美しい女
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「恋歌!!」
甲板から島を見下ろすと、陸には少女たちが集まっており、先頭にはフィーリがいて恋歌の姿が見えた瞬間に笑顔で名前を呼んだ。
行ってこいとローに背中を押され、恋歌は少女たちの輪の中に入って行った。
「恋歌、よかった
大丈夫なの?」
フィーリの言葉に頷けば、ほっとしたように息をはいて、恋歌の手を握り締めた。
「恋歌のおかげであのお城からでられた…
お父さんとも…また会えた…!
ほんとに、ありがとう…!」
『(あの人、フィーリのお父さんだったんだ)』
フィーリの横で涙を流しているのは数日前に声をかけてきた男。
男とフィーリの関係は知らなかったが、無事に会えたのであればよかったと、恋歌も笑顔で返した。
「…さっきね、女王が海軍に連れて行かれたの
あの地下での事がバレて、さすがに誰かが通報したみたい」
あれだけの惨状を見てしまえば、自分に禍が降りかかる前に何とかしたいと思うのは普通の事だろう。
「おい」
「え…なんでここに…」
フィーリや他の少女たちが恋歌にお礼を告げていると、後ろから肩を引かれ視線を少し上げれば、騎士の鎧を脱いだリンが立っていた。
「…安心しろ
わたしもここからすぐにいなくなる」
「…どういうこと?」
「女王のしていた事に加担していたからな
わたしたち騎士やあの城の使用人たちも捕らえられるのも時間の問題
だから手が回る前に逃げる事にした」
よくよく見れば小さなリュックを持っており、剣が腰にささっている。
「だからお前を呼びに来た」
『?』
どういうことだと首を傾げている恋歌の手を取り、片膝をついて視線を合わせた。
「わたしと一緒に行こう」
『(ど、どういうこと?)』
困ったように狼狽えていると、ぐいっと肩を抱かれ、後ろから伸びてきた手にリンの手を叩き落とされた。
「こいつに気安く触るな」
『(ロー…)』
またしてもリンに見せつけるように恋歌を抱き寄せたローは、ぎろっとリンを睨みつける。
「…わたしは男を信用していない
そんなに美しい少女を簡単に攫われるような男なのだろう?情けない…」
「あ?」
立ち上がったリンの言葉に反応したローは、今にも斬りかかりそうなほど眼光を鋭くして睨んでいるが、恋歌の肩を抱く手は優しいまま。
「わたしならその子を危険に曝さない
どんな厄災からも守ってみせる」
「はっ、ご立派な志だが恋歌は守られるだけの弱い女とは違う
お前も見ただろ
恋歌は自分の身は自分で守れる女だ」
「…美しいものは守るべきだ
海賊など追われる存在に、美しい純潔の乙女は不釣り合いだ」
「純潔の乙女…?」
『!!』
初めて聞いた言葉に怪訝そうな顔をすると、恋歌が慌てたように身振り手振りで聞いてはダメだとアピールしてくる。
「純潔の乙女とは処女であるということだ」
「「ええ!!?」」
リンの言葉に驚きの声を上げたのは、ローの後ろに控えていたペンギンとシャチだった。
「男など知らなくともいい」
『わ、たしは…!
ローが、いいの…』
このままでは埒があかないと思った恋歌が声を出せば、リンは驚いたように目を見開いて固まった。
「魔法以外で声を出さないというのも嘘か…
しかし何度聞いても美しい声だ…」
「触んな」
うっとりした表情で恋歌に手を伸ばしてきたので、ローがその手をまた叩き落とした。
甲板から島を見下ろすと、陸には少女たちが集まっており、先頭にはフィーリがいて恋歌の姿が見えた瞬間に笑顔で名前を呼んだ。
行ってこいとローに背中を押され、恋歌は少女たちの輪の中に入って行った。
「恋歌、よかった
大丈夫なの?」
フィーリの言葉に頷けば、ほっとしたように息をはいて、恋歌の手を握り締めた。
「恋歌のおかげであのお城からでられた…
お父さんとも…また会えた…!
ほんとに、ありがとう…!」
『(あの人、フィーリのお父さんだったんだ)』
フィーリの横で涙を流しているのは数日前に声をかけてきた男。
男とフィーリの関係は知らなかったが、無事に会えたのであればよかったと、恋歌も笑顔で返した。
「…さっきね、女王が海軍に連れて行かれたの
あの地下での事がバレて、さすがに誰かが通報したみたい」
あれだけの惨状を見てしまえば、自分に禍が降りかかる前に何とかしたいと思うのは普通の事だろう。
「おい」
「え…なんでここに…」
フィーリや他の少女たちが恋歌にお礼を告げていると、後ろから肩を引かれ視線を少し上げれば、騎士の鎧を脱いだリンが立っていた。
「…安心しろ
わたしもここからすぐにいなくなる」
「…どういうこと?」
「女王のしていた事に加担していたからな
わたしたち騎士やあの城の使用人たちも捕らえられるのも時間の問題
だから手が回る前に逃げる事にした」
よくよく見れば小さなリュックを持っており、剣が腰にささっている。
「だからお前を呼びに来た」
『?』
どういうことだと首を傾げている恋歌の手を取り、片膝をついて視線を合わせた。
「わたしと一緒に行こう」
『(ど、どういうこと?)』
困ったように狼狽えていると、ぐいっと肩を抱かれ、後ろから伸びてきた手にリンの手を叩き落とされた。
「こいつに気安く触るな」
『(ロー…)』
またしてもリンに見せつけるように恋歌を抱き寄せたローは、ぎろっとリンを睨みつける。
「…わたしは男を信用していない
そんなに美しい少女を簡単に攫われるような男なのだろう?情けない…」
「あ?」
立ち上がったリンの言葉に反応したローは、今にも斬りかかりそうなほど眼光を鋭くして睨んでいるが、恋歌の肩を抱く手は優しいまま。
「わたしならその子を危険に曝さない
どんな厄災からも守ってみせる」
「はっ、ご立派な志だが恋歌は守られるだけの弱い女とは違う
お前も見ただろ
恋歌は自分の身は自分で守れる女だ」
「…美しいものは守るべきだ
海賊など追われる存在に、美しい純潔の乙女は不釣り合いだ」
「純潔の乙女…?」
『!!』
初めて聞いた言葉に怪訝そうな顔をすると、恋歌が慌てたように身振り手振りで聞いてはダメだとアピールしてくる。
「純潔の乙女とは処女であるということだ」
「「ええ!!?」」
リンの言葉に驚きの声を上げたのは、ローの後ろに控えていたペンギンとシャチだった。
「男など知らなくともいい」
『わ、たしは…!
ローが、いいの…』
このままでは埒があかないと思った恋歌が声を出せば、リンは驚いたように目を見開いて固まった。
「魔法以外で声を出さないというのも嘘か…
しかし何度聞いても美しい声だ…」
「触んな」
うっとりした表情で恋歌に手を伸ばしてきたので、ローがその手をまた叩き落とした。