小さな友情
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「ちっ…どうなってんだ…」
無傷で地上に戻れたのはよかったが、入ってきた時と違う森の雰囲気に思わずローが舌打ちをした。
目の前にはどこか普通とは違う風貌のあらゆる動物たちが、口から涎を垂らしながら牙を覗かせている。
「(さっきの地下室の様子から考えると、こいつらはあの男に実験台にでもされてるってとこか…)」
普通の動物にはあるはずのない場所に角や牙、翼も生えている動物もおり、先ほど見た地下室の情報と照らし合わせて、この島の動物たちは先ほどの男に実験体にされているのではと仮説を立てた。
「恋歌、ベポ
港まで突っ切るぞ、はぐれるなよ!」
もし目の前の動物たちがただの実験台であるとするならば命を奪ったり傷つけたりすることは本望ではない。
最低限の攻撃で済むように避ける事を中心に港までの最短距離をローを先頭に走りはじめる。
恋歌もシリウスを刀に戻し、刀に牡羊座の力を纏わせあまり深く斬りつけないように刃を滑らせ眠らせていく。
ベポだけは自分と同じぐらいの大きさの犬を背負っているため、それをローと恋歌が守るように襲い掛かってくる動物たちを退け、砂浜に出る事ができた。
だが、目の前の光景に全員が足を止めるしかできなくなった。
「え!?あんなのあった!?」
「…逃がさねぇつもりか」
砂浜に出た瞬間、今まではなかった物体が海からこちらを狙っており、その物体の上には人間がいるのがわかる。
「その犬っころ2匹とそこの白クマを置いていくなら、人間2人は逃がしてあげる」
海に現れた物体の上の人間は先ほどの白衣を着た男。
こちらの方が先に地下から飛び出したはずではあるが、先回りをされたらしく地下室から助け出した犬を背負っているベポを見ながらまたにたりと嫌な笑みを浮かべている。
「あの機械なに…?」
「…嫌な予感しかしねぇな」
男が乗っている機械はいたるところから銃口が覗き、こちらのすべての銃口が向いている。
「恋歌、あいつの狙いはベポとその犬だ
おれがあいつの相手をする
お前はベポ達を先に船に連れて行け」
『…はい』
ベポは意識のない大きな犬を背負っているため得意の拳法は使えない。
しかも森に入る前に逃げろと指示があれば逃げるとローと約束をした。
ローが鬼哭を構え恋歌とベポに指示を出した瞬間、それに従うようにローに背を向けて恋歌とベポが船に向かって走りはじめる。
『ベポ、魔法をかけるから、船まで先に走って』
「う、うん!」
『【兎座の加護(レプスブレス)】』
「わぁ!!」
ベポに脚力強化の魔法をかけると、急にスピードが上がった事に驚いていたが、ぐっと足に力を入れて視界の端に写っている艦に向けて必死に足を動かす。
背後からはローの”ROOM”の発動音が聞こえ、機械音や発砲音も聞こえる。
「一度艦に戻ったらすぐにキャプテンのところに戻ろう!!」
『うん!!』
最短距離を突っ切り甲板へたどり着き、ベポと一緒に艦内に入って手術室にあるベッドへ大きな犬を下ろした。
「くーん…」
「おにぎりはここにいて
おれと恋歌はキャプテンのところに戻るから…」
心配そうに鳴いているおにぎりを一緒にベッドの上に乗せてやるが、なぜかベポのつなぎを咥えて離さない。
「どうしたんだ?
ここにいれば安全だから大丈夫だよ」
誰もいなくなるのが不安なのかとベポが安心させるように頭を撫でてやるが、それでもおにぎりはいやいやと首を振ってつなぎを引っ張り続けている。
無傷で地上に戻れたのはよかったが、入ってきた時と違う森の雰囲気に思わずローが舌打ちをした。
目の前にはどこか普通とは違う風貌のあらゆる動物たちが、口から涎を垂らしながら牙を覗かせている。
「(さっきの地下室の様子から考えると、こいつらはあの男に実験台にでもされてるってとこか…)」
普通の動物にはあるはずのない場所に角や牙、翼も生えている動物もおり、先ほど見た地下室の情報と照らし合わせて、この島の動物たちは先ほどの男に実験体にされているのではと仮説を立てた。
「恋歌、ベポ
港まで突っ切るぞ、はぐれるなよ!」
もし目の前の動物たちがただの実験台であるとするならば命を奪ったり傷つけたりすることは本望ではない。
最低限の攻撃で済むように避ける事を中心に港までの最短距離をローを先頭に走りはじめる。
恋歌もシリウスを刀に戻し、刀に牡羊座の力を纏わせあまり深く斬りつけないように刃を滑らせ眠らせていく。
ベポだけは自分と同じぐらいの大きさの犬を背負っているため、それをローと恋歌が守るように襲い掛かってくる動物たちを退け、砂浜に出る事ができた。
だが、目の前の光景に全員が足を止めるしかできなくなった。
「え!?あんなのあった!?」
「…逃がさねぇつもりか」
砂浜に出た瞬間、今まではなかった物体が海からこちらを狙っており、その物体の上には人間がいるのがわかる。
「その犬っころ2匹とそこの白クマを置いていくなら、人間2人は逃がしてあげる」
海に現れた物体の上の人間は先ほどの白衣を着た男。
こちらの方が先に地下から飛び出したはずではあるが、先回りをされたらしく地下室から助け出した犬を背負っているベポを見ながらまたにたりと嫌な笑みを浮かべている。
「あの機械なに…?」
「…嫌な予感しかしねぇな」
男が乗っている機械はいたるところから銃口が覗き、こちらのすべての銃口が向いている。
「恋歌、あいつの狙いはベポとその犬だ
おれがあいつの相手をする
お前はベポ達を先に船に連れて行け」
『…はい』
ベポは意識のない大きな犬を背負っているため得意の拳法は使えない。
しかも森に入る前に逃げろと指示があれば逃げるとローと約束をした。
ローが鬼哭を構え恋歌とベポに指示を出した瞬間、それに従うようにローに背を向けて恋歌とベポが船に向かって走りはじめる。
『ベポ、魔法をかけるから、船まで先に走って』
「う、うん!」
『【兎座の加護(レプスブレス)】』
「わぁ!!」
ベポに脚力強化の魔法をかけると、急にスピードが上がった事に驚いていたが、ぐっと足に力を入れて視界の端に写っている艦に向けて必死に足を動かす。
背後からはローの”ROOM”の発動音が聞こえ、機械音や発砲音も聞こえる。
「一度艦に戻ったらすぐにキャプテンのところに戻ろう!!」
『うん!!』
最短距離を突っ切り甲板へたどり着き、ベポと一緒に艦内に入って手術室にあるベッドへ大きな犬を下ろした。
「くーん…」
「おにぎりはここにいて
おれと恋歌はキャプテンのところに戻るから…」
心配そうに鳴いているおにぎりを一緒にベッドの上に乗せてやるが、なぜかベポのつなぎを咥えて離さない。
「どうしたんだ?
ここにいれば安全だから大丈夫だよ」
誰もいなくなるのが不安なのかとベポが安心させるように頭を撫でてやるが、それでもおにぎりはいやいやと首を振ってつなぎを引っ張り続けている。