美しい女
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そしてリンが戻って来ると、すでに恋歌は浴室で作業をしており、傍には手伝いでフィーリもいる。
「交代しよう」
「ああ」
代理で恋歌の見張りをしていた女騎士とリンが交替し、今日もバスタブの下に描かれている魔方陣の字を消しては書き加え、本をじっと見つめている恋歌の姿を無意識に視線で追いかける。
「!!」
それに気づいた恋歌が、にこっと笑って軽く手を振ってくる。
なぜかその笑顔にぎゅん、と心臓が音を立てて、顔に熱が集まってくるのを感じ、それを悟られないように視線を逸らした。
『(…なんでなのかはわからないけど、使えるものは全部使う)』
今日の朝、リンとは違う女騎士に注射を刺され、声を出すことはできない。
それでもリンが戻ってきたという事は、ローたちにちゃんと伝言が伝わったのだと信じて、出来る事をするために紙に文字を書いてリンに見せる。
≪ここには女の子は何人ぐらいいるの?≫
「そうだな…
おおよそ100人程度だ」
『(そんなに…)』
思ったより人数が多い事に眉間に皺を寄せた恋歌は、何かを考えるようにゆっくりと紙に文字と絵を描いていく。
「…これは?」
完成した絵をリンに見せると、不思議そうな顔をしながら首を傾げている。
≪この魔法を使うにはたくさんの血が必要になる
女の子が100人もいるなら全員に協力してもらう
全員死んじゃうかもしれないけど、魔法の発動に必要なら女王も許可してくれるでしょ?≫
「そ、うか…
女王も…それなら、許可、するだろう…」
リンが暗い顔をした事には気づいたが、それを気にする事なく言葉の続きを書いてもう一度見せた。
≪もうひとつ魔方陣が必要になるからこれを協力して描いてほしい
100人入れる大きさで描いてね≫
「…わかった
その紙を貰おう」
恋歌が描いた魔方陣の紙をちぎってリンに渡し、女王の許可を取ってくると一度外に出て行った。
「…ね、ねぇ、恋歌」
ばたん、と扉が閉まった後、控えめに恋歌の手に触れてきたフィーリは、顔を真っ青にして震えている。
「わ、わたしたち…死んじゃう、の!?」
恋歌とリンの会話を聞いていれば、自分も魔法の発動時に血を抜き取られて、死んでしまうのではと身体が震えて恋歌に真実を聞かずにはいられなかった。
恋歌はなぜか困ったように笑うだけで、紙に字を書くことも、大丈夫だと優しく笑いかけてくれる事もなかった。
それがフィーリの不安をさらに煽り、また作業を開始した恋歌の手伝いを震えながら続けていると、扉が開いてリンが戻ってきたのかと扉に視線を向けると、そこには予想していなかった人物が立っていた。
「おい、不敬だぞ」
「いいんですのよ
この子はわたくしの夢を叶えてくれる魔法使いですもの」
浴室に入ってきたのは煌びやかな真っ赤なドレスを着た女王で、不意に現れた女王にぽかんとしていたが、機嫌が良さそうで座り込んだままでもいいと許可が出た。
何しに来たのかと、じっと女王の瞳を見つめれば、また機嫌が良さそうに笑みを浮かべる。
「この魔法を発動するのにここにいる子たちの血が必要と聞きましたわ」
その言葉に頷きで返すと、白い羽がついた扇を広げ口元を隠した。
「それで魔法が完成するのであれば使って頂いて構いませんわ
新しい魔方陣を描いてほしいとのことでしたら、わたくしの騎士や侍女たちも使って構いません
血も、少女たちのモノで足りなければ、騎士も侍女も使ってください
他に何か用意する事がありますか?」
「「「……」」」
自分の夢が近づいている事に興奮しているのか、周りの騎士たちや侍女たちが女王の言葉にぴくりと反応したことに気づいていない様子。
≪魔法を発動する前日、わたしを一度外に出して≫
「…それはなぜですの?」
≪魔法を成功させるために必要なの≫
「……」
ここはおそらく地下で、気持ちの悪い魔力は薄れてきているが、大気から魔力を得る事も出来ず、星が見れていない恋歌は徐々にではあるが魔力が減ってきている。
魔方陣を使った魔法を使う事は初めてなため、魔力は満タンにしておきたい。
≪あと当日はわたしの声が出るようにして
声が出ないと魔法が使えない≫
「……いいでしょう
あなたの要望は叶えましょう
その代わり外に出た後逃げるようなら、ここのいる少女たち全員を殺して、どんな場所にいようとあなたに送りつけますわ」
ぐいっと顔を近づけて不気味な笑みを浮かべている女王に、頷いた恋歌はぶるりと身震いしそうになるのを抑えた。
「…何がかわったのかわかりませんが、魔方陣を描く場所に指定はありますか?」
≪この部屋の中ならどこでもいい≫
「ではこちらに描かせましょう
お前たち、わかりましたね
魔法使いの言うとおりに動きなさい
もし魔方陣を間違えるような事があれば…わかりますね?」
「「「はっ」」」
「では美しい魔法使い
これはどの程度で完成させればいいですか?」
≪魔法発動は3日後の夜
それまでに描いてほしい≫
「わかりましたわ」
順調に進んでいる事に満足そうにした女王は、騎士や侍女たちに恋歌の指示に従うようにと告げて、浴室から騎士と侍女を伴って出て行った。
「交代しよう」
「ああ」
代理で恋歌の見張りをしていた女騎士とリンが交替し、今日もバスタブの下に描かれている魔方陣の字を消しては書き加え、本をじっと見つめている恋歌の姿を無意識に視線で追いかける。
「!!」
それに気づいた恋歌が、にこっと笑って軽く手を振ってくる。
なぜかその笑顔にぎゅん、と心臓が音を立てて、顔に熱が集まってくるのを感じ、それを悟られないように視線を逸らした。
『(…なんでなのかはわからないけど、使えるものは全部使う)』
今日の朝、リンとは違う女騎士に注射を刺され、声を出すことはできない。
それでもリンが戻ってきたという事は、ローたちにちゃんと伝言が伝わったのだと信じて、出来る事をするために紙に文字を書いてリンに見せる。
≪ここには女の子は何人ぐらいいるの?≫
「そうだな…
おおよそ100人程度だ」
『(そんなに…)』
思ったより人数が多い事に眉間に皺を寄せた恋歌は、何かを考えるようにゆっくりと紙に文字と絵を描いていく。
「…これは?」
完成した絵をリンに見せると、不思議そうな顔をしながら首を傾げている。
≪この魔法を使うにはたくさんの血が必要になる
女の子が100人もいるなら全員に協力してもらう
全員死んじゃうかもしれないけど、魔法の発動に必要なら女王も許可してくれるでしょ?≫
「そ、うか…
女王も…それなら、許可、するだろう…」
リンが暗い顔をした事には気づいたが、それを気にする事なく言葉の続きを書いてもう一度見せた。
≪もうひとつ魔方陣が必要になるからこれを協力して描いてほしい
100人入れる大きさで描いてね≫
「…わかった
その紙を貰おう」
恋歌が描いた魔方陣の紙をちぎってリンに渡し、女王の許可を取ってくると一度外に出て行った。
「…ね、ねぇ、恋歌」
ばたん、と扉が閉まった後、控えめに恋歌の手に触れてきたフィーリは、顔を真っ青にして震えている。
「わ、わたしたち…死んじゃう、の!?」
恋歌とリンの会話を聞いていれば、自分も魔法の発動時に血を抜き取られて、死んでしまうのではと身体が震えて恋歌に真実を聞かずにはいられなかった。
恋歌はなぜか困ったように笑うだけで、紙に字を書くことも、大丈夫だと優しく笑いかけてくれる事もなかった。
それがフィーリの不安をさらに煽り、また作業を開始した恋歌の手伝いを震えながら続けていると、扉が開いてリンが戻ってきたのかと扉に視線を向けると、そこには予想していなかった人物が立っていた。
「おい、不敬だぞ」
「いいんですのよ
この子はわたくしの夢を叶えてくれる魔法使いですもの」
浴室に入ってきたのは煌びやかな真っ赤なドレスを着た女王で、不意に現れた女王にぽかんとしていたが、機嫌が良さそうで座り込んだままでもいいと許可が出た。
何しに来たのかと、じっと女王の瞳を見つめれば、また機嫌が良さそうに笑みを浮かべる。
「この魔法を発動するのにここにいる子たちの血が必要と聞きましたわ」
その言葉に頷きで返すと、白い羽がついた扇を広げ口元を隠した。
「それで魔法が完成するのであれば使って頂いて構いませんわ
新しい魔方陣を描いてほしいとのことでしたら、わたくしの騎士や侍女たちも使って構いません
血も、少女たちのモノで足りなければ、騎士も侍女も使ってください
他に何か用意する事がありますか?」
「「「……」」」
自分の夢が近づいている事に興奮しているのか、周りの騎士たちや侍女たちが女王の言葉にぴくりと反応したことに気づいていない様子。
≪魔法を発動する前日、わたしを一度外に出して≫
「…それはなぜですの?」
≪魔法を成功させるために必要なの≫
「……」
ここはおそらく地下で、気持ちの悪い魔力は薄れてきているが、大気から魔力を得る事も出来ず、星が見れていない恋歌は徐々にではあるが魔力が減ってきている。
魔方陣を使った魔法を使う事は初めてなため、魔力は満タンにしておきたい。
≪あと当日はわたしの声が出るようにして
声が出ないと魔法が使えない≫
「……いいでしょう
あなたの要望は叶えましょう
その代わり外に出た後逃げるようなら、ここのいる少女たち全員を殺して、どんな場所にいようとあなたに送りつけますわ」
ぐいっと顔を近づけて不気味な笑みを浮かべている女王に、頷いた恋歌はぶるりと身震いしそうになるのを抑えた。
「…何がかわったのかわかりませんが、魔方陣を描く場所に指定はありますか?」
≪この部屋の中ならどこでもいい≫
「ではこちらに描かせましょう
お前たち、わかりましたね
魔法使いの言うとおりに動きなさい
もし魔方陣を間違えるような事があれば…わかりますね?」
「「「はっ」」」
「では美しい魔法使い
これはどの程度で完成させればいいですか?」
≪魔法発動は3日後の夜
それまでに描いてほしい≫
「わかりましたわ」
順調に進んでいる事に満足そうにした女王は、騎士や侍女たちに恋歌の指示に従うようにと告げて、浴室から騎士と侍女を伴って出て行った。