戻してって、お願いして…使えるようになった、魔法なんだ
戻してほしいって、お願いしたのに、使えるようになったのは、時間を止める、魔法だったんだけど…』
「……そうか」
自嘲気味に笑う恋歌だが、願った力とは違う力を使えるようにされたという事は、シリウスの言うとおり星というのは気まぐれで、簡単に願いを叶えることはないのだと痛感させられる。
暴走したときという事は、その時の恋歌は時間を戻してほしいと一番強く願ったはず。
「だが、あの時はその魔法のおかげで、ヴォルフもペンギンも…おれも助けられた
恋歌の魔法は、奇跡を起こせる力だ」
『…ありがとう
ひとつだけ、お願いがあるんだけど』
「なんだ」
『祈ってる間、心の中でいいから、信じて、応援しててほしい』
仲間が信じてくれることが恋歌の力になり、あの時の恋歌とは違う事。
『みんなが信じてくれたら、最後まで、諦めずに、できると思うから』
「…はぁ、ばかだなお前」
呆れたようにため息をついたローが恋歌の腕を引き、抱きしめてぽん、と軽く背中を叩いてやる。
「おれが…おれたちが恋歌の事を信じてないわけねぇだろう
そんな事ぐらいいい加減理解しろ」
『…うん、そうだね
ごめん』
すり、と胸に顔をすり寄せ恋歌の方からもローの背中に手を回す。
『いつも、ありがとう』
「…その言葉は成功したときにもう一回聞く」
『うん』
成功しなければ命が失われてしまうというプレッシャーは完全にはなくなることはないが、心が軽くなった恋歌は自分に言い聞かせるように何度も心の中で成功を祈った。
「他に準備する事は?」
「そうだな…」
出来る限りサポートはしてやりたい仲間たちが、シリウスの指示を受けてばたばたと動き回っている。
「どうした」
準備をしている間は待っているように言われた恋歌が、じっと空を見つめている事に気づいたローが声をかけると、既に星が見え始めている空から目を逸らさずに口を開いた。
『わたしね、お祈りをして、使える魔法って、時間の魔法、だけなの』
「時間の魔法…?」
『ヴォルフの時と、ペンギンの時に、時間を止める魔法、使ったの覚えてる?』
「ああ…」
そう言われてみると、あの時の魔法はいつもの魔法とは違っていた。
今まで疑問に思った事などなかったが、たしかに声を出して発動させている魔法とは違い、祈るように目を閉じて声は一切出していなかった。
『あれね、暴走したときに、時間を戻してって、お願いして…使えるようになった、魔法なんだ
戻してほしいって、お願いしたのに、使えるようになったのは、時間を止める、魔法だったんだけど…』
「……そうか」
自嘲気味に笑う恋歌だが、願った力とは違う力を使えるようにされたという事は、シリウスの言うとおり星というのは気まぐれで、簡単に願いを叶えることはないのだと痛感させられる。
暴走したときという事は、その時の恋歌は時間を戻してほしいと一番強く願ったはず。
「だが、あの時はその魔法のおかげで、ヴォルフもペンギンも…おれも助けられた
恋歌の魔法は、奇跡を起こせる力だ」
『…ありがとう
ひとつだけ、お願いがあるんだけど』
「なんだ」
『祈ってる間、心の中でいいから、信じて、応援しててほしい』
仲間が信じてくれることが恋歌の力になり、あの時の恋歌とは違う事。
『みんなが信じてくれたら、最後まで、諦めずに、できると思うから』
「…はぁ、ばかだなお前」
呆れたようにため息をついたローが恋歌の腕を引き、抱きしめてぽん、と軽く背中を叩いてやる。
「おれが…おれたちが恋歌の事を信じてないわけねぇだろう
そんな事ぐらいいい加減理解しろ」
『…うん、そうだね
ごめん』
すり、と胸に顔をすり寄せ恋歌の方からもローの背中に手を回す。
『いつも、ありがとう』
「…その言葉は成功したときにもう一回聞く」
『うん』
成功しなければ命が失われてしまうというプレッシャーは完全にはなくなることはないが、心が軽くなった恋歌は自分に言い聞かせるように何度も心の中で成功を祈った。