勉強と喫茶店
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海軍が到着してから3日後。
ようやく海軍が町から立ち去り、町の復興に必要な資源の援助は後日送られてくることになった。
「はー、ようやく外に出られるんだな」
久しぶりに浴びた日光を全身に当てるようにペンギン、シャチ、ベポは並んで腕を上げて伸びている。
「恋歌、お前はあまり動き回るなよ」
『うん』
全員全身に怪我をしているが、足の怪我が一番酷いのは恋歌で、この3日間で少し回復はしたがあまり無理はするなとローにくぎを刺された。
「んじゃおれたちは町の連中を手伝ってくるよ」
「ああ」
この3日間はローゼとメアリが食事を持って来てくれたり、怪我の治療に必要なものを揃えてくれたりしていた。
そのお礼として2人の手伝いをしに行くと約束しており、3人は町の方に走っていった。
『ローは、ウィリアムのところ、行く?』
「ああ
ほら、行くぞ」
治るまでは無理に歩くなと言われている為、船での生活のように足元を軽く浮かせている恋歌は、ローが差し出してくれた腕に自分の腕を絡め、ローに引かれてランの店があった方へ向かう。
「駄犬はどこ行った」
『シリウスは、メアリちゃんと、一緒にいるよ』
「そうか」
避難所にいた3日間、ほとんどシリウスの姿を見なかったため、気になって聞いてみたが予想通りの返答があり、興味がなさそうに返事をした。
『…そういえば、マリーって子も、海軍に、連れてかれ、ちゃったんだよね?』
「ああ
あいつも首謀者って事になってるからな」
『そっか…』
「…あいつも自業自得だ
良い事と悪い事の区別も自分でつけられねぇなら、檻の中で反省するしかねぇだろ」
『うん…そうだね』
「……」
マリーは海軍に連行される時、悪いのはもう一つの海賊だと喚いていたらしい。
だが、ハートの海賊団の事を町の住人が教えるはずもなく、自分の罪を逃れるための虚言だと判断され、”もう一つの海賊”は捜索すらされなかった。
「あの女に対して”何か”を気にしてんならやめろ
いいな?」
『…うん』
ぎゅっと組んでいる腕の力を強めると、ぽん、と頭を優しく撫でられた。
自分に敵意のある相手を退けただけだったとしても、海賊には不向きなほどの優しい性格の恋歌が、一般人を攻撃してしまった上に海軍に連行までされてしまった事を気にしない訳がないとわかっていた。
「あ、恋歌ちゃんにローくん」
恋歌が浮かない顔をしているのはわかっていたが、今これ以上何を言ったところで表情は晴れないだろうと話す事はせずに歩いていれば、いつのまにかランの店跡地に辿り着いた。
2人が来た事に気づいたランが笑顔で出迎えてくれ、簡易的に作られた椅子に案内された。
「結構元に戻ってきてんな」
「ええ、みんなが手助けしてくれてるからね
あなたたちにも感謝してもしきれないわ」
「勘違いするな
おれはあいつに医学の事を教えてもらえなくなるのが嫌だっただけだ」
「ふふ、そうね」
お礼を言われることが居心地が悪いようで、ふて腐れた顔をしながら帽子で表情を隠してしまうが、ランは何も気にすることなくお湯を沸かしはじめる。
『ラン、それ…』
「…わたしね、魔法を使う事が怖かった
逃げる時には使ってたけど、人に対して使うなんて…したくなかった」
『…うん』
「魔法で人を傷つけてしまったら、それこそ海賊や悪い人たちだけじゃなくて、海軍からも狙われてしまう
わたしは居場所がなくなるのが怖かったんだと思う
でもね…」
火を起こす設備がない状態でもお湯が沸かせているのはランが魔法を使っているから。
魔法で起こした火を消し、いつものように紅茶を淹れ恋歌とローの前にカップを置いた。
ようやく海軍が町から立ち去り、町の復興に必要な資源の援助は後日送られてくることになった。
「はー、ようやく外に出られるんだな」
久しぶりに浴びた日光を全身に当てるようにペンギン、シャチ、ベポは並んで腕を上げて伸びている。
「恋歌、お前はあまり動き回るなよ」
『うん』
全員全身に怪我をしているが、足の怪我が一番酷いのは恋歌で、この3日間で少し回復はしたがあまり無理はするなとローにくぎを刺された。
「んじゃおれたちは町の連中を手伝ってくるよ」
「ああ」
この3日間はローゼとメアリが食事を持って来てくれたり、怪我の治療に必要なものを揃えてくれたりしていた。
そのお礼として2人の手伝いをしに行くと約束しており、3人は町の方に走っていった。
『ローは、ウィリアムのところ、行く?』
「ああ
ほら、行くぞ」
治るまでは無理に歩くなと言われている為、船での生活のように足元を軽く浮かせている恋歌は、ローが差し出してくれた腕に自分の腕を絡め、ローに引かれてランの店があった方へ向かう。
「駄犬はどこ行った」
『シリウスは、メアリちゃんと、一緒にいるよ』
「そうか」
避難所にいた3日間、ほとんどシリウスの姿を見なかったため、気になって聞いてみたが予想通りの返答があり、興味がなさそうに返事をした。
『…そういえば、マリーって子も、海軍に、連れてかれ、ちゃったんだよね?』
「ああ
あいつも首謀者って事になってるからな」
『そっか…』
「…あいつも自業自得だ
良い事と悪い事の区別も自分でつけられねぇなら、檻の中で反省するしかねぇだろ」
『うん…そうだね』
「……」
マリーは海軍に連行される時、悪いのはもう一つの海賊だと喚いていたらしい。
だが、ハートの海賊団の事を町の住人が教えるはずもなく、自分の罪を逃れるための虚言だと判断され、”もう一つの海賊”は捜索すらされなかった。
「あの女に対して”何か”を気にしてんならやめろ
いいな?」
『…うん』
ぎゅっと組んでいる腕の力を強めると、ぽん、と頭を優しく撫でられた。
自分に敵意のある相手を退けただけだったとしても、海賊には不向きなほどの優しい性格の恋歌が、一般人を攻撃してしまった上に海軍に連行までされてしまった事を気にしない訳がないとわかっていた。
「あ、恋歌ちゃんにローくん」
恋歌が浮かない顔をしているのはわかっていたが、今これ以上何を言ったところで表情は晴れないだろうと話す事はせずに歩いていれば、いつのまにかランの店跡地に辿り着いた。
2人が来た事に気づいたランが笑顔で出迎えてくれ、簡易的に作られた椅子に案内された。
「結構元に戻ってきてんな」
「ええ、みんなが手助けしてくれてるからね
あなたたちにも感謝してもしきれないわ」
「勘違いするな
おれはあいつに医学の事を教えてもらえなくなるのが嫌だっただけだ」
「ふふ、そうね」
お礼を言われることが居心地が悪いようで、ふて腐れた顔をしながら帽子で表情を隠してしまうが、ランは何も気にすることなくお湯を沸かしはじめる。
『ラン、それ…』
「…わたしね、魔法を使う事が怖かった
逃げる時には使ってたけど、人に対して使うなんて…したくなかった」
『…うん』
「魔法で人を傷つけてしまったら、それこそ海賊や悪い人たちだけじゃなくて、海軍からも狙われてしまう
わたしは居場所がなくなるのが怖かったんだと思う
でもね…」
火を起こす設備がない状態でもお湯が沸かせているのはランが魔法を使っているから。
魔法で起こした火を消し、いつものように紅茶を淹れ恋歌とローの前にカップを置いた。