出会いから出航まで
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恋歌は目を覚ました次の日から仕事に復帰し、急に休んだことをアミが心配していたらしく、出勤したお昼時に恋歌がいるかと見に来た。
魔法の使い過ぎで寝込んでいたと伝えると、かなり心配されたが、もう大丈夫だと伝えると、快気祝いだと言ってお昼ご飯を奢ってくれた。
ローはもうしばらく休みをとっており、帰りはシャチかペンギンが待っていてくれている。
「お、来たな」
今日はシャチが待っていてくれたようで、すでに自転車に跨って町の入り口にいた。
待たせてしまったかと小走りで駆け寄ると、シャチは気にするなと笑ってくれた。
「行くぞー」
恋歌がちゃんと座った事を確認して、漕ぎ始める。
「恋歌さ、ちょっと教えて欲しいんだけど」
自転車をこぎながらシャチが話し始めたので、気づいてくれるかどうかわからないが視線だけを向ける。
「俺たちには魔力ってのあるのか?」
ローには魔力があると聞いたが、自分達にもあるのかと疑問に思っていた。
「おっ」
どうやって答えようかと悩んでいたが、シャチの背中に抱き着いて首を縦に振れば伝わったらしく、ふーんと言っている。
「ローさんがさ、手を握ったり抱き締めたりすると、俺たちの魔力を恋歌に渡せるって言ってたけどそれもほんとか?」
それに対しても頷くと、またふーんと間の抜けた声を出した。
「今度さ、ああいうことがあって…俺たちの魔力が使えるなら遠慮なく使ってくれよ」
前を向いたままのシャチの顔は見えないが、先日ヴォルフが大怪我を負った時に、ローも恋歌も倒れる程頑張っているのに、自分が出来る事が少なかったことを気にしていた。
「おれも…ペンギンも…ベポも…オペってなったら手伝えることがすくねぇ…
だから…ちょっとでも恋歌の力になれたらなって…」
ローの魔力が特別多いだけで、他の3人の魔力は通常の量。
それでも力になってくれるというのは、魔女として魔力の少ない恋歌には嬉しい申し出。
シャチの言葉に頷いてもっと強く抱き着いて返すと、今度はシャチから嬉しそうな返事が返ってきた。
ヴォルフのオペから数日後。
仕事から帰ってきたローの手には今朝にはなかった刺青が彫られていた。
指に1文字ずつ、【DEATH】と入っている。
男たちには好評ではあったが、恋歌はローの手を取ってじっと刺青を見ている。
「どうした?」
≪痛くないの?≫
「ああ、入れるときはいてぇが、いまはまったくだ」
≪そっか≫
刺青を撫でるように触っている恋歌の指がくすぐったい。
「も、もういいだろ」
だんだんと恥ずかしくなってきたローは、恋歌の手を離した。
その日の夜。
リビングが騒がしいので降りていくと、全員がリビングに揃っていた。
何をしているのだろうと階段を降りると、ローに話があると言われ、席に座らされた。
どんな話なのだろうかと黙って聞いていると、ローの食べた悪魔の実の能力の話だった。
“オペオペの実”という実を食べた事。
“不老手術”というのが出来るという事。
ローに細かい能力の話もされ、その能力はローにぴったりの能力だった。
「悪魔の実かー
能力者に初めて会った!」
「たしかに
ほんとにいるんだな」
「海には能力者はごろごろおるわい
それよりも希少な魔女もここにはおるしな」
そういえばそうだったと恋歌を見ると、本人にはあまり自覚がなさそうに見える。
「恋歌みたいな魔女も探せばたくさんいたりするの?」
≪うん、でもどこにいるかはわからないけどね≫
「ふーん、そっか」
恋歌から他の魔女について何も聞いた事はないが、ヴォルフの元に来るまではどうしていたのかという話は聞いた事がない。
話してくれるまで聞くつもりはないが、気になってはいる。
だが、恋歌はまだ何も言わない。
この生活が壊れるのが怖いから、恋歌が話せない事は、誰も知らない。
魔法の使い過ぎで寝込んでいたと伝えると、かなり心配されたが、もう大丈夫だと伝えると、快気祝いだと言ってお昼ご飯を奢ってくれた。
ローはもうしばらく休みをとっており、帰りはシャチかペンギンが待っていてくれている。
「お、来たな」
今日はシャチが待っていてくれたようで、すでに自転車に跨って町の入り口にいた。
待たせてしまったかと小走りで駆け寄ると、シャチは気にするなと笑ってくれた。
「行くぞー」
恋歌がちゃんと座った事を確認して、漕ぎ始める。
「恋歌さ、ちょっと教えて欲しいんだけど」
自転車をこぎながらシャチが話し始めたので、気づいてくれるかどうかわからないが視線だけを向ける。
「俺たちには魔力ってのあるのか?」
ローには魔力があると聞いたが、自分達にもあるのかと疑問に思っていた。
「おっ」
どうやって答えようかと悩んでいたが、シャチの背中に抱き着いて首を縦に振れば伝わったらしく、ふーんと言っている。
「ローさんがさ、手を握ったり抱き締めたりすると、俺たちの魔力を恋歌に渡せるって言ってたけどそれもほんとか?」
それに対しても頷くと、またふーんと間の抜けた声を出した。
「今度さ、ああいうことがあって…俺たちの魔力が使えるなら遠慮なく使ってくれよ」
前を向いたままのシャチの顔は見えないが、先日ヴォルフが大怪我を負った時に、ローも恋歌も倒れる程頑張っているのに、自分が出来る事が少なかったことを気にしていた。
「おれも…ペンギンも…ベポも…オペってなったら手伝えることがすくねぇ…
だから…ちょっとでも恋歌の力になれたらなって…」
ローの魔力が特別多いだけで、他の3人の魔力は通常の量。
それでも力になってくれるというのは、魔女として魔力の少ない恋歌には嬉しい申し出。
シャチの言葉に頷いてもっと強く抱き着いて返すと、今度はシャチから嬉しそうな返事が返ってきた。
ヴォルフのオペから数日後。
仕事から帰ってきたローの手には今朝にはなかった刺青が彫られていた。
指に1文字ずつ、【DEATH】と入っている。
男たちには好評ではあったが、恋歌はローの手を取ってじっと刺青を見ている。
「どうした?」
≪痛くないの?≫
「ああ、入れるときはいてぇが、いまはまったくだ」
≪そっか≫
刺青を撫でるように触っている恋歌の指がくすぐったい。
「も、もういいだろ」
だんだんと恥ずかしくなってきたローは、恋歌の手を離した。
その日の夜。
リビングが騒がしいので降りていくと、全員がリビングに揃っていた。
何をしているのだろうと階段を降りると、ローに話があると言われ、席に座らされた。
どんな話なのだろうかと黙って聞いていると、ローの食べた悪魔の実の能力の話だった。
“オペオペの実”という実を食べた事。
“不老手術”というのが出来るという事。
ローに細かい能力の話もされ、その能力はローにぴったりの能力だった。
「悪魔の実かー
能力者に初めて会った!」
「たしかに
ほんとにいるんだな」
「海には能力者はごろごろおるわい
それよりも希少な魔女もここにはおるしな」
そういえばそうだったと恋歌を見ると、本人にはあまり自覚がなさそうに見える。
「恋歌みたいな魔女も探せばたくさんいたりするの?」
≪うん、でもどこにいるかはわからないけどね≫
「ふーん、そっか」
恋歌から他の魔女について何も聞いた事はないが、ヴォルフの元に来るまではどうしていたのかという話は聞いた事がない。
話してくれるまで聞くつもりはないが、気になってはいる。
だが、恋歌はまだ何も言わない。
この生活が壊れるのが怖いから、恋歌が話せない事は、誰も知らない。