小さな友情
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一通り心配した恋歌の小言をでれでれとしながら聞いた後、いつまでも離れない事にしびれをきらしたローが恋歌の手を引いて艦内に戻った。
ちなみにペンギンとシャチは男が起きて逃げるかもしれないと、見張りをしておけと指示された為外に残っている。
「あ、キャプテン…!」
「目は覚ましてねぇのか」
手術室に入ればぐったりしたまま目を閉じている犬を覗き込むようにしていたベポが、ローの姿を見た瞬間ぱぁっと目を輝かせた。
「…一応診てやるがおれは獣医じゃねぇ、あまり期待はするな」
期待の眼差しを向けられているが、あくまでローは外科医であり獣医ではない。
だが最善を尽くしてくれるという事は知っている。
ROOMを展開し犬をスキャンし始めたローに、恋歌、ベポ、おにぎりが視線を向け、処置をしてくれている様子を見守る。
「…おれは獣医ではねぇが、こいつの身体が普通の犬とは違う事はわかった」
「え…それは…もしかして実験、とか…」
普通と違うと言われると思い浮かぶのは地下室の異様な光景や、島の動物たちの変異した姿。
「あいつがどんな実験をしていたかまではわからねぇが、こいつは身体の中に臓器が2つずつある」
「え!?2つずつ!?」
「ああ、不思議な事にそのすべてが正常に稼働し、こいつは生きてる」
『もしかして…』
そのローの言葉に小さくつぶやいた恋歌は、ぐったりしている犬の頭を撫でるように手を置いた。
「どうした」
『…この島の、動物たちを見てから、気になってたことが、あったんだけど』
「そういえば何か言いかけてたな」
地下で犬を見つけた時に何かを言いかけて止めていたのを思い出す。
『魂の数が、違う気がしてたの』
「魂の数…?」
「どんな生物にも魂があり、それが寿命を迎える事で星になる
星葬の時に昇っていく魂を見ただろ
どんな生物も例外なく魂は1つの身体につき1つ
だが、この島の動物たちの魂は1つの身体に2つ以上宿っている」
恋歌の言葉を補足するようにベポの頭の上にいたシリウスの言った事を頭の中で整理し、その補足で臓器の数が違う事の意味を理解した。
「こいつもか?」
ちらりとおにぎりを見た後、恋歌に視線を向けると緩く首を横に振られた。
『おにぎりは違う
でも…魂は、1つの身体に、2つ以上は、一緒に…いられない、の…』
「恋歌…」
ぽろ、と涙を零した恋歌が袖で涙を拭ったのを見て、ローが慰めるように頭を撫でて胸に引き寄せてやる。
「えっと…その魂ってのは、もう一度分けたりとかは…」
言葉を選ぶようにベポがシリウスに聞けば、ふるふると首を横に振られた。
「残念だが魂が抜けたということは、その魂があった肉体は既に滅んでいるはず
大体魂の移動がそんな簡単にできるわけないだろ」
「そ、そっか…」
「(この話…駄犬が言ってた星の魔女の禁忌の話に似てるな…)」
星の魔女の禁忌は魂を他の肉体に移す事。
つまり、魂を、星を冒とくした行為が星に嫌われるきっかけとなり、星の魔法が使えなくなる。
たとえ恋歌に魂を元に戻す事が出来るとしてもさせるわけにはいかない。
「じゃあ…この犬も、島の動物たちも…どうなるんだ?」
「まぁ…そりゃ…」
ベポの疑問にシリウスがちらりと恋歌を見た後、硬い口調で答えた瞬間、ベポの瞳が大きく揺れた。
ちなみにペンギンとシャチは男が起きて逃げるかもしれないと、見張りをしておけと指示された為外に残っている。
「あ、キャプテン…!」
「目は覚ましてねぇのか」
手術室に入ればぐったりしたまま目を閉じている犬を覗き込むようにしていたベポが、ローの姿を見た瞬間ぱぁっと目を輝かせた。
「…一応診てやるがおれは獣医じゃねぇ、あまり期待はするな」
期待の眼差しを向けられているが、あくまでローは外科医であり獣医ではない。
だが最善を尽くしてくれるという事は知っている。
ROOMを展開し犬をスキャンし始めたローに、恋歌、ベポ、おにぎりが視線を向け、処置をしてくれている様子を見守る。
「…おれは獣医ではねぇが、こいつの身体が普通の犬とは違う事はわかった」
「え…それは…もしかして実験、とか…」
普通と違うと言われると思い浮かぶのは地下室の異様な光景や、島の動物たちの変異した姿。
「あいつがどんな実験をしていたかまではわからねぇが、こいつは身体の中に臓器が2つずつある」
「え!?2つずつ!?」
「ああ、不思議な事にそのすべてが正常に稼働し、こいつは生きてる」
『もしかして…』
そのローの言葉に小さくつぶやいた恋歌は、ぐったりしている犬の頭を撫でるように手を置いた。
「どうした」
『…この島の、動物たちを見てから、気になってたことが、あったんだけど』
「そういえば何か言いかけてたな」
地下で犬を見つけた時に何かを言いかけて止めていたのを思い出す。
『魂の数が、違う気がしてたの』
「魂の数…?」
「どんな生物にも魂があり、それが寿命を迎える事で星になる
星葬の時に昇っていく魂を見ただろ
どんな生物も例外なく魂は1つの身体につき1つ
だが、この島の動物たちの魂は1つの身体に2つ以上宿っている」
恋歌の言葉を補足するようにベポの頭の上にいたシリウスの言った事を頭の中で整理し、その補足で臓器の数が違う事の意味を理解した。
「こいつもか?」
ちらりとおにぎりを見た後、恋歌に視線を向けると緩く首を横に振られた。
『おにぎりは違う
でも…魂は、1つの身体に、2つ以上は、一緒に…いられない、の…』
「恋歌…」
ぽろ、と涙を零した恋歌が袖で涙を拭ったのを見て、ローが慰めるように頭を撫でて胸に引き寄せてやる。
「えっと…その魂ってのは、もう一度分けたりとかは…」
言葉を選ぶようにベポがシリウスに聞けば、ふるふると首を横に振られた。
「残念だが魂が抜けたということは、その魂があった肉体は既に滅んでいるはず
大体魂の移動がそんな簡単にできるわけないだろ」
「そ、そっか…」
「(この話…駄犬が言ってた星の魔女の禁忌の話に似てるな…)」
星の魔女の禁忌は魂を他の肉体に移す事。
つまり、魂を、星を冒とくした行為が星に嫌われるきっかけとなり、星の魔法が使えなくなる。
たとえ恋歌に魂を元に戻す事が出来るとしてもさせるわけにはいかない。
「じゃあ…この犬も、島の動物たちも…どうなるんだ?」
「まぁ…そりゃ…」
ベポの疑問にシリウスがちらりと恋歌を見た後、硬い口調で答えた瞬間、ベポの瞳が大きく揺れた。