小さな友情
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”いたた…”とぶつけた頭を擦りながら何がぶつかってきたのかと、胸にぶつかった白い塊を見ると、ぶるぶると震えているおにぎりが引っ付いていた。
『よかった…』
「え、なになに
どうかした?」
その後すぐにまだ髪が乾いてない状態で食堂に入ってきた恋歌と、震えているおにぎりを見てシャチが首を傾げた。
『魔方陣に、驚いたみたいで…』
「ああ…なるほど」
胸に引っ付いているおにぎりに触れればまだ少し湿っており、いつも通り魔法で乾かそうとしたのを驚いて逃げ出してしまったのだろうと理解した。
「おい、恋歌
まずはお前の髪を乾かせ、風邪を引く」
『え、あ…』
ぐいっとローに手を引かれて椅子に座らされ、さっさとしろと言わんばかりの視線を向けられ両手に魔方陣を発動させて自分の髪を乾かしていく。
「そいつ寄越せ」
「ほい」
シャチに引っ付いたままのおにぎりをローに渡すと、恋歌の横に腰を下ろした。
「いいか、恋歌のあれはお前を傷つけるもんじゃねぇ」
ずいっとおにぎりの視線を恋歌に向け、先ほど恋歌が何をしようとしていたのか、おにぎりにとって危険ではない物だと理解させる為に淡々と説明をする。
「おれたち全員、お前を傷つけることはねぇ
自分に敵意があるのかないのか、それを見極められるようにならねぇと生きていけねぇぞ」
「くーん…」
もしおにぎりがこの先自然界で生きていかなければいけないとすれば、相手が自分に害を与えようとしているのか、善意の行動なのかは自分自身で見極めなければならない。
「キャプテン…それはおにぎりには難しいんじゃ…」
「難しくても危険を教えてくれる相手がいる間に覚える必要がある
いつまでもおれたちがこいつの傍にいる事はできねぇんだからな」
ローの正論に誰も何も言う事が出来ず、黙って恋歌の手元を見ているおにぎりが、ローの優しさを感じ取ってくれるように祈った。
「仕方ねぇな
おれが先に手本を見せてやるよ」
恋歌の髪が完全に乾いた後、シリウスがぴょこんと恋歌の前に降りた。
「おれたちはじっとしていればいい
それに恋歌の手は気持ちいいぞ」
「?」
シリウスの言葉の意味も伝わっていないが、おとなしくローの腕に抱かれたままのおにぎりは、恋歌の魔方陣がシリウスを包み込んでいくのを黙って見つめていた。
『はい、もういいよ』
「ああ」
「次おれー」
数分してふわふわの毛並に戻ったシリウスと入れ替わりでベポが頭を下げてきた。
いつもは全身を包み込むように魔法を使うが、今回はおにぎりに見えるように頭や腕など見える場所を乾かしていく。
「さぁ、今度はおとなしくできるな?」
「わん!」
ベポの後に恋歌の前に置かれたおにぎりはもう恐怖は無いようで元気に返事をした。
それにいい子だとローが頭を撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振って頭をすり寄せている。
ローの優しさが伝わったのだと全員がほっとしたように笑い、今度は恋歌の手に魔方陣が発動しても逃げる事はなかった。
『よかった…』
「え、なになに
どうかした?」
その後すぐにまだ髪が乾いてない状態で食堂に入ってきた恋歌と、震えているおにぎりを見てシャチが首を傾げた。
『魔方陣に、驚いたみたいで…』
「ああ…なるほど」
胸に引っ付いているおにぎりに触れればまだ少し湿っており、いつも通り魔法で乾かそうとしたのを驚いて逃げ出してしまったのだろうと理解した。
「おい、恋歌
まずはお前の髪を乾かせ、風邪を引く」
『え、あ…』
ぐいっとローに手を引かれて椅子に座らされ、さっさとしろと言わんばかりの視線を向けられ両手に魔方陣を発動させて自分の髪を乾かしていく。
「そいつ寄越せ」
「ほい」
シャチに引っ付いたままのおにぎりをローに渡すと、恋歌の横に腰を下ろした。
「いいか、恋歌のあれはお前を傷つけるもんじゃねぇ」
ずいっとおにぎりの視線を恋歌に向け、先ほど恋歌が何をしようとしていたのか、おにぎりにとって危険ではない物だと理解させる為に淡々と説明をする。
「おれたち全員、お前を傷つけることはねぇ
自分に敵意があるのかないのか、それを見極められるようにならねぇと生きていけねぇぞ」
「くーん…」
もしおにぎりがこの先自然界で生きていかなければいけないとすれば、相手が自分に害を与えようとしているのか、善意の行動なのかは自分自身で見極めなければならない。
「キャプテン…それはおにぎりには難しいんじゃ…」
「難しくても危険を教えてくれる相手がいる間に覚える必要がある
いつまでもおれたちがこいつの傍にいる事はできねぇんだからな」
ローの正論に誰も何も言う事が出来ず、黙って恋歌の手元を見ているおにぎりが、ローの優しさを感じ取ってくれるように祈った。
「仕方ねぇな
おれが先に手本を見せてやるよ」
恋歌の髪が完全に乾いた後、シリウスがぴょこんと恋歌の前に降りた。
「おれたちはじっとしていればいい
それに恋歌の手は気持ちいいぞ」
「?」
シリウスの言葉の意味も伝わっていないが、おとなしくローの腕に抱かれたままのおにぎりは、恋歌の魔方陣がシリウスを包み込んでいくのを黙って見つめていた。
『はい、もういいよ』
「ああ」
「次おれー」
数分してふわふわの毛並に戻ったシリウスと入れ替わりでベポが頭を下げてきた。
いつもは全身を包み込むように魔法を使うが、今回はおにぎりに見えるように頭や腕など見える場所を乾かしていく。
「さぁ、今度はおとなしくできるな?」
「わん!」
ベポの後に恋歌の前に置かれたおにぎりはもう恐怖は無いようで元気に返事をした。
それにいい子だとローが頭を撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振って頭をすり寄せている。
ローの優しさが伝わったのだと全員がほっとしたように笑い、今度は恋歌の手に魔方陣が発動しても逃げる事はなかった。