美しい女
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≪星の魔法で天井を崩して…みんなが助けに来てくれた
その後は…みんなに任せちゃったけど…≫
「それは別に気にしなくていい
結局、あの女に発動した魔法ってのはなんだったんだ?」
助けに入った後の事は説明がなくともわかっている。
一番気になっていることは女王に発動した魔法がなんなのか。
≪あれは…今まであの人に殺されてきた女の子の力を借りて、あの人が一番嫌がる事をしたの≫
女王の美容の為に殺された女の子の魂は簡単に星になれるはずもなく、あの浴室にとどまっていた。
それに気づいたのは魔方陣を触った時。
沢山の女の子たちの血が染み込んだ魔方陣に自分の血を混ぜ、もう一つの魔方陣で足りない魔力を生きている女の子たちから借り、女王が一番こだわっていた”美”を…奪った。
その話を聞いて、しん、と周りが静まり返る。
現実離れした話しになんと声をかけていいかわからない。
だが、そんな静寂を破ったのは普段であれば聞こえないような声量の笑い声だった。
「よくやった、上出来だ」
ローの笑いをかみ殺した優しさの滲んだ声に、恋歌が嬉しそうに笑う。
「なんだその顔は
大人しいだけの女だとでも思っていたか?」
口を開けたまま固まっているリンに、にやりと笑うローはもう話さなくていいと恋歌の背中に手を回して、自分の方に引き寄せた。
「残念だったな
恋歌は守られるだけの女じゃねぇんだよ」
美しい可憐な見た目、普段は声を出さない事、白い肌に華奢な身体を見て、海賊といえど守られているだけの存在だと思っていたのだろう。
けれどあのいつ自分が殺されるかもしれない極限状態でも、この騒ぎの元凶である女王に仕返しまでしていた。
知らないうちにリンも捕らえられていた少女たちも、死んでしまった魂でさえも利用して。
「こいつらの顔見たならもう船に戻るぞ
ちゃんと休め」
恋歌が助け出した少女たちの無事も確認でき、女騎士たちも逃げられそうだとわかったなら、もういいだろうと視線を下げれば恋歌は一瞬悩んだ顔をした後小さく頷いた。
「話は後でちゃんと聞いてやる
行くぞ」
シャチに化粧をしてもらって顔色は良く見えているが、腕の中にいる恋歌の手はしっかりとローの服を握り締めており、その手に入っている力はいつもより強い。
おそらくまだ不安なのだろうと早く安心させてやるために、無理やり話を切り上げて恋歌を抱え上げた。
『ロー…』
「安心しろ
女たちの事はちゃんとあいつらが診る
あとは自分の事だけ気にしろ」
『ありがとう…』
一緒に捕らえられていた女の子たちの事は仲間に任せて、ローに抱えられた恋歌は先にポーラータング号に戻った。
「さて、体調悪い子がいればおれたちが診るよ」
「怪我してる子もおいでー」
ローの背中を見送った後、3人は救急箱を取り出して少女たちに声をかける。
「おい、あんたら…」
「あ、おっさんも娘さんと会えてよかったな」
にこっと笑って手当の準備を始める海賊たちに、一瞬固まった男だったが、海賊とは思えない雰囲気に苦笑いをする。
「海賊ってのは…もっと残忍なものだと思ってたんだがな」
「ははっ、おれたちのキャプテンは医者だから一般人を傷つけたりとかはしないよ」
海賊とは思えないファンシーな見た目と、もふもふしている白クマに、ぽつぽつと少女たちが傷を診せに来るので、3人がばらばらに治療を始める。
「けど…キャプテンもおれたちも自分たちに関係ない人間を助けようとか思わないわけよ」
「でもさ、恋歌が助けたいって思ったなら、おれたちは全力で力を貸すんだ」
ただでさえこの世界で生きにくい魔女の恋歌が、誰かを助けたいと願うなら、その手助けをしてやりたいと全員が思っている。
「数えきれない海賊がいるこの大海賊時代で…優しい女の子の海賊がいてもいいと思うんだ」
「まぁたしかに…そうだな
あの子に、礼を言っておいてくれ」
「直接言ってやってくれよ
そっちの方が喜ぶ」
「えー、でもあの状態の恋歌をキャプテンがもう一度外に出すかな?」
「「……」」
その後は…みんなに任せちゃったけど…≫
「それは別に気にしなくていい
結局、あの女に発動した魔法ってのはなんだったんだ?」
助けに入った後の事は説明がなくともわかっている。
一番気になっていることは女王に発動した魔法がなんなのか。
≪あれは…今まであの人に殺されてきた女の子の力を借りて、あの人が一番嫌がる事をしたの≫
女王の美容の為に殺された女の子の魂は簡単に星になれるはずもなく、あの浴室にとどまっていた。
それに気づいたのは魔方陣を触った時。
沢山の女の子たちの血が染み込んだ魔方陣に自分の血を混ぜ、もう一つの魔方陣で足りない魔力を生きている女の子たちから借り、女王が一番こだわっていた”美”を…奪った。
その話を聞いて、しん、と周りが静まり返る。
現実離れした話しになんと声をかけていいかわからない。
だが、そんな静寂を破ったのは普段であれば聞こえないような声量の笑い声だった。
「よくやった、上出来だ」
ローの笑いをかみ殺した優しさの滲んだ声に、恋歌が嬉しそうに笑う。
「なんだその顔は
大人しいだけの女だとでも思っていたか?」
口を開けたまま固まっているリンに、にやりと笑うローはもう話さなくていいと恋歌の背中に手を回して、自分の方に引き寄せた。
「残念だったな
恋歌は守られるだけの女じゃねぇんだよ」
美しい可憐な見た目、普段は声を出さない事、白い肌に華奢な身体を見て、海賊といえど守られているだけの存在だと思っていたのだろう。
けれどあのいつ自分が殺されるかもしれない極限状態でも、この騒ぎの元凶である女王に仕返しまでしていた。
知らないうちにリンも捕らえられていた少女たちも、死んでしまった魂でさえも利用して。
「こいつらの顔見たならもう船に戻るぞ
ちゃんと休め」
恋歌が助け出した少女たちの無事も確認でき、女騎士たちも逃げられそうだとわかったなら、もういいだろうと視線を下げれば恋歌は一瞬悩んだ顔をした後小さく頷いた。
「話は後でちゃんと聞いてやる
行くぞ」
シャチに化粧をしてもらって顔色は良く見えているが、腕の中にいる恋歌の手はしっかりとローの服を握り締めており、その手に入っている力はいつもより強い。
おそらくまだ不安なのだろうと早く安心させてやるために、無理やり話を切り上げて恋歌を抱え上げた。
『ロー…』
「安心しろ
女たちの事はちゃんとあいつらが診る
あとは自分の事だけ気にしろ」
『ありがとう…』
一緒に捕らえられていた女の子たちの事は仲間に任せて、ローに抱えられた恋歌は先にポーラータング号に戻った。
「さて、体調悪い子がいればおれたちが診るよ」
「怪我してる子もおいでー」
ローの背中を見送った後、3人は救急箱を取り出して少女たちに声をかける。
「おい、あんたら…」
「あ、おっさんも娘さんと会えてよかったな」
にこっと笑って手当の準備を始める海賊たちに、一瞬固まった男だったが、海賊とは思えない雰囲気に苦笑いをする。
「海賊ってのは…もっと残忍なものだと思ってたんだがな」
「ははっ、おれたちのキャプテンは医者だから一般人を傷つけたりとかはしないよ」
海賊とは思えないファンシーな見た目と、もふもふしている白クマに、ぽつぽつと少女たちが傷を診せに来るので、3人がばらばらに治療を始める。
「けど…キャプテンもおれたちも自分たちに関係ない人間を助けようとか思わないわけよ」
「でもさ、恋歌が助けたいって思ったなら、おれたちは全力で力を貸すんだ」
ただでさえこの世界で生きにくい魔女の恋歌が、誰かを助けたいと願うなら、その手助けをしてやりたいと全員が思っている。
「数えきれない海賊がいるこの大海賊時代で…優しい女の子の海賊がいてもいいと思うんだ」
「まぁたしかに…そうだな
あの子に、礼を言っておいてくれ」
「直接言ってやってくれよ
そっちの方が喜ぶ」
「えー、でもあの状態の恋歌をキャプテンがもう一度外に出すかな?」
「「……」」