小さな友情
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ローの能力で鉄製の扉を難なく通り抜けると、扉の中は今通って来た道よりも臭いが酷く、思わず全員が口元を手で覆った。
「…趣味の悪い部屋だな」
「なにこれ…」
目の前に広がるのは大きな手術台、そこから滴り落ちる大量の血、その周りには動かなくなった動物たちが転がり、何かの液体に浸けられた内臓が棚に並んでいる。
「恋歌、無理して見なくていい」
『…うん、ありがとう』
恋歌の心の傷をえぐるような血生臭い部屋、故郷が襲われた時に目を奪われた家族を見たときの記憶が蘇ってしまい、縋るようにローの腕を掴めば、視界を塞ぐように胸に引き寄せて頭を撫でてくれた。
「で、お前はここにおれたちを連れてきて何をしてほしいんだ」
「わん!」
こんな場所に連れてきて何をしてほしいのかと問えば、おにぎりがある場所に向かって吠えている。
恋歌はもう大丈夫だとローから離れようとしたが手だけは離してくれず、その手に安心しているのも事実である為、恋歌もぎゅっと握り返した。
「これ…もしかして…」
おにぎりが吠えている場所に視線を向ければ、透明な液体の中に大きな犬のような動物が入れられており、さるぐつわのようなものから酸素が流れているのか、たまに空気が漏れている。
「くーん…」
「…こいつを助けたいってわけだな」
ベポと同じぐらいの大きさの犬で、毛並が真っ白であるためおにぎりとどういう繋がりがあるのかはわからないが、機械を壊そうとかりかりとひっかいているのを見て、閉じ込められた目の前の動物を助けて欲しいのだと伝わった。
「全員下がってろ」
「わんわん!!」
聞きなれたローの”ROOM”が発動し、機械を壊すことなく中の犬は外に出され、床に横たわる犬におにぎりが駆け寄る。
「くーん…くーん…」
おにぎりは目を閉じたままの犬の顔を舐め、心配そうに鳴き声を上げる。
「ベポ、そいつを担げ
船で診察してやる」
「アイアイ、キャプテン
…恋歌?どうかした?」
ベポほどの大きさがある犬を抱えようとすると、じーっと恋歌が犬を見ている事に気づいた。
『…後で話すよ
まずは、ここから、出よう』
なにか言いたそうではあるが、この場所に長くとどまる理由もなくベポが犬を担ぎ、ローの能力で扉の外に出ようと手をかざした直後、背後から別の扉が開く音が聞こえ全員が振り返った。
「…まさか侵入者がここまで入ってくるなんてね
その扉、開いたら警報が鳴るようにしてたんだけどなぁ」
白衣を着て身体中にいろいろな機械を付けた男は警戒している3人の間をすり抜け、顎を触りながらローの能力で潜り抜けた扉をこんこんと叩いている。
「まぁでもここにいるって事は…僕の実験台にしていいって事だよね?」
「!!
恋歌、ベポ、走るぞ!」
光のない虚ろな目でにたりと口元が歪んだことに気づいたローがすぐに能力を発動させ、一瞬で全員を扉の外に出し、降りてきた階段を駆け上がる。
地上までローの能力で出た方が早いかと思ったが、かなり地下まで来ているらしく地上までの距離が遠く能力が届かない。
『ロー!』
「ちっ…
恋歌!!後ろ守れ!」
行きは何もなかったはずだが壁から銃口がいくつも向けられており、そこからいくつも注射器のようなものが飛んでくる。
それを前はローが、後ろは恋歌が守りながら階段を駆け上がり、無傷のまま入ってきた木の扉を蹴破り地上へ戻ってきた。
「…趣味の悪い部屋だな」
「なにこれ…」
目の前に広がるのは大きな手術台、そこから滴り落ちる大量の血、その周りには動かなくなった動物たちが転がり、何かの液体に浸けられた内臓が棚に並んでいる。
「恋歌、無理して見なくていい」
『…うん、ありがとう』
恋歌の心の傷をえぐるような血生臭い部屋、故郷が襲われた時に目を奪われた家族を見たときの記憶が蘇ってしまい、縋るようにローの腕を掴めば、視界を塞ぐように胸に引き寄せて頭を撫でてくれた。
「で、お前はここにおれたちを連れてきて何をしてほしいんだ」
「わん!」
こんな場所に連れてきて何をしてほしいのかと問えば、おにぎりがある場所に向かって吠えている。
恋歌はもう大丈夫だとローから離れようとしたが手だけは離してくれず、その手に安心しているのも事実である為、恋歌もぎゅっと握り返した。
「これ…もしかして…」
おにぎりが吠えている場所に視線を向ければ、透明な液体の中に大きな犬のような動物が入れられており、さるぐつわのようなものから酸素が流れているのか、たまに空気が漏れている。
「くーん…」
「…こいつを助けたいってわけだな」
ベポと同じぐらいの大きさの犬で、毛並が真っ白であるためおにぎりとどういう繋がりがあるのかはわからないが、機械を壊そうとかりかりとひっかいているのを見て、閉じ込められた目の前の動物を助けて欲しいのだと伝わった。
「全員下がってろ」
「わんわん!!」
聞きなれたローの”ROOM”が発動し、機械を壊すことなく中の犬は外に出され、床に横たわる犬におにぎりが駆け寄る。
「くーん…くーん…」
おにぎりは目を閉じたままの犬の顔を舐め、心配そうに鳴き声を上げる。
「ベポ、そいつを担げ
船で診察してやる」
「アイアイ、キャプテン
…恋歌?どうかした?」
ベポほどの大きさがある犬を抱えようとすると、じーっと恋歌が犬を見ている事に気づいた。
『…後で話すよ
まずは、ここから、出よう』
なにか言いたそうではあるが、この場所に長くとどまる理由もなくベポが犬を担ぎ、ローの能力で扉の外に出ようと手をかざした直後、背後から別の扉が開く音が聞こえ全員が振り返った。
「…まさか侵入者がここまで入ってくるなんてね
その扉、開いたら警報が鳴るようにしてたんだけどなぁ」
白衣を着て身体中にいろいろな機械を付けた男は警戒している3人の間をすり抜け、顎を触りながらローの能力で潜り抜けた扉をこんこんと叩いている。
「まぁでもここにいるって事は…僕の実験台にしていいって事だよね?」
「!!
恋歌、ベポ、走るぞ!」
光のない虚ろな目でにたりと口元が歪んだことに気づいたローがすぐに能力を発動させ、一瞬で全員を扉の外に出し、降りてきた階段を駆け上がる。
地上までローの能力で出た方が早いかと思ったが、かなり地下まで来ているらしく地上までの距離が遠く能力が届かない。
『ロー!』
「ちっ…
恋歌!!後ろ守れ!」
行きは何もなかったはずだが壁から銃口がいくつも向けられており、そこからいくつも注射器のようなものが飛んでくる。
それを前はローが、後ろは恋歌が守りながら階段を駆け上がり、無傷のまま入ってきた木の扉を蹴破り地上へ戻ってきた。