小さな友情
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体力の有り余っているおにぎりは風呂の中でも元気で、風呂の苦手なシリウスが恋歌に洗われている間もちょっかいをかけるように、つんつんとビニールの巻かれた前足でシリウスを突いていた。
「ほらほらだめだよ
おにぎりはこっち」
ひょい、とおにぎりをベポが抱え、爪で傷をつけないように優しく身体を洗ってやる。
足にビニールが巻かれているのは怪我をしているからで、その中に水が入らないようにも注意をしているが、先ほどの追いかけっこを見る限り傷自体はそんなにひどくなさそうでほっとした。
「明日にはおにぎりの事を知ってる人に会えるといいね」
「わん?」
今のところ寂しそうな雰囲気は出していないが、おにぎりより大きく狂暴な動物が多いこの島に残していくのは気が引ける。
この森におにぎりの飼い主も親もいないのであれば、せめて別の島で飼い主を見つけるまではしてあげたいと思っている。
そしてそれはローも許可してくれるだろうという確信もある。
身体を洗い終わってから恋歌とベポは湯船に浸かり、その間シリウスはいつも通り桶の中に入りおにぎりはベポの頭の上。
『この辺りには、別の島は、ないんだよね?』
「そのはずなんだけど、この島も地図には載ってなかったし、おにぎりの事知ってる人も別の島にいるかも」
人為的な罠があったのは事実だが、人間の気配がないのも事実。
もしかするとこの島は狩りのために使っているだけで、近くにもう一つ人間が住んでいる島があるかもしれない。
『明日、もう一度、周り見てくるよ』
「うーん…もう一度森を捜索してからでもいいと思うんだ
もしかしたら…おにぎりの親は…」
『……うん』
ベポの言わんとしている事を理解した恋歌は、少し悲しそうな顔をしたベポの背中を撫でてやる。
シリウスがおにぎりを見つけたときにイノシシに追いかけられていた事を考えると、もしかするともうおにぎりの親はいないかもしれない。
『明日、もう一度探そう』
「…そうだね」
ベポも兄を探して海に出ており、家族がいなくなることの辛さがわかってしまう。
心優しいベポが最悪の事態の予測をしなくてもいい様に、笑顔で上がろうと手を差し出せば、それを掴んで立ち上がった。
脱衣所でぷるぷると身体を震わせてシリウスとおにぎりが水気を飛ばし、恋歌とベポが軽くバスタオルで水気をふき取ってやる。
『おにぎり、おいで』
「?」
恋歌とベポもパジャマに着替え終わり、まだ少し湿っているおにぎりに手を向けると、とことこと近寄ってきた。
『じっとしててね』
「!!」
『あ…!』
掌に魔方陣を出して身体を乾かそうとすると、魔法陣に驚いたのか恋歌の手元からダッシュで逃げてしまった。
『ま、待って…!』
「あ!恋歌!!」
運の悪い事に少し隙間の開いていた扉から飛び出してしまい、艦の外にでも出られてはいけないと恋歌がその後をすぐに追いかけ、ベポも慌てたようにシリウスを抱えて恋歌の後を追いかけた。
「…騒がしいな」
「恋歌とベポが騒がしいなんて珍しい事もあるもんだ」
その頃食堂で片付けの続きをしていたシャチとペンギン、そして飲み物をとりに来ていたローが、ばたばたと近づいてくる足音に眉間に皺を寄せた。
「恋歌!待って!」
「え?恋歌が走ってんの?
…どわっ!?」
ベポの焦ったような声が聞こえたが、騒がしいことなどほとんどない恋歌が走っていると驚き、シャチが食堂の扉を開ければ白い塊が急に目の前に現れ、驚いて仰向けに転んでしまった。
「ほらほらだめだよ
おにぎりはこっち」
ひょい、とおにぎりをベポが抱え、爪で傷をつけないように優しく身体を洗ってやる。
足にビニールが巻かれているのは怪我をしているからで、その中に水が入らないようにも注意をしているが、先ほどの追いかけっこを見る限り傷自体はそんなにひどくなさそうでほっとした。
「明日にはおにぎりの事を知ってる人に会えるといいね」
「わん?」
今のところ寂しそうな雰囲気は出していないが、おにぎりより大きく狂暴な動物が多いこの島に残していくのは気が引ける。
この森におにぎりの飼い主も親もいないのであれば、せめて別の島で飼い主を見つけるまではしてあげたいと思っている。
そしてそれはローも許可してくれるだろうという確信もある。
身体を洗い終わってから恋歌とベポは湯船に浸かり、その間シリウスはいつも通り桶の中に入りおにぎりはベポの頭の上。
『この辺りには、別の島は、ないんだよね?』
「そのはずなんだけど、この島も地図には載ってなかったし、おにぎりの事知ってる人も別の島にいるかも」
人為的な罠があったのは事実だが、人間の気配がないのも事実。
もしかするとこの島は狩りのために使っているだけで、近くにもう一つ人間が住んでいる島があるかもしれない。
『明日、もう一度、周り見てくるよ』
「うーん…もう一度森を捜索してからでもいいと思うんだ
もしかしたら…おにぎりの親は…」
『……うん』
ベポの言わんとしている事を理解した恋歌は、少し悲しそうな顔をしたベポの背中を撫でてやる。
シリウスがおにぎりを見つけたときにイノシシに追いかけられていた事を考えると、もしかするともうおにぎりの親はいないかもしれない。
『明日、もう一度探そう』
「…そうだね」
ベポも兄を探して海に出ており、家族がいなくなることの辛さがわかってしまう。
心優しいベポが最悪の事態の予測をしなくてもいい様に、笑顔で上がろうと手を差し出せば、それを掴んで立ち上がった。
脱衣所でぷるぷると身体を震わせてシリウスとおにぎりが水気を飛ばし、恋歌とベポが軽くバスタオルで水気をふき取ってやる。
『おにぎり、おいで』
「?」
恋歌とベポもパジャマに着替え終わり、まだ少し湿っているおにぎりに手を向けると、とことこと近寄ってきた。
『じっとしててね』
「!!」
『あ…!』
掌に魔方陣を出して身体を乾かそうとすると、魔法陣に驚いたのか恋歌の手元からダッシュで逃げてしまった。
『ま、待って…!』
「あ!恋歌!!」
運の悪い事に少し隙間の開いていた扉から飛び出してしまい、艦の外にでも出られてはいけないと恋歌がその後をすぐに追いかけ、ベポも慌てたようにシリウスを抱えて恋歌の後を追いかけた。
「…騒がしいな」
「恋歌とベポが騒がしいなんて珍しい事もあるもんだ」
その頃食堂で片付けの続きをしていたシャチとペンギン、そして飲み物をとりに来ていたローが、ばたばたと近づいてくる足音に眉間に皺を寄せた。
「恋歌!待って!」
「え?恋歌が走ってんの?
…どわっ!?」
ベポの焦ったような声が聞こえたが、騒がしいことなどほとんどない恋歌が走っていると驚き、シャチが食堂の扉を開ければ白い塊が急に目の前に現れ、驚いて仰向けに転んでしまった。