小さな友情
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
恋歌たちと別れた後、シリウスは匂いを辿っておにぎりを追いかけ、はぐれた場所からかなり離れた場所にある小さな穴にはまってぶるぶると震えているのを見つけた。
「はぁ…おい、もうさっきのやつはいない
恋歌たちのところに戻るぞ」
「くーん…」
見ているお尻をつついて出てくるように促すが、嫌だと首を振って出てこない。
「(とは言え、何かに遮られて恋歌の居場所が曖昧だ
簡単な方角しかわからねぇか…)」
普段であれば意識すればお互いの居場所はわかる様になっているが、この感じであれば恋歌の方からもシリウスの正確な居場所もわからないだろう。
「あいつらの傍にいる事がお前にとって一番安全なんだ
さっさと戻るぞ」
先ほどより強めにつついて催促をすると、ゆっくりと振り返って不安げな表情をしているおにぎりは、シリウスの言葉は理解出来ていないだろうが、のそのそと穴から出てきた。
「くーん…」
「お前よくここで生きてたな」
おおよそではあるが恋歌のいる方角へ歩き出すと、怖いのか置いていかれないようにおにぎりが横に走り寄ってきた。
「(あいつがこの森には罠がたくさんあるって言ってたな
恋歌が来るのを待つのが良いか…?)」
恋歌の魔力を頼りに進もうとしたが、数メートル先は暗闇が広がっており、シリウスは仕掛けられた罠を見破る事は出来ない。
じっと誰かが来るのを待つのが良いだろうかと悩み始めたが、おにぎりが震えている姿を見て、一刻も早く安心させてやりたいと無意識に待つという選択肢を頭から消した。
暗闇も恐怖心を増長させているのではと、自分が発動できる魔法で辺りを明るくしようかと思ったが、先ほどの大型の動物の姿を思い出し、誰かが近くにいるのを確信してからにしようと、罠に注意しながらゆっくりと歩みを進める。
「(恋歌の気配の位置が頻繁にずれるな…
まださっきのやつから逃げてるって事か…?)」
恋歌の気配を頼りに歩く方角を決めていたが、感じ取れる気配の位置が定まらない。
「??」
急に立ち止まったシリウスに、不思議そうな顔をしながらおにぎりも立ち止まる。
「仕方ない
おい、恋歌の位置がはっきりするまでどこかに隠れるぞ」
「?
わん!わん!」
「静かにしろって!」
「くーん…」
シリウスの言葉に元気に返事をしたおにぎりだったが、シリウスに怒られまた元気をなくしてしまった。
「きゃん…!!」
「!!」
はぁ、とため息をついたシリウスが前を向いた直後、おにぎりの悲鳴が聞こえ慌てて振り返れば、おにぎりの後足が罠にかかっており縄が足に絡まってしまっていた。
「何やってんだ…」
「くーん…」
しょんぼりしたような鳴き声を出すおにぎりだが、足の縄が気になるようで前足でかりかりとひっかいて外そうとしている。
「…こりゃおれたちの手足じゃ取れそうにないな
仕方ない、動くなよ」
縄を解くのを手伝ってやりたいが、細かい作業のできない子犬の手足では簡単に解くことはできないだろう。
自分達より大きな敵がたくさんいる中で、こんなところでもたもたしているのも危険だと判断し、おにぎりから少し離れた場所の縄に前足を乗せた。
シリウスの足元から小さな魔方陣が浮かびあがり、縄に火が点って縄が焼き切れた。
「よし、これで歩けるだろ
行くぞ」
「わん!」
「だから静かにしろって!!」
助けてくれたことが嬉しいのかまた大きな声で返事をしたおにぎりをシリウスが怒り、またゆっくりと歩みを進めた。
「はぁ…おい、もうさっきのやつはいない
恋歌たちのところに戻るぞ」
「くーん…」
見ているお尻をつついて出てくるように促すが、嫌だと首を振って出てこない。
「(とは言え、何かに遮られて恋歌の居場所が曖昧だ
簡単な方角しかわからねぇか…)」
普段であれば意識すればお互いの居場所はわかる様になっているが、この感じであれば恋歌の方からもシリウスの正確な居場所もわからないだろう。
「あいつらの傍にいる事がお前にとって一番安全なんだ
さっさと戻るぞ」
先ほどより強めにつついて催促をすると、ゆっくりと振り返って不安げな表情をしているおにぎりは、シリウスの言葉は理解出来ていないだろうが、のそのそと穴から出てきた。
「くーん…」
「お前よくここで生きてたな」
おおよそではあるが恋歌のいる方角へ歩き出すと、怖いのか置いていかれないようにおにぎりが横に走り寄ってきた。
「(あいつがこの森には罠がたくさんあるって言ってたな
恋歌が来るのを待つのが良いか…?)」
恋歌の魔力を頼りに進もうとしたが、数メートル先は暗闇が広がっており、シリウスは仕掛けられた罠を見破る事は出来ない。
じっと誰かが来るのを待つのが良いだろうかと悩み始めたが、おにぎりが震えている姿を見て、一刻も早く安心させてやりたいと無意識に待つという選択肢を頭から消した。
暗闇も恐怖心を増長させているのではと、自分が発動できる魔法で辺りを明るくしようかと思ったが、先ほどの大型の動物の姿を思い出し、誰かが近くにいるのを確信してからにしようと、罠に注意しながらゆっくりと歩みを進める。
「(恋歌の気配の位置が頻繁にずれるな…
まださっきのやつから逃げてるって事か…?)」
恋歌の気配を頼りに歩く方角を決めていたが、感じ取れる気配の位置が定まらない。
「??」
急に立ち止まったシリウスに、不思議そうな顔をしながらおにぎりも立ち止まる。
「仕方ない
おい、恋歌の位置がはっきりするまでどこかに隠れるぞ」
「?
わん!わん!」
「静かにしろって!」
「くーん…」
シリウスの言葉に元気に返事をしたおにぎりだったが、シリウスに怒られまた元気をなくしてしまった。
「きゃん…!!」
「!!」
はぁ、とため息をついたシリウスが前を向いた直後、おにぎりの悲鳴が聞こえ慌てて振り返れば、おにぎりの後足が罠にかかっており縄が足に絡まってしまっていた。
「何やってんだ…」
「くーん…」
しょんぼりしたような鳴き声を出すおにぎりだが、足の縄が気になるようで前足でかりかりとひっかいて外そうとしている。
「…こりゃおれたちの手足じゃ取れそうにないな
仕方ない、動くなよ」
縄を解くのを手伝ってやりたいが、細かい作業のできない子犬の手足では簡単に解くことはできないだろう。
自分達より大きな敵がたくさんいる中で、こんなところでもたもたしているのも危険だと判断し、おにぎりから少し離れた場所の縄に前足を乗せた。
シリウスの足元から小さな魔方陣が浮かびあがり、縄に火が点って縄が焼き切れた。
「よし、これで歩けるだろ
行くぞ」
「わん!」
「だから静かにしろって!!」
助けてくれたことが嬉しいのかまた大きな声で返事をしたおにぎりをシリウスが怒り、またゆっくりと歩みを進めた。