小さな友情
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
しばらく恋歌が子犬とじゃれているとこんこん、と扉が叩かれた。
「恋歌いるー?」
ひょっこりと顔を出したのは頭の上にシリウスを乗せたベポ。
中を覗いて恋歌と先ほどの子犬がいることに気づき、部屋の中に入ってきた。
「キャプテンに手当てしてもらったの?」
恋歌の腕の中にいる子犬の前足に包帯が巻かれているのを見てよかったねと子犬の頭を撫でてやる。
『この子は、どこの子なのかな?』
「さぁ…首輪とかはついてないよね
でも近くに人の気配も、村もなかったんだ」
「おれがこいつを見つけた場所にも人間はいなかったぞ」
「……」
恋歌、ベポ、シリウスが子犬を囲んで話しているのを相変わらず無表情でローが見つめているが、その視線の意味はわからず寝起きでぼーっとしているのだろうと誰も声をかけることはしない。
「あれさ、キャプテンの楽園、って感じだよな」
「ああ…じっくり見すぎだろ」
もふもふしているベポ、シリウス、子犬の中心に、恋人の恋歌というローの目の前にある最高の光景を目に焼き付けるように見つめているのを、扉の近くにいるシャチとペンギンだけが見抜いていた。
「ねぇキャプテン、この子の親とか飼い主を探してあげてもいい?」
「……ああ、好きにしろ」
『よかったね、お家、帰れるよ』
「?」
話の内容がわかっていない子犬が首を傾げているが、ローの許可も下りたところで早速探しに行こうと、恋歌が椅子から立ち上った。
「あ、残念そうな顔してる」
「ほんとだ」
シャチとペンギンは恋歌が倒したイノシシの解体や取った果物や木の実の調理や保管に取り掛かり、夕飯時までロー、恋歌、ベポ、シリウス、子犬で他の人間がいないかを確認する為に森に入った。
小犬はペンギンが”おにぎり”と名付け、名前がわかるまではそう呼ぶことにし、一先ず明るいうちだけの捜索を許され、陽が落ちるまでに艦に戻ってこなければならない。
「んー…でもさっきと一緒で他の人間の気配はないね」
かなり深い場所まで来たが、たまに動物の気配はするだけで人間の気配はない。
『そうだね
でも、おにぎりみたいな犬も、いないね』
飼い主がいなくとも親がいるのではと思って同じような模様の犬を探しているが、犬が見当たらない。
「ねぇおにぎり
君はどこから来たの?」
「わん?」
「ただの動物におれたちの言葉がわかるはずねぇだろ」
ベポが恋歌の腕に抱かれているおにぎりに声をかけるが、また不思議そうに首を傾げるだけ。
「駄犬は同じ犬の癖にそいつの言葉はわからねぇのか」
「おれは刀だって何度も言ってんだろ!クソガキ!!」
「てめぇ…」
ローの言い方にむっとしたシリウスがベポの頭からローの頭の上に移動し、ぺしぺしと短い前足でローの頭を殴っている。
シリウスが頭に乗った衝撃で帽子がずれたローは、シリウスの首根っこを掴んでぎゃあぎゃあと言い合いをしながら森を進んでいく。
「それにしてもこの森…人がいた痕跡があるのに、人の気配はないね」
『うん…ちょっと、不気味だね』
たまに見かける人為的に作られた罠や、人が通りやすいように切られた枝など、人間が動物を狩る為の細工があるが、人の気配が全くなくそれが不気味にも思えてきた。
「…そろそろ陽が落ちる
まだ作動してない罠もあるみてぇだ
一度戻るぞ」
罠だらけの暗い森を無暗に歩き回ると狩り用の罠にかかってしまう可能性もある。
おにぎりの親や飼い主を捜してやりたいのは山々だが、怪我をしてしまっては意味がない上に毒などもあるかもしれない。
ローの言葉に頷いて明日の朝にもう一度出直す事になった。
「恋歌いるー?」
ひょっこりと顔を出したのは頭の上にシリウスを乗せたベポ。
中を覗いて恋歌と先ほどの子犬がいることに気づき、部屋の中に入ってきた。
「キャプテンに手当てしてもらったの?」
恋歌の腕の中にいる子犬の前足に包帯が巻かれているのを見てよかったねと子犬の頭を撫でてやる。
『この子は、どこの子なのかな?』
「さぁ…首輪とかはついてないよね
でも近くに人の気配も、村もなかったんだ」
「おれがこいつを見つけた場所にも人間はいなかったぞ」
「……」
恋歌、ベポ、シリウスが子犬を囲んで話しているのを相変わらず無表情でローが見つめているが、その視線の意味はわからず寝起きでぼーっとしているのだろうと誰も声をかけることはしない。
「あれさ、キャプテンの楽園、って感じだよな」
「ああ…じっくり見すぎだろ」
もふもふしているベポ、シリウス、子犬の中心に、恋人の恋歌というローの目の前にある最高の光景を目に焼き付けるように見つめているのを、扉の近くにいるシャチとペンギンだけが見抜いていた。
「ねぇキャプテン、この子の親とか飼い主を探してあげてもいい?」
「……ああ、好きにしろ」
『よかったね、お家、帰れるよ』
「?」
話の内容がわかっていない子犬が首を傾げているが、ローの許可も下りたところで早速探しに行こうと、恋歌が椅子から立ち上った。
「あ、残念そうな顔してる」
「ほんとだ」
シャチとペンギンは恋歌が倒したイノシシの解体や取った果物や木の実の調理や保管に取り掛かり、夕飯時までロー、恋歌、ベポ、シリウス、子犬で他の人間がいないかを確認する為に森に入った。
小犬はペンギンが”おにぎり”と名付け、名前がわかるまではそう呼ぶことにし、一先ず明るいうちだけの捜索を許され、陽が落ちるまでに艦に戻ってこなければならない。
「んー…でもさっきと一緒で他の人間の気配はないね」
かなり深い場所まで来たが、たまに動物の気配はするだけで人間の気配はない。
『そうだね
でも、おにぎりみたいな犬も、いないね』
飼い主がいなくとも親がいるのではと思って同じような模様の犬を探しているが、犬が見当たらない。
「ねぇおにぎり
君はどこから来たの?」
「わん?」
「ただの動物におれたちの言葉がわかるはずねぇだろ」
ベポが恋歌の腕に抱かれているおにぎりに声をかけるが、また不思議そうに首を傾げるだけ。
「駄犬は同じ犬の癖にそいつの言葉はわからねぇのか」
「おれは刀だって何度も言ってんだろ!クソガキ!!」
「てめぇ…」
ローの言い方にむっとしたシリウスがベポの頭からローの頭の上に移動し、ぺしぺしと短い前足でローの頭を殴っている。
シリウスが頭に乗った衝撃で帽子がずれたローは、シリウスの首根っこを掴んでぎゃあぎゃあと言い合いをしながら森を進んでいく。
「それにしてもこの森…人がいた痕跡があるのに、人の気配はないね」
『うん…ちょっと、不気味だね』
たまに見かける人為的に作られた罠や、人が通りやすいように切られた枝など、人間が動物を狩る為の細工があるが、人の気配が全くなくそれが不気味にも思えてきた。
「…そろそろ陽が落ちる
まだ作動してない罠もあるみてぇだ
一度戻るぞ」
罠だらけの暗い森を無暗に歩き回ると狩り用の罠にかかってしまう可能性もある。
おにぎりの親や飼い主を捜してやりたいのは山々だが、怪我をしてしまっては意味がない上に毒などもあるかもしれない。
ローの言葉に頷いて明日の朝にもう一度出直す事になった。