小さな友情
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シャチの言葉に恋歌も視線を向けると、確かにシリウスが何かに追いかけられている。
『【シリウス
サジタリウス】』
それに気づいた恋歌がシリウスを近くに召喚し、魔方陣を周りに発動させシリウスを追いかけていた”何か”に攻撃を放った。
断末魔のような叫び声と共に倒れたのは大きなイノシシで、気を失って目を回している。
「…助かった」
『…無事で、よかったけど…』
ぺたん、と疲れたように砂浜に仰向けに倒れているシリウスとは別に、シリウスの横にもうひとつ丸い影がある。
『え、っと…この子は?』
へっ、へっ、へっと舌を出して短く息をしながらシリウスの近くで同じように倒れているのは丸い犬。
シリウスよりも身体は大きいが、短い足に白く丸い身体、頭には黒いひし形の模様があり、その姿はまるで…。
「おにぎりみたいな犬だな」
息を整えている子犬たちを見下ろしながら、ペンギンが丸い子犬をそう表現した。
『シリウスの、お友達?』
「…友達なわけないだろ
恋歌を待ってたら森の中から鳴き声が聞こえたんで様子を見に行ったら、そいつが追いかけられてたんだ」
恋歌に抱えられたシリウスは、疲れたように息をはくとくりくりとした目で恋歌を見上げた。
「…そいつ足を怪我したみたいだ
手当てを頼む」
『わかった』
シリウスの言葉の後に子犬を見ると、確かに前足からわずかに血が流れている。
シリウスをベポに預けた恋歌が子犬を抱え、救急箱を貸してもらおうとローの部屋に向かう事にした。
『(寝てる…?)』
食糧の回収を他の3人に任せ、恋歌は子犬の手当てをするためにローの部屋の扉をノックしたが中から返事はなく、そーっと扉を開けるとソファの上で帽子を顔の上に乗せて規則正しく胸が上下しているのを見て、起こさないように子犬に静かにするようにとしー、っと唇に人差し指をあてた。
それの意味がわかっているかはわからないが、小さくわふ、と吠えた子犬の頭を撫でてやり、足音を立てないように足元を軽く浮かせていつもローが管理をしている薬棚の前に移動する。
『(えっと…救急箱は…)』
背の高いローに合わせた棚を見上げ、目当ての救急箱に手を伸ばした。
「…なんだこの犬」
『!!
びっ、くりした…』
だが、救急箱に手が届く直前、ぐいっと腰を後ろに引き寄せられ、ぽすん、といつの間にか起き上って後ろに立っていたローの胸に背中があたった。
恋歌の肩に顎を乗せて腕に抱かれている薄汚れた子犬を見下ろすと、子犬の足から血が出ている事に気づいた。
「そこに座れ
手当てしてやる」
恋歌の腰から手を離し、先ほどまでローが寝転がっていたソファに座るように促した。
救急箱を取り出したローは恋歌の腕の中でおとなしくしている子犬の前足をそっと握り、消毒液をつけた綿をピンセットで掴んだ。
「動くなよ」
ちょんちょん、と優しい力加減で手当てをしてくれているが、やはり傷に染みるのか子犬の切ない鳴き声が部屋に響き、足を引っ込めようとするがローに捕まれて逃げる事ができない。
『大丈夫そう?』
「ああ、ただのかすり傷だ」
手早く消毒を済ませ、軽く包帯を巻いてやると、手当は終わりだというように救急箱の蓋を閉じた。
『よかったね』
「わん!」
『ふふ、くすぐったい』
尻尾を嬉しそうにふりふりと振りながら、ぺろぺろと恋歌の顔を舐めはじめた。
その光景をローは頬杖をつきながらしばらく黙って見つめていた。
『【シリウス
サジタリウス】』
それに気づいた恋歌がシリウスを近くに召喚し、魔方陣を周りに発動させシリウスを追いかけていた”何か”に攻撃を放った。
断末魔のような叫び声と共に倒れたのは大きなイノシシで、気を失って目を回している。
「…助かった」
『…無事で、よかったけど…』
ぺたん、と疲れたように砂浜に仰向けに倒れているシリウスとは別に、シリウスの横にもうひとつ丸い影がある。
『え、っと…この子は?』
へっ、へっ、へっと舌を出して短く息をしながらシリウスの近くで同じように倒れているのは丸い犬。
シリウスよりも身体は大きいが、短い足に白く丸い身体、頭には黒いひし形の模様があり、その姿はまるで…。
「おにぎりみたいな犬だな」
息を整えている子犬たちを見下ろしながら、ペンギンが丸い子犬をそう表現した。
『シリウスの、お友達?』
「…友達なわけないだろ
恋歌を待ってたら森の中から鳴き声が聞こえたんで様子を見に行ったら、そいつが追いかけられてたんだ」
恋歌に抱えられたシリウスは、疲れたように息をはくとくりくりとした目で恋歌を見上げた。
「…そいつ足を怪我したみたいだ
手当てを頼む」
『わかった』
シリウスの言葉の後に子犬を見ると、確かに前足からわずかに血が流れている。
シリウスをベポに預けた恋歌が子犬を抱え、救急箱を貸してもらおうとローの部屋に向かう事にした。
『(寝てる…?)』
食糧の回収を他の3人に任せ、恋歌は子犬の手当てをするためにローの部屋の扉をノックしたが中から返事はなく、そーっと扉を開けるとソファの上で帽子を顔の上に乗せて規則正しく胸が上下しているのを見て、起こさないように子犬に静かにするようにとしー、っと唇に人差し指をあてた。
それの意味がわかっているかはわからないが、小さくわふ、と吠えた子犬の頭を撫でてやり、足音を立てないように足元を軽く浮かせていつもローが管理をしている薬棚の前に移動する。
『(えっと…救急箱は…)』
背の高いローに合わせた棚を見上げ、目当ての救急箱に手を伸ばした。
「…なんだこの犬」
『!!
びっ、くりした…』
だが、救急箱に手が届く直前、ぐいっと腰を後ろに引き寄せられ、ぽすん、といつの間にか起き上って後ろに立っていたローの胸に背中があたった。
恋歌の肩に顎を乗せて腕に抱かれている薄汚れた子犬を見下ろすと、子犬の足から血が出ている事に気づいた。
「そこに座れ
手当てしてやる」
恋歌の腰から手を離し、先ほどまでローが寝転がっていたソファに座るように促した。
救急箱を取り出したローは恋歌の腕の中でおとなしくしている子犬の前足をそっと握り、消毒液をつけた綿をピンセットで掴んだ。
「動くなよ」
ちょんちょん、と優しい力加減で手当てをしてくれているが、やはり傷に染みるのか子犬の切ない鳴き声が部屋に響き、足を引っ込めようとするがローに捕まれて逃げる事ができない。
『大丈夫そう?』
「ああ、ただのかすり傷だ」
手早く消毒を済ませ、軽く包帯を巻いてやると、手当は終わりだというように救急箱の蓋を閉じた。
『よかったね』
「わん!」
『ふふ、くすぐったい』
尻尾を嬉しそうにふりふりと振りながら、ぺろぺろと恋歌の顔を舐めはじめた。
その光景をローは頬杖をつきながらしばらく黙って見つめていた。