小さな友情
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「ふぅ、こんなもんか」
「だな」
目に見える範囲で集めた動物たちの骨を土に埋め終わり、全員で手を合わせてから砂浜に戻る。
「あ、終わってる」
「あ?」
砂浜に戻れば男は泡を吹いて気を失っており、ローは近くの流木に腰掛けてぼーっと海を眺めていた。
「そっちは終わったのか」
「ああ、もう簡単にしかできなかったけどな」
「弔うだけでも充分だろ」
全員が戻ってきた事で腰を上げたローは、おにぎりと連れてきた犬を残してきた船にちらりと視線を移す。
「あいつの話によると、動物を組み合わせて合成獣…つまり、キメラを作りあげ、自分の研究成果を海軍に売り込むつもりだったらしい」
「そんな事のために動物たちを…」
「くっだらね」
「まったくだ」
命を粗末に扱い、しかもそれで金儲けをしようとしていたと聞かされれば気分がいいものではない。
「研究に使われた動物たちの寿命は短く、あの犬も…もって後数日だそうだ」
「「「……」」」
それはシリウスの話を聞いた時から誰もが感じていた事だが、決して口には出さなかった言葉。
魂は1つの身体に1つしか宿る事はできない。
それがこの世の理であり、人間には曲げる事ができないもの。
そして、一度ゆがめてしまった事を元に戻す事も。
「おにぎりは…大丈夫なんだよね…?」
「ああ、あいつはあの犬が逃がしたらしい
それでも…あいつは諦められなくてここにいたんだろうな」
男が言うにはおにぎりが逃げたのはかなり前の事らしいが、遠くに行く事もなくあの小さな身体でこの森で生き抜いていた。
だが、あと数日の命となれば別れはもうそこまで迫ってきている。
それを理解できているのかはわからない。
『…シリウス、どうかした?』
「ん…あ、いや…なんでもない」
しんみりとした空気が流れている中、シリウスがずっと話さない事をふと疑問に思い、砂浜の上にちょこんと座り込んでいるシリウスに声をかければ、”なんでもない”とは思えない声音で返事が返ってきた。
「一先ず船に戻るぞ」
「「「アイアイ、キャプテン」」」
弔いも終わったのなら船の中で話の続きをしようと、男は身動きが取れないように近くの木に拘束し、ひとまず船の中に戻った。
「わんわん!!」
全員一緒に手術室に入ると、5人が揃って戻ってきたことに顔を輝かせたおにぎりが、手術台の上で尻尾を振っている。
「目は、覚まさないの?…」
「……」
ここに運ばれてきてから一度も目を覚ましていない犬に、おにぎりにお別れも言えないままになってしまうのではと、ベポが不安そうにローに視線を向けるが、欲しい返答も欲しくない返答もない。
一番お別れをしなければいけないおにぎりが現状を把握できておらず、今の状況を正確に伝える事も出来ない事にもどかしさを感じる。
「なぁおにぎり…
お前の大切なやつともう少しでお別れをしなきゃいけないんだ
わかるか?」
「??
わん!」
ペンギンが優しい口調で頭を撫でてやりながら話しかけるが、言葉の意味は理解できず撫でられている事に嬉しそうに尻尾を振っているだけ。
「だな」
目に見える範囲で集めた動物たちの骨を土に埋め終わり、全員で手を合わせてから砂浜に戻る。
「あ、終わってる」
「あ?」
砂浜に戻れば男は泡を吹いて気を失っており、ローは近くの流木に腰掛けてぼーっと海を眺めていた。
「そっちは終わったのか」
「ああ、もう簡単にしかできなかったけどな」
「弔うだけでも充分だろ」
全員が戻ってきた事で腰を上げたローは、おにぎりと連れてきた犬を残してきた船にちらりと視線を移す。
「あいつの話によると、動物を組み合わせて合成獣…つまり、キメラを作りあげ、自分の研究成果を海軍に売り込むつもりだったらしい」
「そんな事のために動物たちを…」
「くっだらね」
「まったくだ」
命を粗末に扱い、しかもそれで金儲けをしようとしていたと聞かされれば気分がいいものではない。
「研究に使われた動物たちの寿命は短く、あの犬も…もって後数日だそうだ」
「「「……」」」
それはシリウスの話を聞いた時から誰もが感じていた事だが、決して口には出さなかった言葉。
魂は1つの身体に1つしか宿る事はできない。
それがこの世の理であり、人間には曲げる事ができないもの。
そして、一度ゆがめてしまった事を元に戻す事も。
「おにぎりは…大丈夫なんだよね…?」
「ああ、あいつはあの犬が逃がしたらしい
それでも…あいつは諦められなくてここにいたんだろうな」
男が言うにはおにぎりが逃げたのはかなり前の事らしいが、遠くに行く事もなくあの小さな身体でこの森で生き抜いていた。
だが、あと数日の命となれば別れはもうそこまで迫ってきている。
それを理解できているのかはわからない。
『…シリウス、どうかした?』
「ん…あ、いや…なんでもない」
しんみりとした空気が流れている中、シリウスがずっと話さない事をふと疑問に思い、砂浜の上にちょこんと座り込んでいるシリウスに声をかければ、”なんでもない”とは思えない声音で返事が返ってきた。
「一先ず船に戻るぞ」
「「「アイアイ、キャプテン」」」
弔いも終わったのなら船の中で話の続きをしようと、男は身動きが取れないように近くの木に拘束し、ひとまず船の中に戻った。
「わんわん!!」
全員一緒に手術室に入ると、5人が揃って戻ってきたことに顔を輝かせたおにぎりが、手術台の上で尻尾を振っている。
「目は、覚まさないの?…」
「……」
ここに運ばれてきてから一度も目を覚ましていない犬に、おにぎりにお別れも言えないままになってしまうのではと、ベポが不安そうにローに視線を向けるが、欲しい返答も欲しくない返答もない。
一番お別れをしなければいけないおにぎりが現状を把握できておらず、今の状況を正確に伝える事も出来ない事にもどかしさを感じる。
「なぁおにぎり…
お前の大切なやつともう少しでお別れをしなきゃいけないんだ
わかるか?」
「??
わん!」
ペンギンが優しい口調で頭を撫でてやりながら話しかけるが、言葉の意味は理解できず撫でられている事に嬉しそうに尻尾を振っているだけ。