小さな友情
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まずはローに話をしようとペンギンとシャチとの話が終わるまで食堂で待っていると、1時間ほどしてから食堂にペンギンとシャチが入ってきた。
「あれ、2人ともここにいたんだ」
「うん」
『お話、終わった?』
「ああ」
2人が自分の席に座ると疲れたように同時に息をはいた。
「恋歌、おれたちもキャプテンのところ行こう」
『うん』
入れ替わりでローの部屋に行こうと立ち上がる2人を、視線で追いかけて見送ろうとすると、ベポがぴたりと歩みを止めて振り返った。
「ちょっとキャプテンと話してくるから、まだ出航準備しないでね」
「…そりゃお前が指示出してくれなきゃ進路取れねぇからいいけどよ」
「なにか理由あんの?」
今ローと話してベポと進路の確認をしたらすぐに出航をすると言われたばかり。
「…気になる事があるんだ」
「「気になる事?」」
「おにぎりとシリウスの事見てて」
疲れたのかおにぎりの背中を枕にして眠っているシリウスと、それを気にすることなくその状態のまま眠っているおにぎりを置いて、恋歌とベポが食堂から出て行った。
こんこん、とローの部屋の扉をノックすれば、入室の許可が下り2人揃って部屋に入ればぴくりとローの眉が動いた。
「はぁ…お前たち2人が揃っておれのとこに来るなんて珍しいな」
机に肘を置いて頬杖をついているローは少し嫌な予感がして、大きなため息をついた。
「キャプテン…
あと一日だけでいい、出航を待ってほしい」
「…この不気味な島に留まる理由があるってんなら言ってみろ」
思った通りの嫌な予感が的中し、理由だけは聞いてやろうと真剣な顔をしているベポの目をじっと見つめると、ぐっと拳を握りしめた。
「…人間が、いるんだ
たぶん…なんだけど…」
「…根拠は?」
「はっきりとした根拠は…ない、けど…
視線を感じたんだ
人間だと思う」
「そんな漠然とした理由だけで全員を危険に晒す気か?」
「違う!
そうじゃなくて…ちょっとでもおにぎりの事を知ってる人がいるかもしれないなら…ちゃんと確かめたいんだ…」
「……で?
恋歌は?」
ベポの”家族”に対する想いは知っている。
兄に会うために幼い時に故郷をたった1人で出て、今も兄を探している。
そのベポがおにぎりの”家族”がいるかもしれない場所で、可能性が残っているなら探したいと思うのは必然。
だが、恋歌を連れて来たという事は何か理由があるのかと、まだ一言も話していない恋歌に視線をずらした。
『おにぎりは、シリウスが、身を挺して、庇った子だし
わたしは…仲間のために、魔法を使うって、知ってるでしょ?』
「はぁ…」
「恋歌…」
にっこり笑った恋歌の笑顔はローがどんなことを言おうとも引くことはしない表情をしており、それに気づいたローは頭を抱えてまた大きなため息をついた。
「あのなぁ…それにおれが頷くとでも思ったか?」
『…思ってないよ
でも…ベポがいないと、困るのは、ローだからね』
ぎゅっとベポの腕にしがみついた恋歌は、ローが優しい事を知っている。
それを利用するのもどうかとも思ったが、ぽかんと口を開けたまま固まっているローの表情を見て、きっと頷いてくれると確信を持った。
「あれ、2人ともここにいたんだ」
「うん」
『お話、終わった?』
「ああ」
2人が自分の席に座ると疲れたように同時に息をはいた。
「恋歌、おれたちもキャプテンのところ行こう」
『うん』
入れ替わりでローの部屋に行こうと立ち上がる2人を、視線で追いかけて見送ろうとすると、ベポがぴたりと歩みを止めて振り返った。
「ちょっとキャプテンと話してくるから、まだ出航準備しないでね」
「…そりゃお前が指示出してくれなきゃ進路取れねぇからいいけどよ」
「なにか理由あんの?」
今ローと話してベポと進路の確認をしたらすぐに出航をすると言われたばかり。
「…気になる事があるんだ」
「「気になる事?」」
「おにぎりとシリウスの事見てて」
疲れたのかおにぎりの背中を枕にして眠っているシリウスと、それを気にすることなくその状態のまま眠っているおにぎりを置いて、恋歌とベポが食堂から出て行った。
こんこん、とローの部屋の扉をノックすれば、入室の許可が下り2人揃って部屋に入ればぴくりとローの眉が動いた。
「はぁ…お前たち2人が揃っておれのとこに来るなんて珍しいな」
机に肘を置いて頬杖をついているローは少し嫌な予感がして、大きなため息をついた。
「キャプテン…
あと一日だけでいい、出航を待ってほしい」
「…この不気味な島に留まる理由があるってんなら言ってみろ」
思った通りの嫌な予感が的中し、理由だけは聞いてやろうと真剣な顔をしているベポの目をじっと見つめると、ぐっと拳を握りしめた。
「…人間が、いるんだ
たぶん…なんだけど…」
「…根拠は?」
「はっきりとした根拠は…ない、けど…
視線を感じたんだ
人間だと思う」
「そんな漠然とした理由だけで全員を危険に晒す気か?」
「違う!
そうじゃなくて…ちょっとでもおにぎりの事を知ってる人がいるかもしれないなら…ちゃんと確かめたいんだ…」
「……で?
恋歌は?」
ベポの”家族”に対する想いは知っている。
兄に会うために幼い時に故郷をたった1人で出て、今も兄を探している。
そのベポがおにぎりの”家族”がいるかもしれない場所で、可能性が残っているなら探したいと思うのは必然。
だが、恋歌を連れて来たという事は何か理由があるのかと、まだ一言も話していない恋歌に視線をずらした。
『おにぎりは、シリウスが、身を挺して、庇った子だし
わたしは…仲間のために、魔法を使うって、知ってるでしょ?』
「はぁ…」
「恋歌…」
にっこり笑った恋歌の笑顔はローがどんなことを言おうとも引くことはしない表情をしており、それに気づいたローは頭を抱えてまた大きなため息をついた。
「あのなぁ…それにおれが頷くとでも思ったか?」
『…思ってないよ
でも…ベポがいないと、困るのは、ローだからね』
ぎゅっとベポの腕にしがみついた恋歌は、ローが優しい事を知っている。
それを利用するのもどうかとも思ったが、ぽかんと口を開けたまま固まっているローの表情を見て、きっと頷いてくれると確信を持った。