小さな友情
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どうやっておにぎりに伝えればいいのかと、室内の空気が重くなった時、恋歌の腕の中でじっとしていたシリウスが急にもぞもぞと動いて手術台の上に飛び乗った。
「……」
『シリウス…?』
「わん」
目を閉じたままの犬の顔に前足を乗せたシリウスは、何かを考えるように目を閉じ、つんつんとつついてくるおにぎりを振り払う事もしない。
何をしているのかわからない4人は、シリウスが言葉を発するのを待っていると、恋歌がシリウスと視線を合わせるように少し腰を曲げた。
『ねぇ…なにかできること、あるんでしょ?』
「!!
……」
撫でられた手の優しさに目を開けたシリウスは、泣きそうな顔をしながら恋歌の視線から逃げるように俯いた。
『わたしが、お手伝い、できること?』
言いにくいという事は自分に、”星の魔女”に関連する事なのではと、できることなのかを聞けば、その問いにはゆっくりとした頷きが返ってきた。
「おれは…星の魔女が一番大事で、星の魔女を支えるべき武器だ
だからこそ、おれは恋歌の負担になるわけには…」
ぼそぼそと話すシリウスの声にいつもの覇気がない。
”武器”でいなければいけない自分自身が、主である恋歌に願いを口にするのは憚られるという事なのだと理解したが、その言葉に恋歌がいつものように優しく笑った。
『シリウスのお願いを、今まで、星の魔女から、負担だって、言われたことある?』
「……な、い」
『そうだね
きっと…そうだと思った』
シリウスの今までの相棒も、他の星の魔女の事すべてを知っているわけではないが、なぜか自信を持って負担だと言われたことはないだろうと思った。
『シリウス
わたしが目指す魔女は、”最高の魔女”
あなたの知識を、わたしに教えて欲しい』
「……つくづくおれは星の魔女の”武器”に生まれてよかったと思うよ」
なにかが吹っ切れたかのように顔を上げたシリウスは、困ったような表情を浮かべていたが、声はいつもの調子に戻っていた。
「なにも言わなくていいのか?」
恋歌とシリウスの会話を黙って聞いていた4人は、シリウスの話を聞いている恋歌の背中をじっと見つめながら、最後まで口を出さなかったローにシャチが聞けば、わざとらしくため息をついた。
「…駄犬がやることだ
おれたちが口を出したところでわかるわけねぇからな」
「(素直じゃねぇな)」
魔女の事も、魔法の事も知識という点においてシリウスの右に出るものはここにはいない。
そしてシリウスが恋歌の事を大事に想っている事も知っている為、無茶はさせないという事も信じている。
だからこそ口を出す事はしないが、ローがそれを口に出すわけもない。
「…何とかなるといいね」
「…そうだな」
シリウスが恋歌に頼むのを躊躇したという事は成功率が低いのか、もしくは恋歌に少しでも危険があるのか。
魂の移動が禁忌であると知っているローは、シリウスの事を信じてはいるが不安を完璧になくすことはできないまま話は進んだ。
「……」
『シリウス…?』
「わん」
目を閉じたままの犬の顔に前足を乗せたシリウスは、何かを考えるように目を閉じ、つんつんとつついてくるおにぎりを振り払う事もしない。
何をしているのかわからない4人は、シリウスが言葉を発するのを待っていると、恋歌がシリウスと視線を合わせるように少し腰を曲げた。
『ねぇ…なにかできること、あるんでしょ?』
「!!
……」
撫でられた手の優しさに目を開けたシリウスは、泣きそうな顔をしながら恋歌の視線から逃げるように俯いた。
『わたしが、お手伝い、できること?』
言いにくいという事は自分に、”星の魔女”に関連する事なのではと、できることなのかを聞けば、その問いにはゆっくりとした頷きが返ってきた。
「おれは…星の魔女が一番大事で、星の魔女を支えるべき武器だ
だからこそ、おれは恋歌の負担になるわけには…」
ぼそぼそと話すシリウスの声にいつもの覇気がない。
”武器”でいなければいけない自分自身が、主である恋歌に願いを口にするのは憚られるという事なのだと理解したが、その言葉に恋歌がいつものように優しく笑った。
『シリウスのお願いを、今まで、星の魔女から、負担だって、言われたことある?』
「……な、い」
『そうだね
きっと…そうだと思った』
シリウスの今までの相棒も、他の星の魔女の事すべてを知っているわけではないが、なぜか自信を持って負担だと言われたことはないだろうと思った。
『シリウス
わたしが目指す魔女は、”最高の魔女”
あなたの知識を、わたしに教えて欲しい』
「……つくづくおれは星の魔女の”武器”に生まれてよかったと思うよ」
なにかが吹っ切れたかのように顔を上げたシリウスは、困ったような表情を浮かべていたが、声はいつもの調子に戻っていた。
「なにも言わなくていいのか?」
恋歌とシリウスの会話を黙って聞いていた4人は、シリウスの話を聞いている恋歌の背中をじっと見つめながら、最後まで口を出さなかったローにシャチが聞けば、わざとらしくため息をついた。
「…駄犬がやることだ
おれたちが口を出したところでわかるわけねぇからな」
「(素直じゃねぇな)」
魔女の事も、魔法の事も知識という点においてシリウスの右に出るものはここにはいない。
そしてシリウスが恋歌の事を大事に想っている事も知っている為、無茶はさせないという事も信じている。
だからこそ口を出す事はしないが、ローがそれを口に出すわけもない。
「…何とかなるといいね」
「…そうだな」
シリウスが恋歌に頼むのを躊躇したという事は成功率が低いのか、もしくは恋歌に少しでも危険があるのか。
魂の移動が禁忌であると知っているローは、シリウスの事を信じてはいるが不安を完璧になくすことはできないまま話は進んだ。