小さな友情
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歩き始めてしばらく経ったが、現在シリウスとおにぎりは適度な穴の中に並んでへたり込んでいた。
「お前は狙って罠に引っかかってんのか…?」
「くーん…」
一度罠にかかってからかなり気を付けて歩いているつもりだったが、なぜかおにぎりがことごとく罠にかかり、それをシリウスが助けたり庇ったりするのを繰り返している。
その所為でお互いにぼろぼろになってしまい、シリウスもおにぎりも傷だらけになってしまった。
また足に怪我をしてしまったおにぎりの為と、これ以上自分達だけで進むのは無理だと判断したシリウスが、手ごろな穴を見つけ待機している状態。
「恋歌に呼ばれる気配もなし…
恋歌の方もおれの居場所がわからねぇんだろうな…」
こんなに長時間離れていれば恋歌の性格なら、危険な場所に自分たちを放置しておくわけはないと信じている。
それに憎まれ口を叩いてはいるが、ローもベポも何とかして合流しようとしてくれるはずだ。
その仲間たちが迎えに来ないということは何かあったのだろうとそちらの方も心配になってくる。
「(たまに不気味な気配が近くを通ってるが…
人間…のような、違うような…)」
たまに穴の近くで大小さまざまな大きさの足音が聞こえるが、足音の正体がわからない以上、顔を出す事はできないと穴の中でじっと息を殺して動かずにいる。
ちらりと横にいるおにぎりを見れば、怪我をした場所を舌でぺろぺろと舐めている。
「(いっそのこと光で恋歌に居場所を伝えるか…?
いや、別の奴に先に見つかった場合、こいつの怪我じゃ逃げ切れる保証はない)」
ぐるぐると何かいい方法はないかと考えるが、子犬2匹でできることは限界がある。
「わん…」
「ん?
ああ…気にするな」
元気のない鳴き声が近くで聞こえ振り向くと、ぺろりと怪我をした背中を舐められた。
おそらく自分より小さなシリウスが、自分を庇って怪我をしてしまった事に罪悪感を感じているのだろうというのはわかるが、実際はシリウスの方がおにぎりの何百倍も生きている。
気にするなとぽん、と前足をおにぎりの頭の上に乗せてやるが、毛に滲んでいる血が気になるのか先ほどまでの元気はない。
「!
おい!もっと奥に下がれ!」
「わ、わん!わん!」
ぴくりと何かの気配を感じ取った直後、全力でおにぎりを穴の奥へと突き飛ばした。
突き飛ばした瞬間、穴の中に爪の伸びた大きな獣の前足が穴を突き破りながらシリウスの身体を捕らえた。
穴から引きずり出され踏みつけられたシリウスは、何が自分を踏みつけているのだろうと唯一自由に動かせる視線を上に向けた。
自分を踏みつけているのは大型の獣の足で、その正体は虎に似た柄をした肉食動物。
なぜか2本ある尻尾はゆらゆらと別の方向に揺れている。
鋭い牙に鋭い爪、垂れた涎が地面に滴り落ち、シリウスの近くに水たまりを作っていく。
「わんわんわんわん!!」
「おい!!お前は離れてろ!!」
魔法で獣の足を焼いてやろうとしたが、それより先におにぎりがシリウスを押さえつけている獣の足に体当たりを始めた。
シリウスを助け出そうとしているのだろうが、恐怖でおにぎりの足ががくがくと震えている。
「おれの事は気にしなくていい!
お前は隠れてろ!!」
早く行けと吠えるがこんな時ばかり意味を理解したおにぎりが嫌だと首を横に振ってもう一度獣の足に体当たりをした。
「きゃん…!」
「おい!」
だが獣におにぎりの攻撃が効くはずもなく、反対の足でばんっと踏みつぶされた。
じたじたと足をばたつかせているが、逃げられるはずがない。
「ちっ…!」
舌打ちをしたシリウスは魔方陣を発動させた。
「お前は狙って罠に引っかかってんのか…?」
「くーん…」
一度罠にかかってからかなり気を付けて歩いているつもりだったが、なぜかおにぎりがことごとく罠にかかり、それをシリウスが助けたり庇ったりするのを繰り返している。
その所為でお互いにぼろぼろになってしまい、シリウスもおにぎりも傷だらけになってしまった。
また足に怪我をしてしまったおにぎりの為と、これ以上自分達だけで進むのは無理だと判断したシリウスが、手ごろな穴を見つけ待機している状態。
「恋歌に呼ばれる気配もなし…
恋歌の方もおれの居場所がわからねぇんだろうな…」
こんなに長時間離れていれば恋歌の性格なら、危険な場所に自分たちを放置しておくわけはないと信じている。
それに憎まれ口を叩いてはいるが、ローもベポも何とかして合流しようとしてくれるはずだ。
その仲間たちが迎えに来ないということは何かあったのだろうとそちらの方も心配になってくる。
「(たまに不気味な気配が近くを通ってるが…
人間…のような、違うような…)」
たまに穴の近くで大小さまざまな大きさの足音が聞こえるが、足音の正体がわからない以上、顔を出す事はできないと穴の中でじっと息を殺して動かずにいる。
ちらりと横にいるおにぎりを見れば、怪我をした場所を舌でぺろぺろと舐めている。
「(いっそのこと光で恋歌に居場所を伝えるか…?
いや、別の奴に先に見つかった場合、こいつの怪我じゃ逃げ切れる保証はない)」
ぐるぐると何かいい方法はないかと考えるが、子犬2匹でできることは限界がある。
「わん…」
「ん?
ああ…気にするな」
元気のない鳴き声が近くで聞こえ振り向くと、ぺろりと怪我をした背中を舐められた。
おそらく自分より小さなシリウスが、自分を庇って怪我をしてしまった事に罪悪感を感じているのだろうというのはわかるが、実際はシリウスの方がおにぎりの何百倍も生きている。
気にするなとぽん、と前足をおにぎりの頭の上に乗せてやるが、毛に滲んでいる血が気になるのか先ほどまでの元気はない。
「!
おい!もっと奥に下がれ!」
「わ、わん!わん!」
ぴくりと何かの気配を感じ取った直後、全力でおにぎりを穴の奥へと突き飛ばした。
突き飛ばした瞬間、穴の中に爪の伸びた大きな獣の前足が穴を突き破りながらシリウスの身体を捕らえた。
穴から引きずり出され踏みつけられたシリウスは、何が自分を踏みつけているのだろうと唯一自由に動かせる視線を上に向けた。
自分を踏みつけているのは大型の獣の足で、その正体は虎に似た柄をした肉食動物。
なぜか2本ある尻尾はゆらゆらと別の方向に揺れている。
鋭い牙に鋭い爪、垂れた涎が地面に滴り落ち、シリウスの近くに水たまりを作っていく。
「わんわんわんわん!!」
「おい!!お前は離れてろ!!」
魔法で獣の足を焼いてやろうとしたが、それより先におにぎりがシリウスを押さえつけている獣の足に体当たりを始めた。
シリウスを助け出そうとしているのだろうが、恐怖でおにぎりの足ががくがくと震えている。
「おれの事は気にしなくていい!
お前は隠れてろ!!」
早く行けと吠えるがこんな時ばかり意味を理解したおにぎりが嫌だと首を横に振ってもう一度獣の足に体当たりをした。
「きゃん…!」
「おい!」
だが獣におにぎりの攻撃が効くはずもなく、反対の足でばんっと踏みつぶされた。
じたじたと足をばたつかせているが、逃げられるはずがない。
「ちっ…!」
舌打ちをしたシリウスは魔方陣を発動させた。