出会いから出航まで
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「じゃあまた明日ね!」
昼食を食べ終わり、手を振ってパン屋の前で別れる。
『(さて、わたしも戻って仕事っと)』
アミがパン屋の中に入ったことを確認して、本屋に戻ろうと振り向くと、自分の真後ろに女が立っており、危うくぶつかるところだった。
「……」
『(だ、誰だろう…)』
ぎりぎりぶつかることはなかったが、女は上から下まで恋歌を品定めするように視線を滑らせた。
身長と歳は恋歌と同じぐらいで、黒目黒髪の可愛らしい感じの女の子。
ゴスロリのような格好をしており、いたるところにリボンがある。
上から下まで見終わったかと思うと、女の子の視線は恋歌の胸で止まった。
『(ひっ…)』
「………」
「「「ぶー!!!」」」
名も知らない女の子は、目の前にある恋歌の胸を両手で鷲掴みにした。
それを見てしまった通行人が、いろんなものを吹き出している。
「こんなの…ただの脂肪じゃない…」
『(な、に…この人…)』
いきなりのことに何もできない恋歌は、少し涙目になっていると、後ろから肩を引き寄せられて助けられた。
「何やってんだ」
「ロー先生!!」
『(ロー…)』
顔を上げれば不思議そうな顔をしているローが立っていた。
白衣を着ているところを見ると、まだ仕事中なのだろう。
ローの姿を見た瞬間に顔を輝かせた女の子は、ローに肩を抱かれている恋歌をきっ、と睨んだ。
それにびくっ、と反応しローの服を掴むと、女の子に腕を掴まれてべりっとローから離された。
「ロー先生、今日も診察お願いしますね」
「あ、ああ…」
にっこり笑って顔を近づけてくる女の子に、困ったような顔をしているロー。
「さ、行きましょう」
「あ、いや
俺はこいつを送り届けてから診療所に戻る」
こいつ、と指をさした先には恋歌が。
それにローが聞こえない程度の音で舌打ちをし、ふらふらと地面に倒れ込む。
「あ…貧血が…」
「はぁ…
恋歌、1人で戻れるか?」
《大丈夫だよ
その子ちゃんと診てあげて》
「ああ、悪いな」
ローの見ていないところでぐっ、とガッツポーズをしている女の子は、貧血を理由にローの腕にべたべたと引っ付きながら診療所へ戻っていった。
その姿に一瞬心臓のあたりがちくっと痛んだが、一瞬だったため特に気にせず本屋への道のりを1人で進んだ。
「今日はローさん遅いらしいから、帰りは俺な」
《いつもありがとう
よろしくね》
仕事を終え、町の入り口に行くと、ペンギンが待っていてくれた。
ちなみにペンギンもシャチもこの3年で手話をマスターし、ベポに通訳を頼まなくとも恋歌と話せるようになった。
荷台に座りペンギンの服を掴むと、自転車は勢いよく進み出した。
「なぁ恋歌」
前を向いているペンギンが、恋歌にしっかり聞こえるように大きめの声で話しかけてきた。
「今日店の噂で聞いたんだけど、昼間胸を鷲掴みにされたってほんとか?」
店でどんな噂が流れているんだと言いたくなったが、噂は事実のため一度だけペンギンの服をひいた。
自転車に乗っている1時間、全員が手話をマスターしているとはいえ恋歌との会話は難しい。
そのため返事をして欲しい時は、肯定の時は一回、否定の時は二回服を引っ張ることになっている。
「そいつのこと覚えてるか?」
今日見た女の子は、見覚えがあるような気がしたが、はっきりとは思い出せない上に、あれだけ印象的な服装なら覚えているはずだと、今度は二回服を引っ張った。
「やっぱそうか
その子さ、店の噂では毎年美女コンテストに出てるやつらしいんだよ」
『(あんな個性的な子いたかな…)』
ほぼアミしか応援していないため他の参加者の記憶が曖昧ではある。
「アミが目立ちまくってるから記憶にないかもだけど、その子毎年自分の服装や雰囲気の系統を変えて出場してるらしいんだ」
ペンギンが言うには今まで清楚系、ミリタリー系、パンク系、お色気系は披露されたらしい。
『(それで今年はふりふり…)』
ペ「今まではアミだけ警戒してりゃよかったけど、今年は恋歌がいるからライバル視されてんだろ」
『(えー…出ないのに…)』
めんどくさいなとため息をついて、ペンギンの背中に頭を預けると、気持ちが伝わったのか大きな声で笑われた。
昼食を食べ終わり、手を振ってパン屋の前で別れる。
『(さて、わたしも戻って仕事っと)』
アミがパン屋の中に入ったことを確認して、本屋に戻ろうと振り向くと、自分の真後ろに女が立っており、危うくぶつかるところだった。
「……」
『(だ、誰だろう…)』
ぎりぎりぶつかることはなかったが、女は上から下まで恋歌を品定めするように視線を滑らせた。
身長と歳は恋歌と同じぐらいで、黒目黒髪の可愛らしい感じの女の子。
ゴスロリのような格好をしており、いたるところにリボンがある。
上から下まで見終わったかと思うと、女の子の視線は恋歌の胸で止まった。
『(ひっ…)』
「………」
「「「ぶー!!!」」」
名も知らない女の子は、目の前にある恋歌の胸を両手で鷲掴みにした。
それを見てしまった通行人が、いろんなものを吹き出している。
「こんなの…ただの脂肪じゃない…」
『(な、に…この人…)』
いきなりのことに何もできない恋歌は、少し涙目になっていると、後ろから肩を引き寄せられて助けられた。
「何やってんだ」
「ロー先生!!」
『(ロー…)』
顔を上げれば不思議そうな顔をしているローが立っていた。
白衣を着ているところを見ると、まだ仕事中なのだろう。
ローの姿を見た瞬間に顔を輝かせた女の子は、ローに肩を抱かれている恋歌をきっ、と睨んだ。
それにびくっ、と反応しローの服を掴むと、女の子に腕を掴まれてべりっとローから離された。
「ロー先生、今日も診察お願いしますね」
「あ、ああ…」
にっこり笑って顔を近づけてくる女の子に、困ったような顔をしているロー。
「さ、行きましょう」
「あ、いや
俺はこいつを送り届けてから診療所に戻る」
こいつ、と指をさした先には恋歌が。
それにローが聞こえない程度の音で舌打ちをし、ふらふらと地面に倒れ込む。
「あ…貧血が…」
「はぁ…
恋歌、1人で戻れるか?」
《大丈夫だよ
その子ちゃんと診てあげて》
「ああ、悪いな」
ローの見ていないところでぐっ、とガッツポーズをしている女の子は、貧血を理由にローの腕にべたべたと引っ付きながら診療所へ戻っていった。
その姿に一瞬心臓のあたりがちくっと痛んだが、一瞬だったため特に気にせず本屋への道のりを1人で進んだ。
「今日はローさん遅いらしいから、帰りは俺な」
《いつもありがとう
よろしくね》
仕事を終え、町の入り口に行くと、ペンギンが待っていてくれた。
ちなみにペンギンもシャチもこの3年で手話をマスターし、ベポに通訳を頼まなくとも恋歌と話せるようになった。
荷台に座りペンギンの服を掴むと、自転車は勢いよく進み出した。
「なぁ恋歌」
前を向いているペンギンが、恋歌にしっかり聞こえるように大きめの声で話しかけてきた。
「今日店の噂で聞いたんだけど、昼間胸を鷲掴みにされたってほんとか?」
店でどんな噂が流れているんだと言いたくなったが、噂は事実のため一度だけペンギンの服をひいた。
自転車に乗っている1時間、全員が手話をマスターしているとはいえ恋歌との会話は難しい。
そのため返事をして欲しい時は、肯定の時は一回、否定の時は二回服を引っ張ることになっている。
「そいつのこと覚えてるか?」
今日見た女の子は、見覚えがあるような気がしたが、はっきりとは思い出せない上に、あれだけ印象的な服装なら覚えているはずだと、今度は二回服を引っ張った。
「やっぱそうか
その子さ、店の噂では毎年美女コンテストに出てるやつらしいんだよ」
『(あんな個性的な子いたかな…)』
ほぼアミしか応援していないため他の参加者の記憶が曖昧ではある。
「アミが目立ちまくってるから記憶にないかもだけど、その子毎年自分の服装や雰囲気の系統を変えて出場してるらしいんだ」
ペンギンが言うには今まで清楚系、ミリタリー系、パンク系、お色気系は披露されたらしい。
『(それで今年はふりふり…)』
ペ「今まではアミだけ警戒してりゃよかったけど、今年は恋歌がいるからライバル視されてんだろ」
『(えー…出ないのに…)』
めんどくさいなとため息をついて、ペンギンの背中に頭を預けると、気持ちが伝わったのか大きな声で笑われた。