出会いから出航まで
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「恋歌ちゃん、俺と一緒に…!」
「いや!俺と!!」
「いやいや、俺と!!」
「だー!!仕事の邪魔だ!!本に用のないやつは帰れ!!」
『(…なんだか申し訳ないな)』
ある日の勤務時間。
恋歌の働く本屋と、アミの働くパン屋では行列ができていた。
パン屋ではどうかわからないが、本屋では客ではない男たちを店主がはたきで追い払っている。
恋歌は話せないので困ったように笑っているだけということもあり、自分で追い払えない。
「あー…でもエプロン姿見れただけでも今日は良しとするか…」
「ああ、目の保養になった…」
店主に怒鳴られ、渋々出て行く男たちだが、今日の恋歌は、本屋が大掃除中ということもあり、いつもはしていないエプロンをしている。
その姿を見れただけでもご満悦のようで、ほわほわとした雰囲気のまま男たちは帰っていった。
「ったく…」
はたきを肩に担ぐように持ってため息をつく店主に、ごめんなさいと書いたメモを見せると、慌てて首を振られた。
「恋歌ちゃんが悪いわけじゃないよ!
それはそうとちゃんと断り文句考えとかないと、いつまでもこのままかもよ?」
男たちが恋歌やアミを誘っているのは、二週間後にあるお祭り。
本屋の大掃除もその祭りに行くためにやれることは今のうちにやっておこうということで始めた。
基本的に誰と行ってもいいお祭りだが、ある催しの為に男たちは女を誘おうと躍起になっている。
「こうなるってわかってんだから今年は止めりゃいいのによ」
毎年あるお祭りで昨年も一昨年もアミのところに男たちが殺到していたのを他人事のように見ていたのが懐かしい。
催しの内容は簡単に言ってしまえば、島一番の美人を決めるコンテスト。
男は自分が推薦した女とペアになり、女が優勝すればおこぼれがもらえる。
おこぼれの内容は毎年違うが、豪華な商品なのは間違いない。
それが目当てで今年の優勝候補であるアミと恋歌のところに男たちが群がっているのだ。
ちなみに女側からペアの男を選ぶこともできるが、恋歌はあまり出たくないので参加するつもりはない。
コンテストの勝負内容は容姿以外は毎年ランダム。
声を出さなければいけない勝負があれば、恋歌は確実に負ける。
そういったこともあり、恋歌に参加する意思はないと、店主もアミも何度も言ってくれているのだが、男たちは引き下がらないのだ。
「あと二週間、耐えるしかないね」
《ご迷惑をかけてすいません》
「ほんとに気にしなくていいよ
普通に祭りを楽しめばいい」
《はい》
「ほんっとあいつらめげないわね」
いつも通りアミと昼食をとっていると、疲れたように机に突っ伏した。
「だいたいわたし3年連続優勝してるんだから、出場資格なくしてくれてもいいのに」
《アミは綺麗だもんね》
アミは3年連続優勝という偉業を成し遂げているため、今年も優勝するだろうと、男たちが群がっているのだ。
《アミが優勝したときの勝負はなんだったっけ?》
「んー、っとね
大食いと、腕相撲と、歌だったかなー」
友人が出場するということで、この3年間は観客として参加していたが、すべてが圧倒的だったということを思い出した。
「一応祭りの主催者に資格をなくしてくれって言ってるのよ
毎年わたしが優勝してたらおもしろくないでしょ?」
《見てる方は楽しいよ
今年もアミの活躍がみたいな》
「んー!恋歌が言うなら出てもいいけど、もうわたしはいいのよ」
なでなでと頭を撫でてくれるアミは3年前と比べて大人っぽい雰囲気になった。
『(これは今年もアミが優勝かな…)』
この島でアミ以上の美女はいない。
そう思っているからこそ、アミには出て欲しいと思っているが、本人が出たくないと言うなら、今年は誰が優勝するんだろうとのんびりと考えていた。
「いや!俺と!!」
「いやいや、俺と!!」
「だー!!仕事の邪魔だ!!本に用のないやつは帰れ!!」
『(…なんだか申し訳ないな)』
ある日の勤務時間。
恋歌の働く本屋と、アミの働くパン屋では行列ができていた。
パン屋ではどうかわからないが、本屋では客ではない男たちを店主がはたきで追い払っている。
恋歌は話せないので困ったように笑っているだけということもあり、自分で追い払えない。
「あー…でもエプロン姿見れただけでも今日は良しとするか…」
「ああ、目の保養になった…」
店主に怒鳴られ、渋々出て行く男たちだが、今日の恋歌は、本屋が大掃除中ということもあり、いつもはしていないエプロンをしている。
その姿を見れただけでもご満悦のようで、ほわほわとした雰囲気のまま男たちは帰っていった。
「ったく…」
はたきを肩に担ぐように持ってため息をつく店主に、ごめんなさいと書いたメモを見せると、慌てて首を振られた。
「恋歌ちゃんが悪いわけじゃないよ!
それはそうとちゃんと断り文句考えとかないと、いつまでもこのままかもよ?」
男たちが恋歌やアミを誘っているのは、二週間後にあるお祭り。
本屋の大掃除もその祭りに行くためにやれることは今のうちにやっておこうということで始めた。
基本的に誰と行ってもいいお祭りだが、ある催しの為に男たちは女を誘おうと躍起になっている。
「こうなるってわかってんだから今年は止めりゃいいのによ」
毎年あるお祭りで昨年も一昨年もアミのところに男たちが殺到していたのを他人事のように見ていたのが懐かしい。
催しの内容は簡単に言ってしまえば、島一番の美人を決めるコンテスト。
男は自分が推薦した女とペアになり、女が優勝すればおこぼれがもらえる。
おこぼれの内容は毎年違うが、豪華な商品なのは間違いない。
それが目当てで今年の優勝候補であるアミと恋歌のところに男たちが群がっているのだ。
ちなみに女側からペアの男を選ぶこともできるが、恋歌はあまり出たくないので参加するつもりはない。
コンテストの勝負内容は容姿以外は毎年ランダム。
声を出さなければいけない勝負があれば、恋歌は確実に負ける。
そういったこともあり、恋歌に参加する意思はないと、店主もアミも何度も言ってくれているのだが、男たちは引き下がらないのだ。
「あと二週間、耐えるしかないね」
《ご迷惑をかけてすいません》
「ほんとに気にしなくていいよ
普通に祭りを楽しめばいい」
《はい》
「ほんっとあいつらめげないわね」
いつも通りアミと昼食をとっていると、疲れたように机に突っ伏した。
「だいたいわたし3年連続優勝してるんだから、出場資格なくしてくれてもいいのに」
《アミは綺麗だもんね》
アミは3年連続優勝という偉業を成し遂げているため、今年も優勝するだろうと、男たちが群がっているのだ。
《アミが優勝したときの勝負はなんだったっけ?》
「んー、っとね
大食いと、腕相撲と、歌だったかなー」
友人が出場するということで、この3年間は観客として参加していたが、すべてが圧倒的だったということを思い出した。
「一応祭りの主催者に資格をなくしてくれって言ってるのよ
毎年わたしが優勝してたらおもしろくないでしょ?」
《見てる方は楽しいよ
今年もアミの活躍がみたいな》
「んー!恋歌が言うなら出てもいいけど、もうわたしはいいのよ」
なでなでと頭を撫でてくれるアミは3年前と比べて大人っぽい雰囲気になった。
『(これは今年もアミが優勝かな…)』
この島でアミ以上の美女はいない。
そう思っているからこそ、アミには出て欲しいと思っているが、本人が出たくないと言うなら、今年は誰が優勝するんだろうとのんびりと考えていた。