出会いから出航まで
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2人とも夕飯を食べ終わりヴォルフが食器を片付けるついでに、起きた時にすぐに温かいスープを飲ませてあげられるように温め直してくると部屋から出て行った。
今部屋には恋歌と少年の2人だけ。
「うっ…」
『(またうなされてる…)』
しばらくは椅子に座って様子を見ていたが、ずっと眉間にシワを寄せてうなされているのを見て、ベッドの脇にそっと近寄った。
「コラさん…」
『(誰だろ)』
誰かの名前を呼びながら天井に向かって手を伸ばしたので、反射的にその手を両手で掴んだ。
それにほっとしたのか眉間のシワは少なくなり、呼吸も最初よりは安定しているように見える。
弱々しく握り返してくる手はまだ冷たく、温めようと痛くないように擦り合わせた。
「…ん」
それに反応したのかどうなのかはわからないが、ゆっくりと少年が目を開けた。
「どこだ、ここ」
身体を起こしてぐるりと部屋を見た後、自分の手が温かいことに気付いた。
「お前誰だ!!」
見知らぬ少女に手を握られているとわかった瞬間、その手を振り払いメスを構えた。
目の前にメスを構えられた恋歌は、両手を上げて首を横に振り、なにもしないことをアピールするが、警戒は解かれない。
「答えろ!
お前は誰でここはどこだ!!」
困ったような顔をした恋歌は、どうすればいいのか悩んでいるとがちゃりと扉が開く音がした。
「おう、やっと起きたか」
温めたスープを持って現れたヴォルフは、メスを突きつけられている恋歌を下がらせ、ベッドの脇にスープを置いた。
少年はスープの匂いに喉をごくりと鳴らしたが、スープに手をつけることはしない。
そして次の瞬間ヴォルフの背後に回り、持っていたメスを首元に突きつけた。
「何が狙いだ、じいさん」
「やれやれじゃわい…ふんっ!」
ヴォルフは特に慌てることもなく少年を投げ飛ばした。
背中を床に叩きつけられるように投げ飛ばされたが、何が起こったのかわかっていないようでぽかんとしている。
『(大丈夫かな…)』
衰弱した身体でかなり強い衝撃を受けたので、心配した恋歌がそばに駆け寄ろうとするが、ぎろっと睨まれて近づけなかった。
その様子を見たヴォルフが皿とスプーンを少年に近づけるが、全く警戒が解かれず恋歌とヴォルフに交互に視線を向ける。
「変なものでも入ってないかと疑っとるのか…ふん
他人が信じられんのだな」
受け取られない皿のスープをスプーンですくい、何度かスープをすする。
「これで毒なんぞ入ってないとわかったろう
大丈夫じゃ、わしはお前の敵じゃない
もちろんここにいるこの子もな
正義の味方を気取るつもりはないが、死にかけのガキ相手に駆け引きするほど、腐ってはおらんわい」
もう一度ヴォルフがスープを差し出せば、メスを握っている手とは反対の手でスプーンを握り、スープに口をつけた。
最初は恋歌とヴォルフに向けていたメスも、スープを飲み始めてすぐに手を離して美味い美味いと涙を流しながらスープを飲み始めた。
「すぐにおかわりを持ってきてやるわい
恋歌、お前は風呂を沸かしてきてやれ」
ヴォルフの言葉に頷いた恋歌は、ヴォルフの後ろをついて行った。
今部屋には恋歌と少年の2人だけ。
「うっ…」
『(またうなされてる…)』
しばらくは椅子に座って様子を見ていたが、ずっと眉間にシワを寄せてうなされているのを見て、ベッドの脇にそっと近寄った。
「コラさん…」
『(誰だろ)』
誰かの名前を呼びながら天井に向かって手を伸ばしたので、反射的にその手を両手で掴んだ。
それにほっとしたのか眉間のシワは少なくなり、呼吸も最初よりは安定しているように見える。
弱々しく握り返してくる手はまだ冷たく、温めようと痛くないように擦り合わせた。
「…ん」
それに反応したのかどうなのかはわからないが、ゆっくりと少年が目を開けた。
「どこだ、ここ」
身体を起こしてぐるりと部屋を見た後、自分の手が温かいことに気付いた。
「お前誰だ!!」
見知らぬ少女に手を握られているとわかった瞬間、その手を振り払いメスを構えた。
目の前にメスを構えられた恋歌は、両手を上げて首を横に振り、なにもしないことをアピールするが、警戒は解かれない。
「答えろ!
お前は誰でここはどこだ!!」
困ったような顔をした恋歌は、どうすればいいのか悩んでいるとがちゃりと扉が開く音がした。
「おう、やっと起きたか」
温めたスープを持って現れたヴォルフは、メスを突きつけられている恋歌を下がらせ、ベッドの脇にスープを置いた。
少年はスープの匂いに喉をごくりと鳴らしたが、スープに手をつけることはしない。
そして次の瞬間ヴォルフの背後に回り、持っていたメスを首元に突きつけた。
「何が狙いだ、じいさん」
「やれやれじゃわい…ふんっ!」
ヴォルフは特に慌てることもなく少年を投げ飛ばした。
背中を床に叩きつけられるように投げ飛ばされたが、何が起こったのかわかっていないようでぽかんとしている。
『(大丈夫かな…)』
衰弱した身体でかなり強い衝撃を受けたので、心配した恋歌がそばに駆け寄ろうとするが、ぎろっと睨まれて近づけなかった。
その様子を見たヴォルフが皿とスプーンを少年に近づけるが、全く警戒が解かれず恋歌とヴォルフに交互に視線を向ける。
「変なものでも入ってないかと疑っとるのか…ふん
他人が信じられんのだな」
受け取られない皿のスープをスプーンですくい、何度かスープをすする。
「これで毒なんぞ入ってないとわかったろう
大丈夫じゃ、わしはお前の敵じゃない
もちろんここにいるこの子もな
正義の味方を気取るつもりはないが、死にかけのガキ相手に駆け引きするほど、腐ってはおらんわい」
もう一度ヴォルフがスープを差し出せば、メスを握っている手とは反対の手でスプーンを握り、スープに口をつけた。
最初は恋歌とヴォルフに向けていたメスも、スープを飲み始めてすぐに手を離して美味い美味いと涙を流しながらスープを飲み始めた。
「すぐにおかわりを持ってきてやるわい
恋歌、お前は風呂を沸かしてきてやれ」
ヴォルフの言葉に頷いた恋歌は、ヴォルフの後ろをついて行った。