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恋歌が連れ去られた島を出てから数日。
ポーラータング号は穏やかに次の島への航路を進んでいた。
いつも通りペンギンの朝食を食べ、シャチは船の雑務をし、ベポは航路の確認、ローは自室にこもって医学の勉強。
恋歌はいつもであれば魔法を使いながらシャチと一緒に雑務をこなし、ペンギンの手伝いなどをした後、空いた時間を勉強にあてていた。
だが今日は部屋でシリウスと本を開いて難しい顔をしているが、周りにそれを指摘する人物は誰もいない。
「おれのおすすめはこれだな」
『わたしでも、できる?』
「可能だ
これと、これも良いと思うぞ」
『わ、わかった』
開いている本をぺらぺらと捲ってシリウスが前足でいろんな箇所をぱしぱしと叩いていく。
シリウスに言われたことを必死にメモを取り、何かを考えるようにペンを口元に当てる。
「あとはこれをこうして…」
『…これ、魔力足りる、かな?』
シリウスが恋歌の手元にある紙に前足で文字や絵を書いていくが、それが実現できるとは思えない。
「おれの計算が間違ってるわけないだろ
”この”準備をしっかりすれば十分足りる
それに順調に修行は進んでる
…やりたいんだろ?」
『…うん』
「恋歌ならできる
信じろ」
『うん、ありがとう』
自信満々なシリウスに笑って礼を言い、手元の紙にもう一度視線を落とした。
魔力量を増やす修行は続けろとシリウスに言われたため、ローに魔力を補給してもらった夜はすぐに意識を失ってしまうので時間はとれていないが、空いた時間や不寝番の時間をシリウスとの作戦会議に使っていた。
『ねぇ、ペンギン』
「ん…んぁ?」
そして作戦会議を始めてから数日後の夜、ペンギンに話をするために食堂で髪を乾かしながら声をかけると、心地よさに眠りそうになっていたペンギンの目が開いた。
『あのね、明日ベポが、島に到着するって、言ってたと思うんだけど…』
「ああ、そうだな」
『買い出し、わたしも、着いていっていい?』
「……」
ベポが夕飯の時に明日の朝に次の島に到着すると全員に告げていた。
ローはペンギンとシャチに買い出しに行くようにと指示しており、恋歌とベポは船にいるように言われた。
おそらく前の島での事を考え、恋歌とベポを留守番させようとしている事は気づいていた。
それに関してはペンギンもシャチも異議を唱えることはなかったが、恋歌がローの指示に返事をしていない事を不思議に思っていた。
「それは…なんでだ?
欲しいものがあるなら買ってきてやるぞ」
恋歌自身がローの言葉に隠された気遣いに気づいていないわけもなく、それを簡単に無下にする性格でない事も知っている。
『欲しい物…それもある、けど…』
言いにくそうに言葉を切った恋歌は、ペンギンの髪を乾かしていた魔法を止め困ったような顔をしている。
「…まぁおれは絶対におれたちから離れないって約束してくれるならいいとは思うけど、キャプテンに許可がもらえないとだめだからな」
『うん…
ありがとう』
髪を乾かしてくれた恋歌の頭を撫でてやり、”おやすみ”と言って食堂から出て行った。
ポーラータング号は穏やかに次の島への航路を進んでいた。
いつも通りペンギンの朝食を食べ、シャチは船の雑務をし、ベポは航路の確認、ローは自室にこもって医学の勉強。
恋歌はいつもであれば魔法を使いながらシャチと一緒に雑務をこなし、ペンギンの手伝いなどをした後、空いた時間を勉強にあてていた。
だが今日は部屋でシリウスと本を開いて難しい顔をしているが、周りにそれを指摘する人物は誰もいない。
「おれのおすすめはこれだな」
『わたしでも、できる?』
「可能だ
これと、これも良いと思うぞ」
『わ、わかった』
開いている本をぺらぺらと捲ってシリウスが前足でいろんな箇所をぱしぱしと叩いていく。
シリウスに言われたことを必死にメモを取り、何かを考えるようにペンを口元に当てる。
「あとはこれをこうして…」
『…これ、魔力足りる、かな?』
シリウスが恋歌の手元にある紙に前足で文字や絵を書いていくが、それが実現できるとは思えない。
「おれの計算が間違ってるわけないだろ
”この”準備をしっかりすれば十分足りる
それに順調に修行は進んでる
…やりたいんだろ?」
『…うん』
「恋歌ならできる
信じろ」
『うん、ありがとう』
自信満々なシリウスに笑って礼を言い、手元の紙にもう一度視線を落とした。
魔力量を増やす修行は続けろとシリウスに言われたため、ローに魔力を補給してもらった夜はすぐに意識を失ってしまうので時間はとれていないが、空いた時間や不寝番の時間をシリウスとの作戦会議に使っていた。
『ねぇ、ペンギン』
「ん…んぁ?」
そして作戦会議を始めてから数日後の夜、ペンギンに話をするために食堂で髪を乾かしながら声をかけると、心地よさに眠りそうになっていたペンギンの目が開いた。
『あのね、明日ベポが、島に到着するって、言ってたと思うんだけど…』
「ああ、そうだな」
『買い出し、わたしも、着いていっていい?』
「……」
ベポが夕飯の時に明日の朝に次の島に到着すると全員に告げていた。
ローはペンギンとシャチに買い出しに行くようにと指示しており、恋歌とベポは船にいるように言われた。
おそらく前の島での事を考え、恋歌とベポを留守番させようとしている事は気づいていた。
それに関してはペンギンもシャチも異議を唱えることはなかったが、恋歌がローの指示に返事をしていない事を不思議に思っていた。
「それは…なんでだ?
欲しいものがあるなら買ってきてやるぞ」
恋歌自身がローの言葉に隠された気遣いに気づいていないわけもなく、それを簡単に無下にする性格でない事も知っている。
『欲しい物…それもある、けど…』
言いにくそうに言葉を切った恋歌は、ペンギンの髪を乾かしていた魔法を止め困ったような顔をしている。
「…まぁおれは絶対におれたちから離れないって約束してくれるならいいとは思うけど、キャプテンに許可がもらえないとだめだからな」
『うん…
ありがとう』
髪を乾かしてくれた恋歌の頭を撫でてやり、”おやすみ”と言って食堂から出て行った。