美しい女
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ばちばちと睨み合っているローとリンに挟まれて、おろおろしている恋歌は、何かを決意したようにぐっと唇を噛んで、ぎゅっとローに抱き着いた。
『わたしは、ハートの海賊団の、魔法使いで…
ローの、こ、い人だっ、から…
一緒に、行けない』
”恋人”という単語を照れながらリンに伝える姿に、ローの心臓がきゅん、と音を立てた。
それはリンも同じだったようで、少し頬を染めてぽかんと口を開けたまま固まっている。
「そういうわけだ
諦めろ」
勝ち誇った笑みを浮かべるローの表情にいらっとしたが、恋歌本人が望んでいる事では仕方ないかと息をはいて心を落ち着かせた。
「…わかった
それがお前の望みなら、引き下がろう」
渋々引き下がったリンはリュックをしっかり背負い直し、最後に恋歌の頭を撫でようと手を伸ばしたが、それすらもローに防がれた。
「…そういえば、」
ずっと威嚇してくるローに呆れたような視線を向けて、ローの腕の中にいる恋歌に声をかければ、不思議そうに首を傾げた。
「わたしたちは女王の美しさに惹かれて忠誠を誓っていた
さっき海兵に連れて行かれるあの方をちらっと見かけたんだが…その…」
「年相応の婆さんに見えたってか?」
「!!
その通りだ」
城を抜け出す時に連行される女王をこっそりと見たが、かつて美姫と謳われていた頃の面影はなく、年相応の老婆に見えた。
「なにか、したのか?」
それはローも不思議に思っていた事だった。
最期女王をばらした時、人々が噂するような美しい女には見えなかった。
”美”に固執していた割には普通の老婆よりも老けて見え、いっそのこと整形手術でもしてやろうかと考えていたローは、その女王の姿を見てその憤りは消えた。
噂と違う姿に何か違和感を感じたローは、恋歌が目を覚ました後に話を聞こうと思っていたところだった。
『…うん、わたしが…やった』
「やっぱりな」
「…お前が?」
気まずそうに目線を逸らした恋歌は、ちゃんと話そうとローから少し離れた。
恋歌が何かを話そうとしている事に気づいて、少し離れたところに立っていたペンギン、シャチ、ベポも近寄ってきて、恋歌の手元に視線を向ける。
≪もともとね、あの人は独自で魔法の事を調べて、若返りの魔法陣を描いてたの≫
「へぇ…
それがあの部屋にあった魔方陣か」
「は?お前はこの子の話している事がわかるのか?」
「…ああ
お前は別に知る必要はねぇだろ」
恋歌は長い話をするときは今も手話を使う。
自分の話すスピードではなかなか進まないと思っているからなのかもしれないが、恋歌の声が聞けるのであれば、ゆっくりでもいいから話してほしいと思う時もある。
だが、こんな時には他の人に恋歌の声を聞かせたくない為、今回はこれでいいとローは恋歌に話を続けるように促した。
≪その魔方陣を描くときに参考にしてた本を見ながら、わたしはその魔方陣を描き直した≫
「描き直した?
ってことは、その魔方陣は間違ってたのか?」
≪うん、間違ってるっていうのは本を見たときにすぐにわかったの
でもね…間違ってる、って…言えば…きっと…≫
がたがたと恋歌が震え始めた事に気づいたローは、話したくないことは話さなくていいと手を握ってやるが、大丈夫だと笑われそっと手を離した。
≪だからわたしは、魔方陣を直す事、捕まってる人たちを助ける事、ローたちに助けを求める事
それを実行した≫
「ああ、それであの女がおれたちのところに来たんだな」
ちらっとローがリンの方に視線を向ければ、恋歌が何を話しているかわからない為、難しい顔をして腕を組んでいる。
だが、話が気になった周りの少女たちが、傍にいる3人に恋歌が何を話しているのかを聞いており、それにリンも耳を傾けている。
≪魔方陣は本があったから描き直しは簡単だった
後は…わたしの魔力の問題だったから、それは捕まってたみんなの力を借りたの≫
「もう一つ魔方陣があったな」
≪その魔方陣は人の魔力をわたしが使えるようにするためのもの
自分の魔力で女の子たちの魔方陣を発動させて、みんなの魔力を使ってわたしは女王の魔方陣を発動させた≫
『わたしは、ハートの海賊団の、魔法使いで…
ローの、こ、い人だっ、から…
一緒に、行けない』
”恋人”という単語を照れながらリンに伝える姿に、ローの心臓がきゅん、と音を立てた。
それはリンも同じだったようで、少し頬を染めてぽかんと口を開けたまま固まっている。
「そういうわけだ
諦めろ」
勝ち誇った笑みを浮かべるローの表情にいらっとしたが、恋歌本人が望んでいる事では仕方ないかと息をはいて心を落ち着かせた。
「…わかった
それがお前の望みなら、引き下がろう」
渋々引き下がったリンはリュックをしっかり背負い直し、最後に恋歌の頭を撫でようと手を伸ばしたが、それすらもローに防がれた。
「…そういえば、」
ずっと威嚇してくるローに呆れたような視線を向けて、ローの腕の中にいる恋歌に声をかければ、不思議そうに首を傾げた。
「わたしたちは女王の美しさに惹かれて忠誠を誓っていた
さっき海兵に連れて行かれるあの方をちらっと見かけたんだが…その…」
「年相応の婆さんに見えたってか?」
「!!
その通りだ」
城を抜け出す時に連行される女王をこっそりと見たが、かつて美姫と謳われていた頃の面影はなく、年相応の老婆に見えた。
「なにか、したのか?」
それはローも不思議に思っていた事だった。
最期女王をばらした時、人々が噂するような美しい女には見えなかった。
”美”に固執していた割には普通の老婆よりも老けて見え、いっそのこと整形手術でもしてやろうかと考えていたローは、その女王の姿を見てその憤りは消えた。
噂と違う姿に何か違和感を感じたローは、恋歌が目を覚ました後に話を聞こうと思っていたところだった。
『…うん、わたしが…やった』
「やっぱりな」
「…お前が?」
気まずそうに目線を逸らした恋歌は、ちゃんと話そうとローから少し離れた。
恋歌が何かを話そうとしている事に気づいて、少し離れたところに立っていたペンギン、シャチ、ベポも近寄ってきて、恋歌の手元に視線を向ける。
≪もともとね、あの人は独自で魔法の事を調べて、若返りの魔法陣を描いてたの≫
「へぇ…
それがあの部屋にあった魔方陣か」
「は?お前はこの子の話している事がわかるのか?」
「…ああ
お前は別に知る必要はねぇだろ」
恋歌は長い話をするときは今も手話を使う。
自分の話すスピードではなかなか進まないと思っているからなのかもしれないが、恋歌の声が聞けるのであれば、ゆっくりでもいいから話してほしいと思う時もある。
だが、こんな時には他の人に恋歌の声を聞かせたくない為、今回はこれでいいとローは恋歌に話を続けるように促した。
≪その魔方陣を描くときに参考にしてた本を見ながら、わたしはその魔方陣を描き直した≫
「描き直した?
ってことは、その魔方陣は間違ってたのか?」
≪うん、間違ってるっていうのは本を見たときにすぐにわかったの
でもね…間違ってる、って…言えば…きっと…≫
がたがたと恋歌が震え始めた事に気づいたローは、話したくないことは話さなくていいと手を握ってやるが、大丈夫だと笑われそっと手を離した。
≪だからわたしは、魔方陣を直す事、捕まってる人たちを助ける事、ローたちに助けを求める事
それを実行した≫
「ああ、それであの女がおれたちのところに来たんだな」
ちらっとローがリンの方に視線を向ければ、恋歌が何を話しているかわからない為、難しい顔をして腕を組んでいる。
だが、話が気になった周りの少女たちが、傍にいる3人に恋歌が何を話しているのかを聞いており、それにリンも耳を傾けている。
≪魔方陣は本があったから描き直しは簡単だった
後は…わたしの魔力の問題だったから、それは捕まってたみんなの力を借りたの≫
「もう一つ魔方陣があったな」
≪その魔方陣は人の魔力をわたしが使えるようにするためのもの
自分の魔力で女の子たちの魔方陣を発動させて、みんなの魔力を使ってわたしは女王の魔方陣を発動させた≫