小さな友情
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艦に戻ってきた後、ローはシャチが準備していた救急箱でおにぎりの傷の手当をしてやり、次はシリウスだと手当てをしてやろうとするが、いつかの出来事を思い出させるかのようにシリウスがずっとローの手を払いのけている。
「てめぇ…いいかげんにしろよ」
「だから言ってんだろ
おれは恋歌の魔力で回復する”刀”だ
この仮の姿の時にどれだけ怪我をしようが、放っておけば治る」
どれだけ見た目が怪我をしているように見えても、あくまでシリウスの本来の姿は”刀”。
主である恋歌の魔力で回復すると何度言い、手当てをしようと伸ばしてくるローの手をぺしぺしと前足で拒否を続けている。
『シリウス、ローは心配を、してくれてるんだよ』
「……ふん」
「…いや、おれは別に」
シリウスがローの目の前から逃げられないのは恋歌が抱えているからであり、あまりにも拒否を続けるシリウスに恋歌が叱るように視線を合わせれば、ふいと気まずそうにシリウスが視線を逸らす。
「………わかった」
だが、シリウスが恋歌に勝てるはずもなく、最終的には渋々怪我をした場所を自らローの手の上に乗せた。
小さな足についた擦り傷に消毒液のついた綿をちょん、とつけると、シリウスの身体がびくりと震えた。
「…さてはお前、痛いのが嫌なだけだろ」
にやりと笑ったローの笑みに悪寒がしたシリウスは、恋歌の手から逃れようとまたじたばたと暴れだした。
「恋歌、絶対に駄犬を離すなよ」
『え、うん』
「は、離せ!!
この…クソガキ!後で覚えてろよ!!」
シリウスの怒りの声は誰にも聞き入れられず、ローの手によってすべての傷を消毒され、終わった頃には疲れ切ったように甲板に仰向けに寝転がっていた。
「ほら、恋歌も診せろ」
『ありがとう』
鳥から逃げる時に腕と足に少しだけ怪我をした恋歌は簡単にローに手当てをされ、シリウスをつんつんとつついているおにぎりを抱き上げてやる。
『おにぎり、この島を離れても、大丈夫?』
「??」
へっへっへっ、と尻尾を振りながら首を不思議そうに傾げている。
「恋歌ー、取り敢えず地図見たんだけどやっぱり近くに島はないね」
艦の中から近くの島を探すために地図を広げたベポが現れ、恋歌とローに見えるように地図を甲板に置く。
「今多分このあたりなんだけど…」
このあたり、とベポが指さした場所には海以外何もなく、近くには島もない。
「次の島まではどのぐらいかかる」
「おれの予想では10日はかかるかな…」
「そうか…」
「キャプテン、ちょっといい?」
「ああ
恋歌、そいつらあんまり動かねぇように見張っとけよ」
『わかった』
次の島までの日数に何かを考えるように黙ったローだったが、ペンギンに呼ばれ艦の中に入って行った。
「ねぇ恋歌…」
『なに?』
ベポが恋歌の腕の中にいるおにぎりの頭を撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振っているが、ベポの表情は少し暗い。
「おれ…さっき森に入った時に…なんか、ずっと見られてる感じがしたんだ」
『え…』
「たぶん、気の所為じゃない
恋歌ならわかるよね…自分に向けられる、嫌な視線っていうの」
『……』
ベポの言葉を一番理解できるのはおそらく恋歌。
それをわかっているからこそまずは恋歌に相談をした。
「恋歌もキャプテンも感じなかったなら、きっとおれだけに向けられたんだと思う」
『でもここに…人間は…』
「…いると思う
姿は見せてないけど、どこからか見てる」
『……わかった』
ベポの言葉を疑うわけもない。
恋歌は今朝にあった嫌な気配が綺麗に消えた森をじっと見つめて、ベポと視線を交わしてふっと柔らかく笑った。
「てめぇ…いいかげんにしろよ」
「だから言ってんだろ
おれは恋歌の魔力で回復する”刀”だ
この仮の姿の時にどれだけ怪我をしようが、放っておけば治る」
どれだけ見た目が怪我をしているように見えても、あくまでシリウスの本来の姿は”刀”。
主である恋歌の魔力で回復すると何度言い、手当てをしようと伸ばしてくるローの手をぺしぺしと前足で拒否を続けている。
『シリウス、ローは心配を、してくれてるんだよ』
「……ふん」
「…いや、おれは別に」
シリウスがローの目の前から逃げられないのは恋歌が抱えているからであり、あまりにも拒否を続けるシリウスに恋歌が叱るように視線を合わせれば、ふいと気まずそうにシリウスが視線を逸らす。
「………わかった」
だが、シリウスが恋歌に勝てるはずもなく、最終的には渋々怪我をした場所を自らローの手の上に乗せた。
小さな足についた擦り傷に消毒液のついた綿をちょん、とつけると、シリウスの身体がびくりと震えた。
「…さてはお前、痛いのが嫌なだけだろ」
にやりと笑ったローの笑みに悪寒がしたシリウスは、恋歌の手から逃れようとまたじたばたと暴れだした。
「恋歌、絶対に駄犬を離すなよ」
『え、うん』
「は、離せ!!
この…クソガキ!後で覚えてろよ!!」
シリウスの怒りの声は誰にも聞き入れられず、ローの手によってすべての傷を消毒され、終わった頃には疲れ切ったように甲板に仰向けに寝転がっていた。
「ほら、恋歌も診せろ」
『ありがとう』
鳥から逃げる時に腕と足に少しだけ怪我をした恋歌は簡単にローに手当てをされ、シリウスをつんつんとつついているおにぎりを抱き上げてやる。
『おにぎり、この島を離れても、大丈夫?』
「??」
へっへっへっ、と尻尾を振りながら首を不思議そうに傾げている。
「恋歌ー、取り敢えず地図見たんだけどやっぱり近くに島はないね」
艦の中から近くの島を探すために地図を広げたベポが現れ、恋歌とローに見えるように地図を甲板に置く。
「今多分このあたりなんだけど…」
このあたり、とベポが指さした場所には海以外何もなく、近くには島もない。
「次の島まではどのぐらいかかる」
「おれの予想では10日はかかるかな…」
「そうか…」
「キャプテン、ちょっといい?」
「ああ
恋歌、そいつらあんまり動かねぇように見張っとけよ」
『わかった』
次の島までの日数に何かを考えるように黙ったローだったが、ペンギンに呼ばれ艦の中に入って行った。
「ねぇ恋歌…」
『なに?』
ベポが恋歌の腕の中にいるおにぎりの頭を撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振っているが、ベポの表情は少し暗い。
「おれ…さっき森に入った時に…なんか、ずっと見られてる感じがしたんだ」
『え…』
「たぶん、気の所為じゃない
恋歌ならわかるよね…自分に向けられる、嫌な視線っていうの」
『……』
ベポの言葉を一番理解できるのはおそらく恋歌。
それをわかっているからこそまずは恋歌に相談をした。
「恋歌もキャプテンも感じなかったなら、きっとおれだけに向けられたんだと思う」
『でもここに…人間は…』
「…いると思う
姿は見せてないけど、どこからか見てる」
『……わかった』
ベポの言葉を疑うわけもない。
恋歌は今朝にあった嫌な気配が綺麗に消えた森をじっと見つめて、ベポと視線を交わしてふっと柔らかく笑った。